壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

SNSが炎上したのならば、着火した人がいるはずでは?ーMrs. GREEN APPLEのMV炎上問題⑧

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


「コロンブス」のMVが炎上したのは、恐
らくX(旧ツイッター)でしょう。


そうであるならば、あのMVを見て、最初
に「植民地主義と奴隷制の肯定」などと
Xに投稿した人がいるはずです。


東洋経済オンラインの記事の最後には、
こう書かれています。
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(略)
そして最後に。一見すると、誰も得をし
なかったようなこの「コロンブス」騒動。
だが、もしこの騒動で何らかの利を得た
存在があるとすれば、それは誰だろうか
と考えてみよう。今回の騒動を喜んだ人
がいるとすれば、「コロンブスは新大陸
を発見した偉人」ではなく、「コロンブ
スは虐殺者である」という認識を固めた
いと願っていた人々であろう。
先住民族
の名誉のためか、歴史学的な見地からの
正義感からか、はたまた自らの利益のた
めか。


 かつてはマイノリティの側にあり、コ
ロンブスの歴史認識をめぐるゲームチェ
ンジを虎視眈々と狙っていた人は、この
騒動に満足げに頷いていたに違いない。
近代というゲームの勝者は、常に、その
構造を打破するゲームチェンジャーなの
である。
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コロンブスが一体何をしでかしたのかは、
前の記事↓に書きました。


そして、この記事には、「長年、コロン
ブスは「ほんの十数年も遡れば、コロン
ブスが猿に教えを施すという構図に騒ぐ
のは、マイノリティ勢力に過ぎなかった。
たいていの人は、そこに何の問題も見出
さなかったはずである。長年、コロンブ
スは「新大陸を発見した偉人」とする評
価が一般的だった。
また、猿というモテ
ィーフが有色人種の差別表現であるとし
て多くの状況でNGになったのも、ここ
最近のことに過ぎない。」と書かれてい
ます。
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それでは、コロンブスに対する評価が変
わったのはいつなのか?


実は、2020年6月に書かれた記事にこん
な話が載っています。
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先月25日に米国ミネソタ州ミネアポリ
スで黒人男性(46)が白人警官に膝で
首を押さえつけられて死亡した事件を機
に、米国各地で人種差別と警察の暴行に
抗議するデモが巻き起こり、いまなお収
まる気配はない。


 こうしたなかで、米国の人種差別の淵
源(えんげん)はコロンブスの原住民へ
の残虐行為にあると考える一部のデモ参
加者が、コロンブス像の破壊を始めた。

最初はバージニア州リッチモンド。像は
倒されて近くの池に投げ込まれた。お次
はミネソタ州セントポール。像はワイヤ
をかけられて台座から引きずり下ろされ
た。さらにマサチューセッツ州ボストン
では、何者かによって像の頭が破壊され
た。


 この動きはベルギーにも飛び火し、ア
ントワープ市は19世紀後半から20世
紀初頭にかけて、コンゴなどの植民地化
を進め、現地人を酷使する政策を実行し
た元国王レオポルド2世の像を撤去した。
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つまり、僅か4年前ということになります。


それまでは、アメリカ合衆国でも、コロ
ンブスの像が立っていた訳です。


この記事は続けて、
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「正義」に取り憑かれたコロンブス像の
破壊者たちは、自分たちの父祖がどうい
う思いをこめて像を建立したのか、想像
することができない。確かにコロンブス
は「新大陸」でろくでもないことをやっ
た。それは事実だ。だが命がけで大西洋
を超え、インドを目指した勇気はたたえ
るべきだ。人間と人間の織り成す歴史は、
清濁併せて受け止め評価すべきものだ。
濁の部分のみをあげつらってこれを抹殺
することはけっして許されることではな
い。
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と書いています。


この記事の妥当性はともかく、コロンブ
スに対する批判が強まったのは、まさし
く「ここ最近」の話なのです。


着火した人物は、そのことを知っていて、
故意に(炎上させるために)SNSに投稿
したものとしか思わざるを得ません。


前回の記事です↓