壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

「ハラスメント」と「いじめ」は違う、のか?ー宝塚宙組問題

今日は、壽々(じゅじゅ)です。


ある方のブログの記事にこんなことが書
いてありました。
==================
「一昨日に週刊誌ウェブサイトで退団者
が複数いると報じられましたが、本公演
で退団者がいるのはごく普通のことです。
宙組関連のニュースは需要があると見ら
れているのでしょう。


その記事の中で「いじめやパワハラを・
・・」とありましたが、”いじめ”は劇団
は認めていなかったはずです。後から盛
るような表現はどうかと思いました。」
==================
その週刊誌の記事というのは、これだと
思います。
==================
「「'23年9月30日に宙組団員のAさんが
転落死。寝る間もないほどの過重労働や、
いじめやパワハラを苦にして自宅マンシ
ョンから飛び降りたと言われています
この翌日の10月1日から、宙組は公演を
行っていませんでした」
(スポーツ紙記者、以下同)
==================
どうも、ブログを書いた方の思い違いが
あるようです。


ブログの方は、歌劇団と貴族側との間の
合意書で「”いじめ”は劇団は認めていな
かった」と言っているのに対して、週刊
誌の記事は、「言われています」と書い
てあるように合意書の内容に基づいて書
いている訳ではなく、他の週刊誌情報な
どから、スポーツ紙記者がそう言ってい
るに過ぎません。


で、私がこの方の記事を取り上げた目的
は別にあります。


そもそも、「ハラスメント」と「いじめ」
とは、違うのか、ということです。


どうも「ハラスメント」とは何かという
理解が人によって違うように思われるか
らです。


まず、インターネットで「ハラスメント」
について検索すると、「嫌がらせ」とい
うのが一番多く、次に「嫌がらせやいじ
め」と出てきます。


そうすると、「いじめ」も「ハラスメン
ト」の中に入りそうです。


もう少し、調べてみます。


今度は、英語ではそもそもどういう意味
だったかを調べてみます。Weblio和英辞
典を使います。


「いじめ」を英訳すると、"bullying"と
"harassment"の二つが出てきます。


ただ、ニュアンスが少し違うようです。
==================
"bullying"は、特に学校や職場など特定の
環境内で、繰り返し行われる威圧的な行
動や虐待を指す。この言葉は、力の不均
衡を利用して他者を意図的に傷つける行
為を含意し、しばしば子どもや青少年の
間で見られる問題として認識される。
==================
これに対して、
==================
"harassment"は、性的、人種的、または
その他の形態の不快で攻撃的な行為を指
すことが多い。この言葉は、職場や公共
の場での不適切な行動や言動を示し、法
的な文脈で使用されることもある。

==================
と、ある程度、使われる場面や行為の形
態など使い方を「いじめ」とは分けてい
るように思われます。


ここで、我が「ウィキペディア」にご登
場いただきます。


「ウィキペディア」では、「ハラスメン
ト」は、こう説明されています。
==================
「嫌がらせとは、相手を不快にさせたり
不利益を与えたりするなど、肉体的・精
神的な苦痛を与え、人間としての尊厳を
侵害する行為の総称である。ハラスメン
ト(英: Harassment)とも呼ばれる。


類似の概念にいたずら、いじめ等がある
が、多くの場合、それらは加害者側に悪
意があることを想定して使われる言葉
ある。それに対して、嫌がらせやハラス
メントは、他者からの何らかの行為によ
って被害者が心の傷や精神的ショックを
受けたという結果に注目しており(参考
:結果犯)、故意・過失など加害者の意
図や主観は必ずしも重要ではないまた
加害者は「嫌がらせをしている」という
自覚を持たず、無知・無自覚または当人
なりの善意に基づいて行為に及んでいる
場合もある。

==================
まるで、歌劇団側の「パワハラ」は認め
るが「悪意」はなかったを正当化するか
のような書き方ですね。


ただ、同じ「ウィキペディア」で「いじ
め」の方を検索すると、
==================
「いじめ(イジメ、虐め、苛め、英: Bull
ying)は、相手に何らかの精神的・身体
的な苦痛やストレス、心身疲労を与える
ラスメント行為あるいは犯罪行為であ
る。
==================
と書いてあって、「ハラスメント」と同
じとなっています。


書いた人が違うのでしょう。


特に、「パワハラ」は、和製英語の「パ
ワーハラスメント」を略した言葉で、ど
うも日本社会において、その概念が、ま
だ、しっかり定着していないような気が
します。


ただ、世の中「コンプライアンス時代」
です。


少なくとも、社会人であれば、何が、コ
ンプライアンス(「法令遵守」「社会倫
理遵守」)に反する行為であるのかは、
きちんと理解しておく必要があるでしょ
う。