妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

雪組公演『蒼穹の昴』キャスト別感想④(白太太・譚嗣同)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、キャスト別の感想の4回目です。


まず、専科の京三紗さん演じる白太太に
ついてです。


私は、配役予想で京三紗さんが西太后役
だと思っていたのですが、白太太でした。


最初の幕が上がる前に、白太太が梁文秀
の宿命についてお告げをする時の声は、
さすが専科さんです。ずっしりと重みが
あります。
その後、梁家屯の曠野の場面で白太太が
登場するのですが、李春児についても、
「あまねく天下の財宝を手にする」と予
言します。
で、これ、京三紗さんだよね?と思うほ
ど白太太になりきっています。


ところが、李春児に告げた予言は偽りの
予言。李春児も李玲玲もその母親も飢え
て死ぬ運命だったのです。


しかし、その偽りの予言が李春児の運命
を切り開くことになります。
紫禁城での京劇の演技が西太后に認めら
れて西太后の側近へと登り詰めます。


宮中で悪い予言をしたために、西太后の
怒りを買って都から追い出された白太太
ですが、その予言は、必ずしも、百発百
中ではありません。
そう、宿命は変えることができるのです。


その白太太が梁文秀と李玲玲とが不思議
な糸で結ばれていると梁文秀に告げます。
これが、ラストの場面、二人が一緒に日
本へと亡命するという場面に繋がってい
きます。
その白太太が最後の方では、梁文秀の命
も救うという重要な役どころを担います。


それにしても、この白太太。何歳なので
しょうか?
原作では、続編の「中原の虹」にもでて
くるようです。不死身ですね。


京三紗さんを始め、専科から出演の6名
がこの壮大な物語に一層の重厚さを与え
ているように思います。まあ、年寄り役
が多いということもあるとは思いますが
……。


さて、次は、 諏訪さきさん演じる譚嗣同
です。


今回、諏訪さきさんがなかなかいい役で
す。
譚嗣同は、朴訥で純朴な人物ですが、玲
玲の心優しさに触れて、玲玲に求婚を申
し込み、玲玲は譚嗣同の許婚になります。
この譚嗣同を諏訪さきさんが実に上手く
演じています。


ただ、譚嗣同は、康有為の弟子で梁文秀
と同じ改革派の一人。
袁世凱の栄禄への寝返りによって、追い
つめられることになります。


伊藤博文の前で最後まで皇帝のために清
国に残ろうとする梁文秀に譚嗣同は、
「あなたは難しい方を選んでください。
僕は簡単なことしかできないから」と言
い遺して胸を張って毅然として立ち去り
ます。ちょっと格好いい。


そして処刑の日。玲玲の見守る中、玲玲
の呼びかけに応じて、「再見(サイチェ
ン)、再見(サイチェン)、また会いま
しょう」と叫んで、処刑される場面は、
胸を打たれます。


さて、もう1回続く、のか?