「負の歴史」こそ伝えなければならないと思うのだが……。(シニア雑記)
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
今回は、太平洋戦争の話ではなく、もっ
と前、1923年に起きた関東大震災の話で
す。
今回は、9月5付中日新聞の5面の社説を
主に参照しています。
関東大震災では、多くの人が亡くなりま
したが、その時に、朝鮮の人々が「朝鮮
人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人や社会
主義者が暴動を起こした。放火した」な
どのデマを妄信した官憲や自警団などが、
関東各地で多数の朝鮮人を殺傷したとい
う話は、余り、知られていません。
政府や東京都などの自治体が、積極的に
調査しようとしないからです。
したがって、正確な人数は不明ですが、
内閣府の中央防災会議が2009年にまとめ
た報告書によると犠牲者数は震災死者の
「1~数%」つまり「千~数千人」にな
るとのことです。
ところが、東京都の小池都知事は、毎年
1日の都内で開かれている朝鮮人犠牲者
の慰霊式に、歴代都知事が1974年から続
けていた追悼文の送付を、2017年から取
り止めているとのことです。
つまり、東京都知事に就任した2016年の
翌年から追悼文の送付をしていないこと
になります。
理由は、「別の法要で全ての震災犠牲者
を慰霊している」からだとしていますが、
虐殺された朝鮮の人たちは、震災が直接
の原因で死んだ訳ではありません。
中日新聞の社説では、「虐殺は家屋倒壊
や火災による死と意味合いが違う。追悼
文の送付中止は不適切だ」と述べていま
す。
ちょっと、小池都知事の思想・信条が、
どのあたりにあるのか、良く知りません
が、東京都知事としては、確かに不適切
な行為でしょう。
一方で、千葉県の熊谷知事は、1日に船
橋市で開かれた民間式典に追悼文を、埼
玉県の大野知事も4日にさいたま市で行
われた民間式典に追悼文を、いずれも今
回初めて送ったとのことです。
2000年代以降、官憲によるテロリストへ
の対処や「不逞朝鮮人」等に対する自警
団等の正当防衛による殺害が主であるた
めに「虐殺」ではないと主張する書籍が
出版され、インターネット上においても
虐殺に相当する行為ではなかったとする
主張があるとのことです(ウィキペディ
アより)。
おそらく、自民党保守層は「虐殺はなか
った」という主張でしょうか?
岸田内閣の内閣官房長官・松野氏(当時)
は、震災発生100年を2日後に控えた2023
年8月30日、首相官邸での記者会見にお
いて、共同通信の記者から、関東大震災
の記録について「当時、被災地ではデマ
が広がり、多くの朝鮮人が、軍、警察、
自警団によって虐殺されたと伝えられて
います。政府として朝鮮人虐殺をどう受
け止め、何を反省点としているのか」な
どの質問を受けた。これに対して、松野
氏は「政府として調査した限り、政府内
において事実関係を把握することのでき
る記録が見当たらないところであります」
と述べたとのことです。(ウィキペディ
アより)
つい先日も、高校野球の全国大会で優勝
した高校の校歌が韓国語であったために、
誹謗中傷が起きたばかりです。
北朝鮮はともかく、韓国は、日本の最も
近い隣国です。
その朝鮮の人たちに、日本と日本人とが
過去に加えた危害に、なんで、もっと正
面から向かい合うことが出来ないのでし
ょうか?
「「負の歴史」でも、事実を把握し、後
世に正しく伝えていくことが、過ちを再
起こさないためには欠かせない」
中日新聞の社説は、こう述べていますが、
まさしく、そのとおりだと思います。