壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

これは見応えあり!!!!劇団四季ミュージカル『ゴースト&レディ』名古屋公演を観ました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、猛暑の中、劇団四季のミュージ

カル『ゴースト&レディ』を観に、名古

屋四季劇場に行ってきました。


席は、チケットには6列目と載っていた

のですが、実質3列目で、舞台が良く見

えました。


タイトルの「レディ」とは、ナイチンゲ

ールのことです。


そして、「ゴースト」は、劇場に住みつ

いている幽霊のグレイです。


これは、幽霊であるグレイが語るナイチ

ンゲールの物語です。


原作は、藤田和目郎氏の漫画『黒博物館

ゴーストアンドレディ』。


つまり、この作品は、劇団四季のオリジ

ナルミュージカルです。


ただ、シリアスな作品かというと、必ず

しもそうではなく(当然、シリアスな場

面が多いですが)、グレイが『ハムレッ

ト』や『クリスマス・キャロル』に出て

来る幽霊と一緒に踊るというコメディタ

ッチな場面があったり、ゴーストVS.ゴ

ーストで立ち回りをして、さらには、ワ

イヤーアクションまで登場するという場

面があったり、と盛り沢山な内容になっ

ています。


とりあえず、公演プログラムからあらす

じ紹介です(長いので、途中まで)。

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 ロンドン、ドルーリー・レーン劇場。

姿を現したのは18世紀の決闘士の出で立

ちの男。彼こそがこの劇場に棲むシアタ

ー・ゴースト、<灰色の男>と呼ばれる

グレイ。観客を前に、今宵舞台の幕が開

くー。


 時は1854年に遡る。ドルーリー・レー

ン劇場は多くの観客で賑わい、彼らは口

々に「灰色の男」の噂をしている。彼が

舞台の初日に現れるとその芝居は必ず成

功するという伝説があるのだ。観客たち

が立ち去った後、グレイのもとにひとり

の女性が歩み寄る。「お願い 私を殺し

て」ー。そう懇願する彼女の名はフロー

こと、フローレンス・ナイチンゲール。

16歳の時に天啓を受けて以来、ゴースト

が見えるようになったという彼女は、看

護の道に進み、傷ついた者たちを癒すこ

とを使命と信じ従軍看護婦を志すものの、

家族の反対に抗えず、生きる意味を見失

い、死を望んでいた。依頼をはねつける

グレイだが、フローのあまりの熱意に、

家族の最後の説得に向かう彼女について

いくことにする。


 ナイチンゲール邸。上流階級の青年、

アレックス・モートンは、フローに結婚

を申し込む。家族全員が「イエス」の返

事を期待するなか、彼女はその申し出を

断り、従軍看護婦としてクリミアに行く

ことを切望する。家族は、これ以上ない

縁談を辞退したフローを一斉に咎め、看

護婦という職を否定するが、グレイの剣

先が彼らの胸に触れると……途端に生気

を失い、一転してフローの願いを認める。

グレイが一時的に彼らの魂を麻痺させた

のだ。フローへの興味を高めたグレイは、

彼女が「絶望」の底に落ちた時に取り殺

すという条件で、ともに旅することを決

める。そして、フローは看護の道に“死ぬ

覚悟”で挑むことを改めて決意する。


 クリミア戦争下のイギリスでは新聞記

者のウィリアム・ラッセルがトルコにあ

るスクタリ陸軍野戦病院の凄惨な状況を

報じていた。その惨状を打開するため、

フローは傷病兵を収容する野戦病院へと

向かうことに。フローの呼びかけに看護

婦たちが次々と集まり、その中には若き

志願者エイミーの姿もあった。スクタリ

では、女性を蔑み、邪魔者扱いする軍か

らの強い反発が待っていたが、フローは

勇気と知恵を振り絞り、数々の困難を乗

り越えていく。フローをはじめとする看

護団の献身的な働きで病院の環境はみる

みる改善されていくが、そこに、軍医長

官のジョン・ホールが視察にやってくる。

クリミア戦争における全陸軍野戦病院の

責任者である彼は、戦争による死傷は名

誉であるとし、急患のもとへ向かおうと

するフローを威圧する。ホールの態度を

見兼ねたグレイが魂を麻痺させ、フロー

はその機に乗じて患者のもとに走るが、

グレイはこの時ただならぬ気配を感じる

……。

(以下、省略)

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当時、病院とは、貧しい人々を収容する

場所。


そこで働く看護婦も貧しい女性たち。


裕福な家庭には、医者の方が赴く。


そんな時代の話です。


だから、フローの家族は、フローが看護

婦の道を選ぶことに反対するのです。


で、どこが見応えがあるかというと、ま

ず、ストーリーが面白い。


原作が良く出来ているのだろうと思うの

ですが、ナイチンゲールの物語にグレイ

という劇場の幽霊を絡ませていく。そし

て、二人は、恋に落ち……。

(なお、原作者のコメントは、公演プロ

プログラムに載っています)


ナイチンゲールが「聖人」としてではな

く、その行動がエキセントリックに描か

れていて、実に面白いです。


まず、最初が「私を殺して」ですからね。


カトリックだから、自殺できないって、

ゴーストのグレイに依頼するという……。


そして、劇団四季ならではの圧巻の舞台!


中でも驚嘆したのは、作品に使われてい

る曲の素晴らしさです。


作曲・編曲は、富貴晴美氏です。

(良く知りませんが、何だか凄い人らし

い。)


そして、その素晴らしい曲で歌う劇団四

季のキャストの圧巻の歌声とダンス!!


見応えあり、というのは、私の最大の称

賛の言葉です。


もし、この記事を読んで頂いている方が

宝塚一筋ではないのであれば、そして、

劇団四季も観てもいいというのであれば、

これは、私のお薦めの作品です。


なお、クリミア戦争とは、クリミア半島

の支配をめぐるロシア帝国とオスマン帝

国との戦いに、オスマン帝国側をイギリ

スとフランスが支援した戦争です。


そして、今、クリミア半島は、ロシアの

支配下にあり、ウクライナ戦争の火種と

なっています。


この作品は、戦争というものの悲惨さ残

酷さを物語ると同時に、それでも、少し

でも人の命を救おうと努力する人がいる

ということを私たちの心に刻み込んでく

れます。


今回のキャストは↓なんですが、見えます

でしょうか?