戦争の加害者としての体験を語った旧日本陸軍の元少年隊員。731部隊とは?(シニア雑記)
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
「終戦の日」の頃の新聞などの報道に、
広島、長崎原爆投下の被災や空襲などの
被害者としての記事ばかりが載るのは、
加害者としての体験を語る人が少ないと
いうのも原因の一つでしょう。
そんな中で、何も知らされていなかった
とは言え、旧日本陸軍「731部隊」の少
年隊員だった清水英雄氏の証言は勇気あ
る行動だと思います。
私が731部隊の存在を初めて知ったのは、
20代の後半、会社の川崎市にあった工場
の総務課に勤務していた時です。
その職場では、週に1回、「読書会」と
いうものが開かれていて、自分が読んだ
本の内容や感想を互いに話し合うという
ものですが、その時に、私が選んだ本の
1冊が「731部隊」について書かれた本で
した。
その本を読んだ時の衝撃は、今でも鮮明
に覚えています。
そして、8月14日付の中日新聞の1面と
25面に、その清水氏の「731部隊」に関
する証言が載っていました。
「731部隊」とは、旧日本陸軍が戦前、
旧満州のハルピン市郊外に置いた部隊で、
細菌兵器の研究、実験を実施し、中国人
捕虜らを人体実験の被験者として殺害し
たとされる部隊です。
実験の犠牲者として殺害された中国人捕
虜らは三千人とも言われています。
ナチス・ドイツがユダヤ人に対して行っ
たのと同じような行為を日本も中国人に
対して行っていたのです。
清水氏の証言には、部隊の標本室に並ぶ
瓶の中に「割られた頭、切り取られた腕
や臓器、腹を割かれ、中の胎児が見える
女性の全身など、人間のあらゆる部位が
ホルマリンに漬けられていた」とありま
す。
戦争というものは、平和な世の中では、
考えられないような狂気とも言える行為
を人間にさせてしまうものです。
だからこそ、戦争を起こすようなことは、
二度と繰り返してはならないのだと思い
ます。
なお、8月16日付の中日新聞の4面には、
扱いが小さいですが、フィリピンでの
戦没者慰霊祭の記事が載っています。
フィリピンでの戦争の犠牲者の数は、日
本人50万人、フィリピン人100万人を超
えると書かれています。
太平洋戦争の海外戦地で犠牲者として亡
くなったのは、日本人だけではないので
す。
戦地となったフィリピンの人達も大勢が
戦闘の巻き添えになって亡くなっている
のです。
そのことを忘れてはならないと思います。