この役員メンバーで、「宝塚歌劇団」は本当に変わることができるのだろうか?
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
5月14日付で、阪急株式会社と宝塚歌劇
団によって発表された「株式会社宝塚歌
劇団における役員人事(7月1日付)」は、
以下のとおりです。
(なお、この内容は、宝塚のHPで見る
ことができます)
==================
阪急阪神ホールディングスグループで
は、グループ全体のガバナンス体制の一
層の強化に向けた取組を進めており、そ
の一環として、宝塚歌劇団については、
2025年7月をめどに阪急電鉄株式会
社が100%出資する「株式会社」に移
行して内部統制システムを強化するとと
もに、取締役の過半数を社外出身者とす
ることで、より透明性が高く、ガバナン
スの効いた組織を構築することとしてお
ります。
今般、株式会社宝塚歌劇団の役員人事
について、以下のとおり内定しましたの
で、お知らせします。
なお、本役員人事は、7月1日に開催
予定の株式会社宝塚歌劇団の定時株主総
会(以下、本定時株主総会)および本定
時株主総会終了後の取締役会において決
定される予定です。
記
■代表取締役人事について
代表取締役社長
村上 浩爾(むらかみ・こうじ)
(現・宝塚歌劇団 理事長)
■取締役人事について
専務取締役
髙田 健司(たかた・けんじ)
(現・宝塚歌劇団 専務理事)
取締役
奥田 雅英(おくだ・まさひで)
(現・阪急電鉄株式会社 常務取締役 創
遊事業本部長兼 宝塚歌劇団 理事)
取締役(非常勤)
宮原 幸一郎(みやはら・こういちろう)
(現・株式会社JPX総研 参与)
取締役(非常勤)
加藤 治彦(かとう・はるひこ)
(前・トヨタ自動車株式会社 常勤監査役)
取締役(非常勤)
池坊 専好(いけのぼう・せんこう)
(現・一般財団法人池坊華道会 副理事長)
取締役(非常勤)
金髙 雅仁(かねたか・まさひと)
(現・日本国際警察協会 会長)
■監査役人事について
監査役
北野 靖(きたの・やすし)
(現・宝塚歌劇団 監事)
監査役(非常勤)
足立 清香(あだち・さやか)
(現・宝塚歌劇団 診療医)
■なお、取締役会議長には、宮原 幸一郎
が就任する予定です。
==================
※赤字にしたのは、社内役員、青字が社
外役員です。
確かに、取締役7人中4人が社外取締役
(非常勤)ですから、過半数が社外取締
役になっています。
それよりも驚くのは、現・宝塚歌劇団 理
事長の村上浩爾氏がそのまま、新会社の
代表取締役になっていることです。
「宝塚歌劇団を改革する」というのであ
れば、まず、組織のトップであった理事
長を変えなければ、旧来の悪弊がそのま
ま残ってしまう可能性があります。
また、専務取締役も取締役も、現 宝塚
歌劇団の専務理事、理事をそのまま起用
しています。
取締役の中に「宝塚歌劇団」のことを良
く知っている人が居なければならないと
いうのは、分からないでもないですが、
さすがに横辷りはないだろうと思います。
一方、社外取締役の方にも何でこの人が、
と思うような人が入っています。
このメンバーで本当に、「ガバナンスの
効いた組織が構築」できるのかが、甚だ
疑問です。
なお、社外取締役は、年に数回の取締役
会に出席し、社内取締役からの業務執行
状況を聞き、議論の上、議案を承認する
かどうかを決定するというのが仕事です。
取締役会で何が議論されたかは、基本、
社内だけの情報で、外に発表されること
は、余りありません(人事や決算情報な
どを除いて)。
したがって、「透明性を高くする」と言
っても、社内取締役内だけの情報であっ
たものが、社外取締役の範囲まで広がる
だけの話であって、間違っても「宝塚フ
ァン」に公表されることはありません。
しかも、新会社は、阪急電鉄の100%子
会社ですから、他に株主もいません。
さて、この状態で、どうやって「ガバナ
ンスの効いた組織が構築」出来るのかは、
どういう仕組みを作るのかに掛かってい
るように思われます。
なんか、「社内監査部門」にすべて押し
付けているように思われるのですが。