妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

これは面白かった~!!雪組御園座公演『BONNIE & CLYDE』!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、雪組公演『BONNIE & CLYDE』
を観劇に御園座へ行ってきました。
地元ですからね。近いので、やっぱり楽
です。


久し振りの御園座観劇。昨年の星組公演
『王家に捧ぐ歌』がコロナ渦で私の観劇
日が中止になったので、2020年の珠城り
ょうさん主演の『赤と黒』以来になりま
す。御園座は、私が観たいと思う公演を
余りやらないので……。


地下鉄伏見駅の改札外にいくつか、お店
が出来ているのも驚きでしたが、何より
も驚いたのは、劇場ロビーで弁当を売っ
ていた事。幕間に食べることが出来るよ
うで、皆、買って食べてました。鰻弁当
は、2,800円もするのに、帰りには完売に
なっていました。つた茂の幕の内弁当は、
お持ち帰りも出来るとの事。
客席では、水分補給も出来ない梅田芸術
劇場に見せてやりたい。


で、本題のお芝居の話ですが、タイトル
に書いたように、本当に面白かったです。
男女二人が強盗殺人を働いて、最後に警
官たちに撃ち殺されるという話が「面白
い」というと何ですが、私の周りの人も
面白かったと話していました。


さて、いつもの通り、公演プログラムか
らストーリーです。
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1934年、アメリカ、ルイジアナ州ビエン
ビル。歴史的な大恐慌の波にのまれたア
メリカで、犯罪者でありながらも民衆の
ヒーローとなった連続強盗殺人犯、ボニ
ー&クライドが弾丸の雨に散った……。
 二人がまだ、少年、少女だった頃。貧
困にあえぐ暮らしをしながらも、クライ
ドはアウトロー・ヒーローに憧れ、ボニ
ーは映画女優になる夢を持っていた。
 強盗を繰り返した罪で投獄されたもの
の兄バックと共に脱獄を成功させたクラ
イド・バロウは、逃亡中、ウェイトレス
をしながら女優になる夢を持ち続けてい
るボニー・パーカーと出会う。ボニーの
車を直しながら、無駄に生きた人生を取
り戻そうと誘うクライド。自動車泥棒の
被害者になるか自分と一緒にドライブを
するかと問うクライドの言葉に、ボニー
は共に行くことを選ぶのだった。
 クライドと一緒に脱獄したが妻ブラン
チの説得を受け自首したバックと違い、
またしても強盗を繰り返すクライド。再
び投獄されたが、二度目の脱獄を手助け
したのは他でもないボニーだった。
 新聞の一面を飾る、クライド脱獄のニ
ュース。弟が自由の身になったと喜ぶバ
ックやクライドの友人たち。不安に駆ら
れるブランチや両親……。様々な人の思
いが渦巻き、未来の見えない時代の鬱屈
した空気の中にいる民衆たちが注目する
中、強盗を繰り返すクライドは遂にその
手を血で染めてしまう。
 そしてボニーとクライドは後戻りでき
ない車に乗り込み、更にアクセルを踏み
込んでいく……。
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潤色・演出/大野 拓史というのに一抹の
不安を抱えつつ観劇しましたが、そんな
ものは吹き飛ばしてしまうような見事な
作品。ストーリー運びの巧みさと、曲、
歌詞の素晴らしさ、さすがは、ブロード
ウェイでも上演された作品です。
脚本はイヴァン・メンチェル、音楽はあ
のフランク・ワイルドホーン、作詞はド
ン・ブラックです。


冒頭は、ボニーとクライドが警官たちに
待ち伏せられて、無数の銃弾を浴びて死
ぬところから始まりますが、それは、一
瞬。
最後は、ボニーとクライドが二人で、車
に乗って、警官たちが待ち伏せていると
も知らずに、ボニーの母親に会いに行く
ところで終わります。


連続強盗殺人犯が最後には殺されるとい
う内容なのにその暗さ、凄惨さを感じな
い、それは、閉塞感に覆われた世の中で、
二人の自由に生きようとする姿とその深
い愛、そして、それぞれの家族との愛が
しっかりと物語で描かれているからでし
ょう。


二人が連続強盗殺人を繰り返した大恐慌
後のアメリカという時代背景もしっかり
と描かれ、その貧困と希望のない生活か
ら抜け出そうとする二人の設定もきちん
と説明されていて、二人が犯罪に手を染
めた経緯も分かるようなストーリーにな
っています。


さて、人物感想です。


まず、クライド役の彩風咲奈さんです。


『蒼穹の昴』の最優秀成績で科挙に合格
する俊才・梁文秀役も良かったですが、
今回の、ちょっとおバカでアウトロー・
ヒーローに憧れて、犯罪者の道を突っ走
るクライド役もよく似合っています。


強盗犯罪を繰り返し、遂には、警官を撃
ち殺してしまい、深く落ち込むのですが、
それでも、強盗は続けるという、ある意
味危ない人物なのですが、自由を求めて
真っ直ぐに突き進んでいくその姿には、
なぜか共感すら覚えるほどです。
そんなクライド役を今度も見事に演じた
彩風さん、さすがです。


また、ハットにスーツを決め込んで、高
級車を乗り回す姿も最高に格好いいです。
ワイルドホーンの難曲も見事に歌いこな
し、魅せてくれました。


さて、満を持しての雪組トップ娘役就任
の夢白あやさん。

最初の役が、『BONNIE & CLYDE』のボ
ニー役でいいのか?と思っていましたが、
そんな心配は吹き飛ばすほど。
見事にボニーになりきっていました。
しかも、彩風さん演じるクライドと堂々
と渡り合っています。
「ボニー&クライド」か「クライド&ボ
ニー」かで、クライドと言い争った時、
「ボニー&クライド」の方が語呂がいい
じゃない?と軽くいなしてしまいます。


クライドとの出会いは、偶然の産物です
が、そこから、次第に、クライドへの愛
が深まっていき、葛藤しつつも、最後に
は、クライドへの愛が「二人で死ねるの
ならば、死ぬのも悪くない」と思うまで
に至るまでの演技が素晴らしいです。
新生雪組のこれからが楽しみです。


クライドの兄のバック・バロウ役の和希
そらさん。

クラウドと一緒に脱獄しますが、妻のブ
ランチから自首するように説得されて、
自首し、再び刑務所へ。しかし、模範囚
とされて釈放されます。平穏な生活に戻
るはずのバロウですが、再び、脱獄し、
強盗を続ける弟のクラウドとの関係を断
ち切れず、再び、クラウドの仲間になっ
てしまいます。
一直線に進むクラウドと異なり、妻も大
事だけど弟も放っておけない。その間で
悩むバロウ。
結局は、アジトを警官に囲まれて、銃撃
戦の末、バロウの方がブランチの腕の中
で先に死んでしまいます。
ラストがボニーとクライドが死ぬ場面で
ないだけ、ここで泣く人多いんじゃない
でしょうか。
そして何よりも和希そらさんの歌。やは
り上手いですよね。抜群です。


そして、その妻ブランチ役の野々花ひま
りさん。

別格娘役になってしまいましたね。演技
も歌も上手いので、今の雪組になくては
ならない存在です。
夫を真人間に戻そうと懸命の努力をする
のですが、結局、自分も強盗一味に加わ
って、夫のバックは警官に撃たれて死ぬ
し、自分も強盗の罪で逮捕されてしまう
という、なんだか気の毒を絵に描いたよ
うな人物。と書くとなんだか影の薄い人
物のようですが、そこは、別格娘役。
存在感があります。歌の場面も多く、や
はり、上手いです。


さて、続きは次回で。となるのか?