壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

そろそろ止めませんか?「2番手切り」という言葉。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


最近、久し振りに目にしましたね。「2
番手切り」という言葉。


恐らく、月組2番手で退団した美弥るりか
さんを指して、言っているのだと思いま
す。


それなら、同様に星組2番手で退団した
愛月ひかるさんも「2番手切り」と言わ
れたかというと、一部には、そういう声
もあったようですが、余り、浸透しなか
ったのではなかったように思います。


それでは、美弥るりかさんは「2番手切り」
であったのか、時系列に見ていきたいと
思います。


まず、元月組トップの龍真咲さんから見
ていきます。


龍真咲さんが前任者の霧矢大夢さんから
バトンを渡され、トップになったのは、
2012年4月23日です。


ところが、その霧矢大夢さんがトップに
就任した時に、龍真咲さんは、2期下の
明日海りおさんと共に2番手に昇格しま
した。


この辺から月組人事がおかしくなり始め
ます。


その後、明日海りおさんは、2012年、劇
団史上初となる月組準トップスターに就
任。龍真咲・愛希れいかトップコンビ大
劇場お披露目となる『ロミオとジュリエ
ット』、翌年の『ベルサイユのばら』で、
トップスター龍真咲と役替わりで主演を
務めます。


そこへ、星組から2012年4月1日付で美
弥るりかさんが組替えしてきます。


その後、明日海りおさんは、2013年3月
25日付で花組へと組替えし、2014年5月
12日付で花組トップスターに就任しまし
た。


美弥るりかさんが月組2番手になるのだと
したら、このタイミングだったのだと思
います。


ところが、そうはならず、何と、宙組か
ら美弥るりかさんと同期の凪七瑠海さん
が2013年1月29日付で組替えしてきます。


美弥るりかさんが、月組でトップになれ
なかった原因は、2つあると思います。
(そもそも、トップになる資質があった
のかについては、外部の人間では分かり
ませんので、この際、除外します。)


1つは、明日海りおさんが月組でトップ
にならず、花組に組替えして花組でトッ
プになったこと。(この場合は、明日海
さんの次のポジションに美弥るりかさん
がなります。)


もう1つは、同期の凪七瑠海さんが宙組
から組替えしてきて、W2番手格みたい
な形にしてしまった事だと思います。


それは、2014年の『THE KINGDOM』で、
凪七瑠海さんと東上公演ダブル主演とい
う形で表れています。


これが、宝塚100周年のためだったのか
は、分かりません。(月組公演には、各
組のトップが出演しました)


どちらにしても、この89期生の二人が2
番手争い(?)をしている間に、月組で
頭角を現してきたのが、珠城りょうさん
です。


2015年の『Bandito』で、東上公演初主
演。同年の『舞音』『GOLDEN JAZZ』
では、5期上の美弥るりかさん、凪七瑠
海さんを飛び越えて、トップスターの龍
真咲さんに次ぐ月組2番手に昇格してし
まいます。


美弥るりかさんの人気が急上昇したのが、
この『舞音』『GOLDEN JAZZ』だった
というのは皮肉としか言い様がありませ
ん。


そして、そのまま、珠城りょうさんが、
2016年年9月5日付で月組トップスターに
就任すると同時に、美弥るりかさんも月
組2番手に昇格、凪七瑠海さんは同日付
で専科へ異動します。


ただ、珠城りょうさんにとって悪かった
のは、メディアが「入団9年目でのトップ
就任は、男役としては、入団7年目にトッ
プ就任した元月組トップ・天海祐希に次
ぐ速さとなり、近年では極めて異例のス
ピード出世となった。」と報じたことで
しょう。


「宝塚ファン」にとっては、天海祐希さ
んと比べるな、ということだったと思わ
れます。


そのせいか、珠城りょうさんトップ時代
は、月組人気は低迷します。


そこへ、追い打ちをかけたのが、美弥る
りかさんの2番手での退団だったように
思われます。


それが「2番手切り」と言われて大騒ぎ
になりました。


そして、星組の愛月ひかるさんも2番手
で退団して、上級生2番手はトップにな
らずに、退団するという事が定着するも
のと思われました。


ところが、それを見事に覆してみせたの
が、今度、月組トップに就任した鳳月杏
さんです。


上級生2番手でもトップになれる事を証
明してくれました。


運というのも、きっと、あるのだと思い
ます。


珠城りょうさんも退団し、美弥るりかさ
んも珠城りょうさんも、舞台やテレビで
活躍してみえます。


だからね、もうそろそろ止めてもいいで
はないですか?「2番手切り」という言葉
を使うのは。