怒るのは筋違い。ちゃんと最初に"PART1"って出て来る『ウィキッド ふたりの魔女』2回目鑑賞!!
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
映画のラストに“To Be Continued”と出て
来るので、「続くのか!」と怒っている
方がみえますが、ちゃんと、映画を観て
いれば、最初に"WICKED"と映し出され
たその横に“PART1”と出ていたのに気付
いたはずです。
ところで、先回、この映画は、緑色の肌
で生まれたと言うだけで疎まれ、仲間外
れにされるエルファバと、そのエルファ
バと正反対に見えるグリンダの女性ふた
りの友情物語について扱った映画だと書
きました。
ただ、物語の中盤からは、違った様相を
見せ始めます。
それは山羊の歴史学の教授ディラモンド
教授の授業の場面です。
ディラモンド教授がひっくり返した黒板
の裏には"動物は話すな"という言葉が書
かれていました。
エルファバは、かつて、動物も人間と共
存し、ユキヒョウが大学で数学を教えて
いたことを知ります。
それが、変わってしまったのは大旱魃で
した。
オズの魔法使いは、オズの国の人々の不
満や批判を躱すために、動物たちをスケ
ープゴートに使ったのです。
真相を知ったエルファバは、オズの魔法
使いと袂を分かとうとし、グリンダは、
オズの魔法使いの許に残ろうとします。
魔法をコントロールする力を得たエルフ
ァバは、空飛ぶ箒にまたがって、グリン
ダを残したまま、西の空へと飛び去って
いきます。
で、第2部へと続きます。
エルファバは、本当に“西の悪い魔女”だ
ったのか。なぜ、“西の悪い魔女”とされて
しまったのか。
何が“善”で、一体何が“悪”なのか。
パンフレットには、こう書かれています。
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一見すると「ウィキッド」は、エルフ
ァバが<悪い魔女>になり、グリンダが
<善い魔女>となる過程を描く誕生秘話
だ。片や疎まれ、片やかわいがられて育
ったふたりの女性の間に友情が芽生え、
片方の女性の持つ未知の力が、彼女たち
ふたりの生涯やオズという場所を永遠に
変えてしまう。だが、それだけでなく、
仄暗い内奥へと潜り、より深い真実を掘
り起こそうとするのだ。さらに「ウィキ
ッド」というミュージカルの底流にある
のは、浸透していくファシズムの動きだ。
言葉を話す知的な動物たちを悪魔に仕立
て上げることで、社会のゆがみを彼らの
せいにしたうえ、絶滅させようとしてい
る。文字どおり彼らの声を奪って。1930
年代のナチスドイツで成立した第三帝国
をも彷彿とさせるその描写の中では、絶
大なカリスマ性を誇る不吉なリーダーが
登場し、巧みな嘘に扇動された市民は、
言うもはばかられるような行動に出る。
市民はそれぞれが抱える不安や憎悪から、
愛する者を裏切っていくのだ。そういう
点でもこの物語は、観る者の見識を揺る
がし、すべての世代に響いていく。もち
ろん我々の世代にも。
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一方、劇団四季のHPでは、
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何もかも正反対の二人が心を通わせ、や
がてそれぞれの道へと進んでいく物語に
は「自分の意志で道を決める強さ」や
「違う生き方を尊重することの大切さ」
といった、今を生きる私たちにとって重
要なテーマが散りばめられています。
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と書かれています。
この作品をどのように捉えるかは、その
人の自由です。
ですが、「続くのかよ!」って怒るのは
違うと思います。
PART1は、序章に過ぎないのですから。