自らのコンサートのライブ動画まで叩く必要はあるのか?ーMrs. GREEN APPLEのMV炎上問題⑨
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
女子SPA!(余り聞いたことのない雑誌
で、アラサー、アラフォー以上のちゃっ
かり生きる女性の本音に迫るWebマガジ
ンだそうです)が、Mrs. GREEN APPLE
のコンサートのライブ動画を批判した記
事を載せています。
私もその動画を見ましたが、熱狂するフ
ァンを前にMrs. GREEN APPLEが「コロ
ンブス」の曲を披露する様子が映し出さ
れていました。
恐らく、ライブ会場に来れなかったファ
ンのために、ライブ動画を公開したのだ
と思います。
ところが、女子SPA!の記事では、このラ
イブ動画について、
==================
「そもそも「コロンブス」というタイト
ルをつけて、ポジティブなメッセージを
発したり、明るいポップなサウンドを展
開する行為自体、今の時代においては相
当に無知であるか、そうでなければ挑発
的になってしまうと理解していなければ
ならないのです。」
==================
として、批判しています。
確かに、MVの方は、出演者に猿の着ぐる
みを着せて「類人猿」(先住民を想起さ
せる)として、その「類人猿」に人力車
を引かせたり、ピアノを教えたり、乗馬
を教えたりする様子描かれていて、それ
が、「奴隷制を想起させる」「人種差別
的表現で植民地支配を容認している」な
どとSNSで批判されて、炎上しました。
これに対して、ジャーナリストや専門家
と称する人達から多くの批判が寄せられ
ました。
ただ、曲の方に対する批判の記事は、見
かけなかったように思います。
それを、この女子SPA!の記事は、曲自体
が問題だとしているのです。
「コロンブス」という人物は、二つの顔
を持っていると思います。
一つは、今回、批判されているような先
住民に対する虐待、虐殺行為(詳しくは、
↓の記事をご参照下さい)を行ったという
人物としての顔。
もう一つは、誰もやらなかった大西洋を
西へ航海して、「新大陸を発見」したと
いう冒険家という顔です。
ごく最近までは、この二つ目の顔の方だ
けが一般的に知られていたため、アメリ
カ合衆国でも、各地にコロンブスの像が
建てられていたのではないでしょうか?
その評価が変化し、コロンブスが批判さ
れるようになったのは、女子SPA!の記事
にも「2020年、黒人男性のジョージ・フ
ロイド氏の死をきっかけに、全米でコロ
ンブス像の破壊が相次ぎました。先住民
に対する非道な扱いや、植民地化の過程
で起きた残虐な悲劇が改めて白日のもと
にさらされたのです。」と書かれている
ように、僅か、4年前の話です。
それも、アメリカ合衆国の国民が全員が
そうかと言われれば、コロンブスの像を
破壊し、それに賛同しているのは、急進
的なごく一部の人間だけのように思われ
ます。
「人種差別」を批判することは、正しい
ことだと思います。
ただ、「コロンブス」というタイトルの
曲自体を批判するのは、「コロンブス」
のもう一つの顔を忘れているような気が
します。
そもそも、コロンブスだけが先住民を虐
待、虐殺した訳ではありません。
コルテスやピサロをはじめとしたスペイ
ン人たちも同様の行為を行っていますし、
スペイン人だけでなく、当時の西欧列強
の各国も世界各地で植民地政策を行って
います。
コロンブスが、先住民を虐待、虐殺して
も、そのことについては、裁判に掛けら
れ、死刑になったという訳でもありませ
ん。
もちろん、コロンブスのやったことは、
現代の我々の目から見れば、許すことの
できないことでしょうが、それが、当時
の西欧諸国においては、ごく、普通のこ
とだったのだと思います。
「Mrs. GREEN APPLE「炎上曲」のライ
ブ動画公開に違和感」とされていますが、
むしろ、この記事の方に違和感を覚えま
す。
この記事に付けられたコメントが、結構、
この記事を批判しています。
「誰も罪を犯したわけじゃあるまいし何
故未だにこんな騒動になっているのか疑
問です。
ご指摘のライブ動画、拝見させていただ
きました。アーティストと観客が笑顔で
楽しそうにしている…という動画のどこ
が問題なのでしょうか?」
このコメントが正しいと思います。
最新の記事も載せておきます↓