妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

アドリブが満載の宙組公演大千秋楽~!!①

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今日は、堂本光一さんと井上芳雄さん主演のミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』を
梅田芸術劇場メインホールで観劇してきました。とっても良かったです。


で、今日はその話ではなく、昨日映画館でライブ中継を観た宙組公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』についての
コメントです。


宝塚大劇場では、7月に3回観劇しているのですが、私がこのブログを始める前ですので、
改めてコメントしたいと思います。


まず、『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』の方から。


ちなみに、副題の「The Game Is Afoot!」とは何かと思っていたら、事件の知らせを
受けたホームズがワトスンに対して言うセリフで「獲物が飛び出したぞ!」という
意味のようです。(さすがに原文で読んでいないから今まで知りませんでした)
公演プログラムのSTORYのところにちょっと載っています。


例のホームズが「退屈だー、退屈だ―」という場面は、私が宝塚大劇場で観たときは、
ローソン貸切公演の時に、アドリブが真風さんがローソンの「L」の字の格好を
する程度だったのですが、その後、アドリブが段々と進化したようで、
千秋楽ではついに真風さんが「退屈大魔王」に。
ホームズ(真風涼帆さん)が手からビームみたいなものを出したので、ワトスン
(桜木みなとさん)がビームに撃たれて床に倒れるというアドリブをやっていました。
桜木みなとさんも合わせるのが大変ですね。(事前の打ち合わせもなかったでしょうから)


この作品は、タイトルの後ろに「~サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラ
クターに拠る~」と書いてあるように、コナンドイル原作の「シャーロック・ホームズ」
のシリーズの中のいろいろなキャラクターを登場させ、原作の中のいろいろなエピソード
なども取り入れた上で、原作とは異なった新しい物語を創作したというものです。


原作には「切り裂きジャック」は一切出てきませんし、アイリーン・アドラーは、
「ボヘミアの醜聞」に出てくるだけで、モリアーティとは一切関係がありません。


さらに、モリアーティがヨーロッパに戦争を起こして自分達の製造した武器を売りつけ
ようとすることとか、大英帝国の新型潜水艦の設計図をアイリーンが海軍大臣から
盗んだとか、最後にホームズとアイリーンがキスするとか(宝塚ですからね。トップ男役とトップ娘役は最後にそういう関係にならないと。)、原作には一切出てこない話です。


それでも、シャーロックホームズの作品はほぼ全部、学生時代に読んでいる私でも、
今回の作品は結構面白いと思ったのは、演出の生田大和先生の手腕でしょう。


原作のシャーロック・ホームズの魅力を活かしながらも、原作とは違った新しい
シャーロック・ホームズ像を創り出しています。
そして、その新たなシャーロック・ホームズに真風涼帆さんがぴったり嵌まっています。


ところで、少々ツッコミを。
まず、「退屈だー、退屈だ―」の場面で、ホームズが拳銃で壁に穴をあけて「VR」の
文字を書きます。(ほとんどの方はご存知かと思いますが、「VR]とはヴィクトリア女王 (Victoria Regina)のこと。Reginaは「女王」という意味です。)
しかし、ホームズが手にしているのはリボルバー。いったい弾が何発入っているのか?
しかも、マシンガンのように連発するし……。
リボルバーの弾数であの「VR」の字を撃つのは無理だと思います!!


もう一つ。
海軍大臣が大英帝国の国家機密である潜水艦の設計図をアイリーンに睡眠薬を
飲まされて盗まれるところ。
素性もよく分からない女に国家機密を簡単に見せる海軍大臣って……。
海軍大臣の要職にありながらあまりにも間抜け!!


さらにもう一つ。
切り裂きジャックの犯人を捕まえようとして、ホームズが罠を仕掛けます。
しかし、荷車の中から出てきたのは死んでいるのでも傷を負っているのでもない女性。
女性の入っていた箱の裏には、赤いペンキで「THE GAME IS UP」の文字が。
それを見てワトスンが「計画は失敗だ!」と叫びます。
まあ、モリアーティがホームズに対して、お前の計画は失敗したと言いたかったんだと
思いますが、何回観てもこの場面が意味不明。
そもそもホームズは一体どうしたかったのか?女性が無事だったから良かったじゃない
ですか?


長くなったので、ショーの方は明日に続きます。