実力派が揃った!!潤花さん出演の『二都物語』を観ました!!
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
昨日は、ミュージカル『二都物語』を観
に、梅田芸術劇場メインホールまで遠征
してきました。
なんか、高校生の一団が観劇に来ていて、
珍しく、休憩中に、男子トイレに行列が
出来ていました。
先日、観劇した雪組東京宝塚劇場公演で
も高校生のグループが観劇に来ていまし
たが、これって授業の一環なのでしょう
か?
「居眠りをしていた」とか「ストーリー
が全然分からん」なんて言ってましたが。
さて、公演プログラムから、その全然分
からないという、ストーリー紹介です。
(公演プログラムくらい買えよ)
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18世紀後半、イギリスに住むルーシー
・マネット(潤花)は、17年間バスティ
ーユに投獄されていた父のドクター・マ
ネット(福井晶一)が居酒屋を営むドフ
ァルジュ夫妻(橋本さとし・未来優希)
に保護されていると知りパリへと向かう。
再会した父の変貌ぶりに動揺するルーシ
ー。けれども親子で一緒に暮らすため、
ドクター・マネットの財産管理人である
テルソン銀行のジャービス・ロリー(原
康義)と用心棒ジェリー・クランチャー
(宮川浩)、ルーシーの乳母ミス・プロ
ス(塩田朋子)と共に、ロンドンへと戻
る。
帰途の船中、一行はフランスの亡命貴
族チャールズ・ダーニー(浦井健治)に
出会う。彼は叔父のエヴレモンド侯爵
(岡幸二郎)の横暴に反発し、イギリス
へ渡ってきたのだ。しかし叔父の指示を
受けたバーサッド(福井貴一)により、
彼はスパイの濡れ衣を着せられ裁判にか
けられてしまう。
そのピンチを救ったのは、同僚のスト
ライバー(原愼一郎)と共にロンドンで
事務所を開いている、酒浸りの弁護士シ
ドニー・カートン(井上芳雄)。カート
ン、ダーニー、ルーシーの3人は親交を
深め、やがてダーニーとルーシーは結婚
を誓い合う仲になる。密かにルーシーを
愛していたカートンだが、2人を思い身を
引くことに…。しかしダーニーは、昔の
使用人の危機を救おうと祖国フランスに
戻り、フランス革命により蜂起した民衆
たちに捕らえられてしまう。
再び裁判にかけられたダーニーだった
が、そこで驚くべき罪が判明し、下され
た判決は死刑。ダーニーとルーシーの幸
せを願うカートンはある決心をし、ダー
ニーが捕らえられている牢獄へと向かう
が……。
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『二都物語』の原作は、学生時代に読み
ました。
ただ、50年以上も前に読んだので、全く
記憶になく、今回、この作品を観て、こ
ういうストーリーだったのか、と。
これは、ネタバレしていいかというと、
ダメですね。
まだ、御園座公演と博多座公演がありま
す。
で、余り、ネタバレしない程度に。(他
の方の感想で完全にネタバレしてますが)
『二都物語』は、フランス革命勃発前後
(1780年~1794年)のロンドンとパリを
舞台にした物語です。
普通、フランス革命を扱った物語という
と、王侯・貴族側(ルイ16世とマリー・
アントワネットなど)と革命側(ロベス
ピエールやダントンなど)が出てきます
が、この『二都物語』は、フランス貴族
(エヴレモンド侯爵とその甥のダーニー)
は出てきますが、革命側として出て来る
のは、一般市民です。
『二都物語』を典型的なフランス革命の
話にしなかったのは、やはり、ディケン
ズがイギリスの作家だからではないでし
ょうか?
逆に、だからこそ、フランス革命が市民
に自由と平等をもたらした、と必ずしも
肯定的に捉えずに、革命の影の部分も描
いたのではないかと思います。
さて、井上芳雄さんのカートンは、酔っ
払いの弁護士という役です。
酔っぱらいながら、歌う、というのは、
なかなか神業的で、良かったです。
原作では、カートンとダーニーは、顔が
似ているという設定らしく、だから、裁
判の場面で、カートンが立っただけで、
検察側の証人の証言がひっくり返される
という展開になります。(この場面は、
舞台だけ観ていると、ちょっと、分かり
づらいですね。井上芳雄さんと浦井健治
さんは余り似ていないので)
ただ、こんなにいつも酔っぱらっていて、
弁護士で食っていけるのかと心配になり
ますが。
井上芳雄さんは、いつ見ても、主役は俺
だ感があって、とってもいいです。
今回も、浦井健治さんを抑えて、存在感
があります。
上のストーリーの「カートンはある決心
をし」の箇所の「決心」の内容がこの作
品のメインの部分になります。
何となく、予想される結末ですが、その
結末が観る者に感動を与えてくれます。
で、主役を井上芳雄さんに譲った感のあ
る浦井健治さんですが、傲慢な叔父のエ
ヴレモンド侯爵に反発して、ロンドンに
やって来る好青年のダーニー役を演じて、
やはり、歌も芝居も上手いな、と。
この二人に挟まれて、三角関係のヒロイ
ンのルーシー役の潤花さんは、これが2
回目の舞台出演みたいですが、これだけ
のベテラン実力派俳優陣の中で、よく頑
張っているな、と思います。
最後は、やっぱりこの人、ドファルジュ
夫人役の未来優希さんです。
この人物がフランス革命の平民側代表と
して描かれています。
貴族に身内を殺されたことを恨んで貴族
と貴族に仕えた者も、貴族の子供も根絶
やしにしようと復讐心に燃えているドフ
ァルジュ夫人を演じて、見事ですし、歌
もさすが圧巻です。
もう、フランス革命の自由も平等の理想
もへったくれもなく、ただただ、自らの
復讐のためだけに、次々と貴族たちをギ
ロチンにかけていく、という。
フランス革命って、案外、そんなもんだ
ったりして……。
最後の方の監獄の場面から、ラストに至
るまでが、実に感動的な作品です。
宝塚でも以前、上演したみたいですので、
この東宝版の内容で、是非、再演して欲
しい、と思います。