宙組公演『カジノ・ロワイヤル』原作を読みました~!?これは、もう宝塚版とは別作品だ。
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
ウーン、ですね。
やはり、1953年の作品です。古臭さは否
めないです。
今時の、スパイ小説と比べたら、スピー
ド感はないし、ボンドの警戒感も薄いし、
これでは何回も殺されてしまいますね。
まあ、古典的作品としては楽しめる、程
度でしょうか。
で、これを真飾涼帆さんボンド役で宙組で
上演することになりました。
大幅にストーリーが変更される予感しかし
ません。
ル・シッフルによるボンドの拷問場面なん
か絶対に出てこないと思いますし、カーチ
ェイスの場面もなさそうです。
まず、原作のストーリーを見てみましょう。
(ちょっと長いです)
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「黄色いリボン」と呼ばれる売春宿グルー
プに投資し損失を出したル・シッフルは、
ロワイヤル・レゾーで行われるというカ
ジノでその損失を取り戻そうとしていた。
資金元はソ連を筆頭とする東側陣営であり、
その損失によりスメルシュというスパイ処
刑機関に暗殺される可能性もあるためル・
シッフルも必死なのだ。
秘密情報部長官Mは組織の中でもカードの
腕に定評のある007ことジェームズ・ボ
ンドにこのル・シッフルを打ち負かすよう
命令した。
シッフルを暗殺してしまっても良いが、そ
れじゃあ面白くない。
カードで勝てばスメルシュが勝手にシッフ
ルを暗殺してくれるだろうし、またフラン
スで英国の脅威になるであろう「労働者連
合組合」にもその名を貶め、打撃を与えら
れるからである。
Mはボンドにフランス参謀本部第二課長の
ルネ・マティス、さらに秘密情報部からは
ヴェスパー・リンドという女性をサポート
として手配してくれた。
さらにCIAからの応援もあるようである。
ロワイヤル・レゾーでマティスに会うと、
どうやら相手もボンドの存在に気付いてい
るらしく、宿泊先の階上に滞在中の夫妻も
シッフルの一味であり、ボンドに探りを入
れているようである。
そんな中、外を歩くボンドの目の前で爆発
があり危機一髪の状況に陥ってしまう。
カメラに見立てた爆弾でボンドを殺害しよ
うとしたらしいが、手違いでその二人組は
ボンドの目の前で自爆してしまったのであ
る。
これでボンドもカード勝負以外でも気は抜
けないと再認識するもそのカードでの大勝
負の時は来たのであった。
カードはバカラでの勝負となり腕や駆け引
きはあるものの、どちらかと言えば五分の
勝負に近いという。まあそれもいかさまが
無ければの話である。
その辺のいかさまはボンドも秘密情報部員
としてそれなりの知識は持ってはいるので、
なにかあれば彼もまたそれを逆手に取って
対処していくであろう。
序盤調子良く勝ち越すが、シッフルもその
辺の修羅場はくぐっているため表情一つ変
えることもない。
しかし徐々に上がる掛け率の中、ボンドは
大敗を喫して無一文寸前まで追い込まれて
しまった。
ここで給仕がふと現れ、ボンドにずっしり
とした封筒を預けたのである。
中には大量の札束があり、紙切れに「マー
シャル援助物質、アメリカ合衆国よりよろ
しく」と書いてあり、ボンドと目があった
CIAのフェリックス・ライターがにやにや
していたのだ。
これが最後のチャンスとばかりに周りも振
り向く一大勝負をシッフルと交わそうとす
るが、ボンドの背後にはル・シッフルの護
衛と思われる二人のうちの一人が立ってい
た。
そしてステッキに見せかけた消音式銃を突
き付け勝負から降りるよう脅したのであっ
た。周りからは気付かれない狡猾なやり方
ではあったが、ボンドは椅子ごと大きく倒
れ出し、このピンチを切り抜けたのであっ
た。
そして最後の大勝負に勝利し、ル・シッフ
ルの元手を奪い取り無事にMからの任務を
成功させたのだ。
と見えたがまだ話はそんな単純では無かっ
たのである。
シッフルから巻き上げた大金を小切手にし
て安全な場所に隠し、ヴェスパーと勝利の
乾杯をし、ボンドは何故かこのヴェスパー
に居心地の良さを感じ、彼女も同じように
思っていた。
その後、彼女はマティスにメモで呼び出さ
れ、入り口のホールに向かっていった。
メモで呼び出すというのがマティスらしく
ないと違和感を感じたボンドは追いかけた
が、やはりこれはシッフルの罠であり、彼
女はすでに車で拉致されていたのであった。
「これだから女はいつも邪魔になる、自分
は任務上追うだけである」と自分に言い聞
