月組公演『応天の門』のその他の主な登場人物について紹介②ー「藤原良房」「藤原常行」「伴善男」
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
前回に引き続き、宝塚の舞台でも重要な
役割を担うであろうその他の重要な人物
について、紹介します。
まず、この作品で退団する月組組長光月
るうさん演じる「藤原良房」についてで
す。
ウィキペディアには、こう書かれていま
す。
==================
太政大臣。藤原北家を率いる朝廷の実力
者で、今上帝の外祖父でもある。自身と
藤原氏の権勢を強めることに執着し、そ
の妨げになる人間は一族の者であっても
容赦しない。
娘の明子に続き、姪の高子を入内させよ
うと画策しており、かつて高子と関係を
持っていた業平を警戒している。
==================
原作の人物紹介には、こう書かれていま
す。
==================
藤原北家の筆頭。伴善男と敵対し、太政
大臣として幼い帝の代わりに宮中を牛耳
ろうと目論んでいる。
==================
ウィキペディアには、「左大臣」と書か
れていますが、「太政大臣」の間違いで
す。上の文章は私が訂正しまたものです。
「左大臣」より「太政大臣」の方が位が
上です。
「藤原北家とは、右大臣藤原不比等の次
男藤原房前を祖とする家系。藤原四家の
一つ。藤原房前の邸宅が兄の藤原武智麻
呂の邸宅よりも北に位置したことがこの
名の由来」だそうです。
ちなみに、他には、「藤原南家」「藤原
式家」「藤原京家」があります。
「今上帝」「幼い帝」とは、清和帝のこ
とです。
「その妨げになる人間は一族の者であっ
ても容赦しない。」←多分、第1話~第
3話の「在原業平少将、門上に小鬼を見
る事」にでてくる藤原親嗣のことかと思
われます。ただ、藤原親嗣は、配役に名
前がないので、宝塚の舞台には登場しま
せん。
「娘の明子」とは、清和帝の母親の藤原
明子です。この人物も配役に名前がない
ので、宝塚の舞台には登場しません。
「姪の高子」とは、藤原高子ですから、
この人物は宝塚の舞台に登場します。
在原業平と駆け落ち未遂した人物です。
「伴善男」は、後で紹介します。
次に、礼華はるさん演じる「藤原常行」
についてです。
ウィキペディアには、こう書かれていま
す。
==================
良相の息子で、基経とは従兄弟。基経と
同時期に参議に任ぜられたが、身分の低
い女の許へ通うため夜道を微行し"百鬼
夜行"に遭遇。
==================
原作の人物紹介には、こう書かれていま
す。
==================
藤原北家の右大臣・藤原良相の長男。右
近衛権中将として、同い年の従弟である
基経と共に参議に召し上げられる。型破
りな性格だがその本心は……。
==================
「藤原常行」は、「ふじわらのときつら」
と読みます。
「良相」とは、「藤原良相(ふじわらの
よしみ)」で、藤原良房の弟です。
「参議」とは、日本の朝廷組織の最高機
関である太政官の官職の一つで、納言に
次ぐ官職です。宮中の政(朝政)に参議
するという意味で、朝政の議政官に位置
します。
「百鬼夜行(ひゃっきやぎょう、ひゃっ
きやこう)」とは、日本の説話などに登
場する深夜に徘徊をする鬼や妖怪の群れ、
および、彼らの行進です。
「今昔物語集」などに記述が見られ、
「尊勝陀羅尼の験力によりて鬼の難を遁
るる事」(巻14の42)には、
==================
貞観年間(859~877)、右大臣藤原良
相の長男、大納言左大将藤原常行が愛人
のもとへ行く途中、美福門周辺で東大宮
大路の方から歩いてくる100人ほどの鬼
の集団に遭遇。常行の乳母が阿闍梨に書
いてもらった尊勝仏頂陀羅尼(尊勝陀羅
尼)を縫いこんであった服を着ていたの
で、これに気がついた鬼たちは逃げてい
った。
==================
という話が載っています。
最後は、夢奈瑠音さん演じる「伴善男
(とものよしお)」についてです。
ウィキペディアには、こう書かれていま
す。
==================
大納言。良房に次ぐ朝廷の実力者。藤原
氏に代わり朝廷の実権を掌握しようとし
ており、様々な策謀を画策している。
道真の母は伴氏の出身で、遠縁にあたる。
==================
原作の人物紹介には、こう書かれていま
す。
==================
正三位の大納言として一族では異例の出
世をし、宮中の政に関わる藤原家と対立。
道真とは遠戚にあたる。
==================
官職の順位は、太政大臣→左大臣→右大
臣→大納言です。
したがって、藤原良房→源信→藤原良相
→伴善男という順番になります。
伴善男は、「応天門の変」に関係するの
ですが、それは、もっと後の話です。
『応天の門』の人物紹介は、今回をもっ
て終了します。
過去の人物紹介記事は、↓をご参照くださ
い。