「反出生主義」って、何だ?ー日本で少子化が止まらない理由(ワケ)(番外編)(シニア雑記)
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
初めて聞きました。「反出生主義」とい
う言葉。
反出生主義(アンチナタリズム)とは、
「人間は生まれるべきではない」という
前提のもと、生殖を非倫理的行為とする
思想のこと、だそうです。
11月9日付ENCOUNTの記事によると、
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反出生主義で有名な南アフリカの哲学者
デイヴィッド・ベネターは、生における
苦痛と快楽の非対称性から「生まれる以
上必ず苦痛があり、それは快によっては
埋め合わされることはないのだから、生
まれないほうがいい」と結論づけている。
誕生は生まれてくる人にとって常に害で
あり、人類は生殖をやめて段階的に絶滅
するべきだというベネターの主張は「誕
生害悪論」とも呼ばれる。反出生主義と
いう言葉を日本で批判的に考察した早稲
田大学の森岡正博教授は、ベネターの主
張について次のように説明する。
「苦痛は純粋に悪いもの、必要のないも
ので、他者に同意なく与えていいもので
はありません。生まれる前の存在から生
まれることへの同意を取ることはできず、
生まれた以上苦痛は必ず存在する。そし
てその苦痛は快によっては埋め合わされ
ない。ならば誕生も出産も悪であるとい
うのがベネターの主張。ここで、生まれ
てきてよかったこともあるだろうという
反論があるかと思いますが、生の快楽が
あるからといって苦痛があってもいいこ
とにはならない。苦痛はあってはならな
いものですが、快楽はなくても悪いとは
いえない、これが苦痛と快楽の非対称性
です」
(中略)
日本でも近年、SNSを中心に反出生主義
を掲げる人が増加している。「反出生主
義」で検索をかけると「子を産み育てる
のは親のエゴ」「こんな世の中に子ども
産んだ時点で虐待」といった当事者の声
が多数確認できる。「毒親」「親ガチャ
失敗」と自らの親を断罪する内容の投稿
も多い。反出生主義をうたう人々は、ど
ういう経緯でその思想に至ったのか。ネ
ット上で反出生主義者を公言している24
歳のミユキさん(仮名)は、「今まで地
獄のような人生を歩んできて、生まれな
ければ地獄を味わうこともなかったので
反出生主義になりました」と語る。
「幼い頃から親に暴力を振るわれ、実の
兄から性暴力に遭ってきました。勉強が
できなくて何度も土下座を強要させられ、
受験に失敗したときには『お前なんて産
むんじゃなかった』と言われた。家では
親から虐待され、学校では同級生からの
いじめに遭う毎日。今は親と絶縁し、結
婚して以前よりはましな生活になりまし
たが、死にたいという思いは変わらない。
夫からは死なないでほしいと言われます
が、生きているだけで苦しく、安らかに
死ねるなら今すぐにでも死にたい。国に
は少子化政策などやめて、安楽死を認め
てほしいです」
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だそうです。
ただ、ミユキさんのような「生まれてこ
なければよかった」というのは、「誕生
否定」であって、「主観的な人生の善し
あしと、生殖行為の非道徳性については
分けて考えるべき」だという主張もあり
ます。
後者の「生殖行為は非道徳」という「出
産(生殖)否定」ですと、そもそも、出
産(生殖)そのものが悪だということに
なります。
SNSの投稿は、どちらかというと、「誕
生否定」のように思われますが、「出産
(生殖)否定」の方が若い人の間で拡が
るようですと、少子化を加速させるよう
に思われます。