壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

演出の粗が気になった星組公演『阿修羅城の瞳』ー1回目観劇コメント②

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


皆さんの感想が、ほぼ、大絶賛の星組

公演『阿修羅城の瞳』ですが、1件だけ

批判意見を見掛けたのですが、批判内

容を読むと、劇団☆新感線版とほぼ、

同じ内容になっている場面やセリフ。


つまり、その人は、劇団☆新感線版の方

を批判していることになります。


ただ、他の箇所を読むと(多分、この人

は、劇団☆新感線版を観ていないのだと

思いますが)、何か勘違いしているよう

に思われるような箇所もあって、そうだ

とすると、宝塚版にそのような勘違いを

起こすような要素があるのではないかと。


まだ、もう2回(ライブ中継を入れると

3回)観る機会があるので、きちんと確

認するつもりですが(劇団☆新感線版

の方はBlu-rayを持っているので)、今

の段階でのここが問題ではないかという

記事を書いてみたいと思います。


ということで、①から大分間隔が空きま

したが、これが②になります。


まず、劇団☆新感線の2003年上演の『阿

修羅城の瞳』の上演時間は、私が持って

いるBlu-rayによると、174分です。


これに対して、宝塚星組公演の『阿修羅

城の瞳』は、95分です。


つまり、ほぼ、半分にカットすることに

なります。


宝塚のお芝居には、歌や踊りも加わりま

すから(新幹線の舞台にも多少の歌はあ

りますが)、さらに物語の方は短くする

必要があることになります。


新幹線の『阿修羅城の瞳』は、一つの完

成された作品ですから、これを半分の時

間に単純にカットすると、話の辻褄が合

わなくなります。


辻褄を合わせるためには、ストーリーを

改変する必要があります。


また、宝塚で上演するのですから、宝塚

の観客に合わせた演出にする必要もあり

ます。


これだけのことをしなければならないの

ですから、演出を引き受けた小柳奈穂子

氏の技量が問われることになると思いま

す。


ただ、それが今回上手くいったとは、私

には思えないのです。


私が前回観ていたかぎりでは、前半は刀

鍛冶の場面をカットした以外は、ほぼ、

新感線版と同じ展開でした。


このままで、95分の枠に収まるのだろう

かと心配になりましたが、阿修羅転生の

あたりから怒涛の展開になります。


新感線版の方を観ていない人の中には、

話に付いていけない人もいたのではない

かと思います。


セリフで補っていましたが、それで理解

できたのかどうかが心配になりました。


全体としてのバランスが悪いのだと思い

ます。


刀鍛冶の場面はカットされ、安倍晴明も

どき(安倍晴明の影武者)は、せっかく

ひろ香祐さんを起用したのに出てこず、

全体として、新感線版よりもコメディ要

素が薄い作品になりました。


まあ、小柳奈穂子氏のコメディ感覚には

付いていけない所があったので、それで

良かったのかも知れませんが、かなり、

シリアス路線になってしまったような。


詩ちづるさんの桜姫がコメディ部分は、

全部持っていってしまいましたね。


一方で、鶴屋南北の戯作に対する執着の

場面もカットされてしまいました。


礼真琴さんの退団作ではありますが、1

本物にしても良かったのではないか、と

思ったり、いっそのこと、外部の演出家

を招聘しても良かったのではないか、と

も思ったりしています。


また、2回目観劇したら印象が変わるかも

知れないので、2回目観劇後に、また、コ

メントします。(今度は、ネタバレで)


①の記事です↓