かすボンドであったが、内心本気で彼女を
心配しベントレーのプラグを着火させるの
であった。
だが敵の罠に嵌りボンドのベントレーはパ
ンクし衝突し、ル・シッフルに捕まってし
まう。
相手も金を取り戻さないと命が危険な状態
のため必死なのだ。
「夜遊び荘」というアジトにヴェスパー諸
共拉致されて、急所攻めという拷問にあう
ボンドであったが、スメルシュの刺客が資
金損失でシッフルとその部下を殺害したた
め、ボンドとヴェスパーはたまたま助かっ
たのであった。
スメルシュの刺客はボンドとヴェスパーは
殺すよう言われて無かったが、ボンドはこ
れから目立った行動が出来なくなるように、
手の甲にスメルシュの刻印が刻まれてしま
ったのである。
その後、ボンドは入院することになるがヴ
ェスパーが毎日のように見舞いに来てくれ
た。
ボンドはこれに今まで女性に感じたことの
無い居心地の良さを感じたし、彼女も同じ
であったであろう。
退院すると二人はきれいな海の見える宿屋
に滞在し、その愛を深めることになった。
だがボンドは彼女の心のどこかにぽっかり
穴があることに気付いていたし、また何か
に怯えているようにも見えたのだ。
何日か経つと彼女のその不安定さが目立つ
ようになり、関係がぎくしゃくすることも
あった。
ある朝ボンドが宿屋の主人に起こされると
大事件が起きていたのである。
なんとヴェスパーが睡眠薬の多量摂取で死
亡しており、ボンド宛には手紙が残されて
いた。
彼女は前の彼氏がソ連側に捕まったポーラ
ンド人であり、それをネタに脅され秘密情
報部にいながらソ連に密告する二重スパイ
として活動せざるを得なかったのだ。
今回ロワイヤル・レゾーでボンドの存在が
知られていたのとル・シッフルに捕まって
も何もされなかったのは、彼女が二重スパ
イであったからだというのだ。
だがボンドに寄せた気持ちは本物であった
ことだけは伝え、スメルシュの追っ手がも
う近くを詮索し、ボンドにまで被害が及ぶ
ことで悩んだ挙句の結果であった、、、。
ジェームズ・ボンドはスメルシュに対する
怒りとやるせなさを心に、ロンドンの本部
に事件の詳細を事務的に語るのであった。
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これに対して、宝塚宙組の公演解説は、
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時は1968年、世界はアメリカとソ連を中心
とする冷戦の最中にあった。パリでは学生
や労働者たちを中心に「5月革命」と呼ば
れる反体制デモが起き、鎮圧後過激派たち
は「赤軍同盟」を名乗る地下組織に吸収さ
れて行った。
イギリスが誇る秘密情報部「MI6」では、
コードネーム「007」を持つ秘密情報部員
ジェームズ・ボンドに、ル・シッフルと呼
ばれるソ連のスパイを倒すよう指令が下さ
れる。ル・シッフルは5月革命の際、ソ連
の組織から赤軍同盟に送る資金を使い込ん
で窮地に追い込まれたため、カジノで一攫
千金を狙っていた。ボンドのミッションは、
ギャンブルの腕を生かして彼に勝って資金
源を断つことと、彼を生け捕りにして情報
を吐かせること。ボンドはジャマイカの大
金持ちになりすまし、フランス大西洋岸ロ
ワイヤル・レゾーにあるホテル内の「カジ
ノ・ロワイヤル」に乗り込む。折しも、ホ
テルではロマノフ家の遺族たちが集まり、
次代の家長後継者を巡って争っていた。末
裔の1人、ソルボンヌ大学の院生であるデル
フィーヌは、赤軍同盟に逃れた過激派学生
ミシェルの恋人であった。ギャンブルでボ
ンドに負けたル・シッフルは、デルフィー
ヌが相続した財産を狙い、ボンドはデルフ
ィーヌと関わりを持ち始める。
華麗なるカジノを舞台に、密かにめぐらさ
れる陰謀と策略。CIAやフランスの情報局
員、ソ連側の工作員も加わり、ボンドの行
く手には次々と危機が襲いかかる…
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原作では、ヴェスパーがヒロインですが、
宝塚版では、デルフィーヌがヒロインのよ
うです。
原作には出てこない「ロマノフ家」なんか
も出てきます。
ジェームズ・ボンドとル・シッフルが登場
して、「カジノ・ロワイヤル」でギャンブ
ル対決するというところだけ同じのほぼ別
作品になりそうです。
ということで、今回の宝塚版は、小池修一
郎氏のほぼ新作みたいになるのですが、大
丈夫でしょうか?
小池氏は、最近、原作なしの新作はほとん
どないので……。
真風涼帆さんの退団作品ですので、駄作に
だけはして欲しくないのですが……。