どうして、セクハラ演出家は追放で、パワハラ上級生はお咎めなしなのか?
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
宝塚歌劇団を退団になった原田諒氏。
その後、どうなったんでしょうね?
確か、裁判を起こすはずだったと思うの
ですが……。
まず、演出助手にセクハラ行為を行って
退団処分になった原田諒氏の方からです。
週刊文春にその記事が載ったのは、昨年
の1月5・12日新年特大号です。
つまり、一昨年末発売の週刊文春にその
記事が載ったことになります。
その記事では、原田諒氏からセクハラ被
害を受けた演出助手は「二十代のAさん」
と書かれていました。
多分、読者は、演出助手の「Aさん」を
女性だと思ったでしょう。
また、文春の方もわざと、「Aさん」を
女性だと思わせるような書き方をしてい
ます。
そして、原田諒氏は、12月26日付で宝塚
歌劇団を退団になっています。
2023年6月号の「文藝春秋」には、その
原田諒氏の手記が掲載されました。
そこには、Aを「リクルートスーツを着
たAは、小柄な二十三歳の青年だった」
と書かれていて、明らかにAは男性です。
もちろん、男性に対してであってもセク
ハラは成立しますが、読んだ読者の印象
は、被害者が男性と女性とでは大分違っ
たのではないかと思います。
結局、宝塚歌劇団は、A氏の母親の「週
刊文春」の記者に連絡するという言葉に
屈して、原田諒氏を退団処分にしてしま
いますが、週刊文春には、上記の通り、
記事になって出てしまいました。
これで、週刊文春は、宝塚歌劇団を与し
易いと思ったのでしょう。
昨年の1月19日号では、真風涼帆による
星風まどかに対するイジメ問題を、そし
て、2月9日号では、天彩峰里によるAさ
んに対するヘアアイロン事件を、と次々
に宝塚歌劇団のイジメ問題を取り上げて
いきます。
そして、ヘアアイロン事件においては、
宝塚歌劇団は、週刊文春の記事に対して
「事実無根」と切り捨ててしまいました。
ここからは、3月28日の合意書を引用しま
す。
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3.(1) 阪急・劇団は、被災者に対し、長時
間の活動を余儀なくさせ過重な負担を生
じさせたこと、及び、劇団内において、
4に要旨記載のとおり厚生労働省指針
(令和2年厚労省告示第5号)が示す
「職場におけるパワーハラスメント」に
該当する様々な行為を行ったことによっ
て、被災者に多大な心理的負荷を与えた
ことを認め、劇団が経営陣の怠慢(現場
における活動への無理解や無配慮等)に
よって長年にわたり劇団員に様々な負担
を強いるような運営を続けてきたことが
かかる事態を引き起こしたものであって
全ての責任が劇団にあることを認め、か
つ被災者に対する安全配慮義務違反があ
ったことを認め、謝罪する。
4.(1) 2021年8月14日、宙組上級生が、被
災者が自分でやることを望んでいたにも
かかわらずヘアアイロンで被災者の髪を
巻こうとして、被災者の額に1か月を超
えて痕が残るほどの火傷を負わせたこと、
及び、それにもかかわらず、当該宙組上
級生は、真に被災者の気持ちを汲んだ気
遣い・謝罪を行わなかったこと。
(6) 2023年2月1日、劇団が、上記
(1)の事件につき、「全く事実無根」との
見解をホームページ上で発表したこと。
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この宝塚歌劇団と亡くなった劇団生の遺
族との間の合意書でも、双方が行った記
者会見でも、亡くなった劇団生に対して、
パワハラを行ったとされる宙組上級生ら
の個人名は明らかにされていません。
ただ、上記の「ヘアアイロン事件」に関
してだけは、加害者は天彩峰里だと特定
出来ます。
しかも、記者会見で遺族側代理人弁護士
は、この「ヘアアイロン事件」を「未必
の故意」と言っています。
そうであれば、「悪意はなかった」は通
用しません。
セクハラ演出家が劇団追放で、「傷害」
に相当するパワハラを行った上級生がお
咎めなしは、余りにもバランスを失して
いると思います。
しかも、セクハラ被害者の演出助手は、
自殺した訳ではありません。
パワハラよりもセクハラの方が被害者の
心をより傷つけると思うのであれば、そ
れは、パワハラを受けた事がないからで
す。