圧巻のウィーン・ミュージカル!!『モーツァルト!』大阪公演に行ってきました。
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
昨日は、ウィーン・ミュージカル『モー
ツァルト!』を観に、梅田芸術劇場メイ
ンホールに行ってきました。。
今回の席は、何と、後ろから2列目。
これでもS席(17,500円)で、オーケス
トラピットもあって、舞台が遥か彼方で
した。
今回、私が観た回のメインのキャストは、
次のとおりです。
ヴォルフガング・モーツァルト
:古川雄大
コンスタンツェ
:真彩希帆
ナンネール
:大塚千弘
ヴァルトシュテッテン男爵夫人
:涼風真世
セシリア・ウェーバー
:未来優希
エマヌエル・シカネーダー
:遠山裕介
コロレド大司教
:山口祐一郎
レオポルト
:市村正親
アマデ
:白石ひまり
ストーリーは、以下のとおりです。
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1768年、ウィーン。ザルツブルクの宮
廷楽士であるレオポルト・モーツァルト
(市村正親)は、錚々たる名士が集まる
貴族の館で、今、幼い息子(白石ひまり)
がピアノを弾くのを目の当たりにしてい
る。5歳にして作曲の才が花開いたその
子は、"奇跡の子"と呼ばれていた。
歳月は流れて、息子ヴォルフガング
(古川雄大)は、ザルツブルクで音楽活
動を続けている。傍にはいつも、奇跡の
子と呼ばれたころのままの分身、アマデ
(白石ひまり)が寄り添い、作曲にいそ
しんでいた。しかし、青年ヴォルフガン
グは、領主であるコロレド大司教(山口
祐一郎)の支配下で作曲せねばならない
ことに嫌気がさしていた。自由と輝きを
求める彼は、「大司教に逆らうな」とい
う父と意見が衝突。とうとう、傍若無人
な態度の大司教に、直接、怒りを爆発さ
せてしまった。
1777年、ヴォルフガングは、故郷ザル
ツブルクを後に、母親と旅に出る。マン
ハイムで彼はウェーバー一家と出会う。
貧しい下層階級のウェーバー夫妻は、こ
の若い作曲家から金を巻き上げようと画
策、寄生虫のようにつきまとうのだった。
しかし、パリに移ったヴォルフガングは
芽が出ることなく、金を使い果した上に、
母を病気で亡くしてしまう。
失意のヴォルフガングは、劇作家であ
りプロデューサーのシカネーダー(遠山
裕介)と知り合い、意気投合する。ふた
りは、「いつか大衆が喜ぶオペラを作ろ
う」と約束する。コロレド大司教に反抗
したままの彼に、まともな仕事があるは
ずもなく、父と姉ナンネール(大塚千弘)
の心配はつのるばかり。そこに、ヴォル
フガングの良き理解者、ヴァルトシュテ
ッテン男爵夫人(涼風真世)が現れ、ウ
ィーンで音楽活動をするよう勧めるので
あった。
父と姉の元を離れ、ヴォルフガングは
ウィーンに移り住む。そこでウェーバー
一家と再会した彼は、コンスタンツェ
(真彩希帆)との愛情を深めていく。し
かし、コロレド大司教の謀略に遭う彼は、
演奏の機会をことごとく絶たれてしまう
のだった。ヴォルフガングは、再び大司
教と対決。彼らの間は決定的に分裂する
のだった。
1781年、ヴォルフガングの音楽は、ウ
ィーンの社交界で話題を呼んでいた。コ
ンスタンツェとも結婚、仕事も精力的に
こなし、遊び仲間も増えた。ヴォルフガ
ングには故郷に残してきた父と姉の存在
がどんどん薄くなるのだった。そして妻
は、夜になるとひとりダンス・パーティ
ーに出かけるようになり、夫婦の間に陰
りが見え始める。
一方で、ヴォルフガングの名声は増す
ばかりで、皇帝の御前演奏会、そしてオ
ペラ『フィガロの結婚』も大成功。だが、
わざわざウィーンにまでやってきたレオ
ポルトは、息子の中におごりと高ぶりを
感じ取る。心痛のあまり苦言を吐くが、
聞き入れようともしない。お互いに心を
通い合わせることなく、レオポルトはウ
ィーンを後にするのだった。そして、コ
ンスタンツェも、 ヴォルフガングと心の
距離を感じていた。
そんな時、シカネーダーとのオペラ
『魔笛』が成功。ヴォルフガングの前に、
謎の人物が現れ、『レクイエム』の作曲
を依頼する…。
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ウィーンミュージカルの金字塔とも言う
べき『エリザベート』のミヒャエル・ク
ンツェとシルヴェスター・リーヴァイの
コンビによるミュージカルの傑作です。
もう、何とも文句の付けようがないです。
そして、実力派豪華キャストによる上演
となっています。
本当は、今回、初めてとなる京本大我さ
んのモーツァルトで観たかったのですが、
涼風真世さんの男爵夫人は、外せなかっ
たので、日程が合わず、止むを得ず、再
び、古川雄大さんのモーツァルトにしま
した。
やはり、涼風真世さんの歌う「星から降
る金」が最高だと思うので……。
これだけは、外せない。
そして、大司教役の山口祐一郎さんの歌
が、今回も圧巻です。
今回は、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の
真彩希帆さんがコンスタンツェ役を演じ
ました。
もう、ミュージカル界になくてはならな
い存在になりましたね。
演出は、何と、小池修一郎氏です。
小池氏も宝塚で一本ものの新作なんか作
ってないで、こちらの方に注力した方が
良さそうに思うんですが……。
ところで、宝塚でも東宝でもいいですが、
『エリザベート』は、一体、いつ再演す
るんでしょうか?
今回は、配信もされるようですので、観
劇出来なかった方は、是非、配信で。
私のお勧めのミュージカル作品です。
で、話は変わるんですが、モーツァルト
の音楽史上の立ち位置を考えると、この
作品がもっと、理解できます。
モーツァルト以前は、音楽家は教会や貴
族のために作曲し、演奏するものでした。
ですから、モーツァルトの父親のレオポ
ルトも宮廷音楽家で、コロレド大司教に
仕えていました。
それに反発したのがモーツァルトで、シ
カネーダーと組んで、大衆のためのオペ
ラを上演し、成功します。
その流れの先にいたのがベートーヴェン
で、貴族のために作曲・演奏するのでは
なく、大衆のために作曲・演奏するよう
になったのです。
「モーツァルト!」の中にも出てきます
が、この二人の天才作曲家の生きた時代
は、フランス革命の起きた時代に重なり
ます。
国家の支配者だった国王・貴族から市民
が主権者となったように、音楽も貴族の
ものから大衆のものへと変わっていくの
が、このモーツァルトとベートーヴェン
の二人の天才の出現によるものであった
というのは、実に興味深いです。