不運の雪組トップスター彩風咲奈さん。
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
ご本人がどう思っているかは分かりませ
んが、傍から見ると、彩風咲奈さんは、
不運のトップスターに見えます。
まず、退団公演が再演物中の再演物であ
る『ベルサイユのばら』であるというこ
とです。
よく言われるのは、トップスターは「再
演物では退団しない」ということです。
元宙組トップスターの真風涼帆さんが、
『NEVER SAY GOODBYE』を上演する
時に、これで退団かと言われましたが、
その時の反論として使われたのが、この
「トップの退団作は、新作で、再演物で
退団することはない」というものでした。
そして、真風涼帆さんは、『NEVER SA
Y GOODBYE』で退団することなく、新
作の『カジノ・ロワイヤル』で退団し、
この説の正しさを裏付けたかのように見
えました。
しかし、彩風咲奈さんの退団作『ベルサ
イユのばら』は、50年の歴史を持つ再演
物中の再演物です。
「退団作は新作」説を一挙に覆すものに
なりました。
ただ、『ベルサイユのばら』は、多くの
タカラジェンヌがその作品に憧れて、入
団を希望する作品です。
その作品に出演できるということは、む
しろ、タカラジェンヌとしての喜びでも
あるだろうと思われます。
ただ、退団作ではなく、その前の『ボイ
ルド・ドイル……』と順番をひっくり返
しても良かったのでは、とは思います。
まあ、駄作で退団するよりはましか、と
は思いますが……。
ただ、残念なのは、『ベルサイユのばら』
は、1本物でショーがないということです。
元花組トップの柚香光さんと同じく、彩
風咲奈さんもどちらかというと、ダンサ
ーであるにも関わらず、ショーなしの1
本物で退団することになりました。
ただ、これだけで、彩風咲奈さんを不運
のトップスターと言っている訳ではあり
ません。
まず、彩風咲奈さんの経歴を振り返って
みます。(ウィキペディア参照)
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2007年、音楽学校卒業後、宝塚歌劇団に
93期生として首席入団。
2010年、『ソルフェリーノの夜明け』で
新人公演初主演。その後も、劇団最多タ
イとなる5度に渡って新人公演主演を務め
る。
2011年、バウ・ワークショップ『灼熱の
彼方』で、彩凪翔とバウホール公演初主
演。
2014年、『パルムの僧院』でバウホール
公演単独初主演。
2017年、『CAPTAIN NEMO』で、雪組
2番手として東上公演初主演。
2019年、『ハリウッド・ゴシップ』で、
2度目の東上公演主演。
2020年、『炎のボレロ』『Music Revolu
tion!』で全国ツアー公演初主演。
の予定でしたが、新型コロナウイルス感
染拡大により、梅田芸術劇場のみでの振
替公演になった。
2021年4月12日付で雪組トップスターに
就任。
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この経歴を見ると、まさしく、彩風咲奈
さんは、雪組の御曹司です。
そして、あまり話題になることがないで
すが、93期の首席入団者です。
93期には、彩風咲奈さんのほかに、元雪
組トップ娘役の舞羽美海さん、元星組2
番手の愛月ひかるさん、そして、現宙組
トップの芹香斗亜さんがいます。
ところが、経歴に太字で書いた2014年に
あることが起きます。
それは、2014年11月17日付で、望海風斗
さんが花組から雪組へと組替えになり、
2017年7月24日付で雪組トップスターに
就任したことです。
望海風斗さんの前のトップスターの早霧
せいなさんは、87期ですから、93期の彩
風咲奈さんとの間に1人入るということは、
むしろ自然でしょう。
ただ、問題は、それが望海風斗さんであ
ったということです。
なお、望海風斗さんも好きで花組から雪
組に組替えした訳ではありません。
望海風斗さんと同期(89期)の明日海り
おさんが、2013年3月25日付で月組から
花組へと組替えになり、2014年5月12日
付で花組トップスターに就任して、望海
風斗さんに蓋をしてしまったからです。
タカラジェンヌとしての技術面の要素を
単純に3つ挙げるとしたら、歌、芝居、ダ
ンスでしょう。
中でも、歌は、その上手い下手が分かり
易いです。
望海風斗さんとその相手役の真彩希帆さ
んのトップコンビは、歌うまコンビとし
て絶大な人気を誇りました。
その後を引き継いだのが、彩風咲奈さん
と朝月希和さんです。
彩風咲奈さんも朝月希和さんも、決して
歌が下手という訳ではないと思いますが、
前トップコンビとの落差が大きすぎたと
思います。
望海風斗さんと真彩希帆さんの退団で、
雪組の人気が一気に下がったのは、間違
いないでしょう。
これが、彩風咲奈さんが不運だったという
最大の理由です。
和希そらさんの宙組から雪組への組替え
は、その雪組の歌唱面での下支えだった
と思われますが、3番手では、その効果も
限定的だったと思われます。
トップ就任後も不運は続きます。
大劇場トップお披露目公演の『CITY HU
NTER』。
「もっ〇り」を「ハッスル」に変えたも
のの、彩風咲奈さんが娘役のお尻を触り
まくり、ファンからは批判が出ました。
また、これで人気が出るかと思われた別
箱公演の『ODYSSEY』も、新型コロナ
の影響を受けて、東京公演が全公演中止
になってしまいました。
そして、何と言っても、最後の止めは
『夢介千両みやげ』。
なんで、こんな作品を持ってきたのかと
いうような作品で、これで、雪組の人気
がさらに下がったように思われます。
その次の作品が『蒼穹の昴』。
ようやく、まともな作品に巡り合えたか
と思っていたら、何と、演出家が「パワ
ハラ」疑惑で、公演中に退団してしまい
ます。
そして、朝月希和さんの退団に伴い、新
トップ娘役に満を持して登場したのが、
夢白あやさんです。
夢白あやさんのトップ娘役就任によって、
低迷を続けていた雪組の人気が、ちょっ
と、風向きが変わったように思われます。
ただ、その後も『Lilacの夢路』は鉄道建
設の話で、これも不人気。
彩風咲奈さんのもう一つの不運は、作品
に恵まれなかったという事だと思います。
せっかくの雪組御曹司の彩風咲奈さんを
不人気トップにしてしまった責任は、一
体、誰にあるのでしょうか?
次の雪組の御曹司は、縣千さんになりそ
うですが、果たしてどうなるのでしょう
ね。