妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

無事観劇できました~!!極美慎さん主演の『ベアタ・ベアトリクス』!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、星組宝塚バウホール公演『ベア
タ・ベアトリクス』を観劇に宝塚へ行っ
てきました。
台風14号が心配だったのですが、こちら
の影響はほとんどなくて(ただし、行き
の新幹線が私の乗った列車の後続の列車
が横浜付近の大雨の影響で、30分程度遅
れていました。早めに出かけて良かった
です。)、むしろ、影響を受けたのは3連
休。
こんなに新幹線で旅行に行く人がいると
は、思っていませんでした。
帰りの新幹線の予約をスマホで取ろうと
すると、指定席が△マークで座席指定が
できず。仕方がないので、途中の名古屋
で降りやすいように通路側の席を選択。
列車に乗ってみたら、前の方の数列がA
席からE席まで空席。
どうなっているんだ、JR東海のシステム。


で、『ベアタ・ベアトリクス』ですが、
良かったです!!


とりあえずは、いつも通り、ストーリー
を公演プログラムから紹介。

==================
 19世紀半ば、イギリスはロンドン。ロ
イヤル・アカデミーの画学生ロセッティ
は、それまでの因習にとらわれた美術観
を打ち破るべく、アカデミー内で神童と
名高いエヴァレット、親友のウィルをは
じめ、志を同じくする者らと共に“プレ・
ラファエライト・ブラザーフッド(前ラ
ファエル兄弟団)”を名乗り、創作活動を
始める。
 時を同じくして、ロセッティは帽子屋
で働く娘リジーと偶然の出会いから恋に
落ち、彼女の姿を描くようになる。詩人
ダンテを崇拝し、その著書「新生」に登
場する理想の女性“ベアトリーチェ”を求
めていたロセッティにとってリジーはま
さに“ベアトリーチェ”であり、彼女もま
た彼の支えになりたいと思う。希望に満
ち溢れる二人は、ロセッティの夢への道
を一緒に歩もうと誓うのだった。
 兄弟団の活動は、アカデミーの反発を
受けながらも軌道に乗り始めるが、エヴ
ァレットがリジーをモデルに描いた傑作、
「オフィーリア」によって運命の歯車が
狂いだすー。リジーこそが自分にとって
の“ベアトリーチェ”だと信じていたロセッ
ティだったが、圧倒的な画力で彼女の姿
を描き切ったエヴァレットに嫉妬し、や
がて兄弟団は解散、リジーとの関係にも
溝が生まれてしまう。
 ロセッティは失意の中、オックスフォ
ードに移り、絵の仕事を細々と続けてい
た。そんなある日、街で評判の芝居小屋
の女優ジェインに魅了されたロセッティ
は、彼女をモデルに再び創作活動に没頭
し始める。ジェインの姿を描いた絵は高
く評価され、ロセッティは次第に彼女自
身に夢中になってゆき……。
 「ベアタ・ベアトリクス」ーこの世で
もっとも美しいベアトリーチェ。
 仲間と決裂し、愛を失い、夢に破れ…
ロセッティは、この作品をいかにして生
み出してゆくことになるのかー。
==================
演出の熊倉飛鳥氏は、この『ベアタ・ベ
アトリクス』が演出家デビュー作です。
第1幕と第2幕の時間配分(第1幕が1時間
20分、第2幕が45分)と冒頭の追いかけ
っこ(ロセッティたちがロイヤル・アカ
デミーの絵にいたずら書きをして、教授
と警察官に追われて、逃げ回っている)
の場面が少々長いように思うのですが、
全体としては、ロセッティの画家として
苦悩しつつも、自己の代表作「ベアタ・
ベアトリクス」を創作するまでの人生を
描いた上質な作品だと思います。
新たな宝塚の演出家の手腕にこれからも
期待がかかります。


少し、ストーリーを補足します。
詩人を父親の持つロセッティ。父親から
詩人になることを望まれ、名前も大詩人
の「ダンテ」と名付けられます。
しかし、ダンテを超える詩の才能のない
ことを悟ったロセッティは、父親の反対
を押し切って、画家になるべくロイヤル
・アカデミーに入学します。ロイヤル・
アカデミーの旧い美術観に反発し、授業
をサボっているロセッティ。デッサンも
ろくに描けない落ちこぼれになっていま
す。そのロセッティの前に表れたのが、
帽子屋に勤めるリジー。
リジーをダンテの詩に登場する理想の女
性“ベアトリーチェ”と思ったロセッティ
は、リジーをモデルに絵を描き、何とか
コンテストに合格。
そして、ロセッティは、仲間となったエ
ヴァレットに文学を題材に絵を描くよう
に勧めるのですが、エヴァレットがモデ
ルに選んだのは、リジー。
何か不安を覚えるロセッティとリジーで
すが、その予感は的中し、エヴァレット
が描き上げたのは、『ハムレット』の
「オフィーリア」。
その圧倒的な画力に打ちのめされたロセ
ッティは、再び、絵が描けなくなり、オ
ックスフォードで、壁画の仕事を請け負
います。
そんな中、芝居を観に行ったロセッティ
は女優ジェインに魅了され、彼女をモデ
ルに絵を描き始め、これが高く評価され
ます。
リジーとの間の溝が深まったロセッティ
は、ある日、遂にリジーに対して家から
出ていくように命じます。
その言葉に、リジーは死を選びます。
リジーの死に再び絵が描けなくなったロ
セッティは、酒場に入り浸る日々。
友人のウィルの助言も虚しく、ロセッテ
ィは自死することを選びます。


要するに、天才エヴァレットに立ちはだ
かられ、劣等感に苛まれてウジウジと悩
む落ちこぼれの画家のロセッティの姿を
描いているのが、この作品の大半部分な
のですが、ちょっと、極美慎さんがこれ
までに余り演じたことのない役でしょう。
そんな希望と挫折の人生を繰り返した末
に、本当に愛していたリジーをモデルに、
自己の代表作「ベアタ・ベアトリクス」
を創作したロセッティ。
この難しい役を極美慎さんが見事に演じ
ていました。
極美慎さんの代表作の一つになるのでは、
と感じました。


一方、そのロセッティの前に立ちはだか
る天才画家エヴァレットを演じたのは、
天飛華音さん。天才であるが故の孤独、
そして、一度はロセッティの仲間に入る
ものの、再び、孤独の道を選びます。
そして、何と、人妻と駆け落ちして、画
家としての道を捨てる道を選んでしまう
破局型の天才画家をこれも天飛華音さん
が見事に演じていました。


この破天荒な二人に挟まれて目立たない
のですが、堅実に画家としての道を歩み、
ロセッティの身を友人として真剣に案じ
るウィルを演じた碧海さりおさん。その
抑えた演技も光るものがありました。 


多分、②に続くと思います。