妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

明日海りおさん主演の『精霊の守り人』2回目観劇感想ー歌が届ける想い

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、明日海りおさん主演の『精霊の
守り人』2回目観劇に猛暑の続く中、日
生劇場まで、遠征してきました。


前回は、雨が降りそうな天気だったので
すが、今回は、ほぼ、雲一つないいい天
気。


真夏の太陽がジリジリと照り付けてきま
したが、日比谷シャンテまで来るとビル
の日陰になっていて、ちっと、涼しいで
す。


開場の少し前に到着したので、木陰のベ
ンチで少し休憩してから、劇場へ。


前回は、ほぼ、全員がFCの明日海さんの
写真付きチケットを持っていたのですが、
今回は、ほとんどいません。


どうも、三井住友カードとセディナカー
ドの半館貸切公演だったらしく、終演後
にご挨拶がありました。


さて、今回の席は、少し前になって、GC
階のA列。
一番前で、観やすかったですし、足元も
広くて楽でした。


ただ、左隣のおばさん二人組がノーマス
クで、おしゃべりはするし、左隣の人は、
時々、ゴホゴホと咳をしています。


こちらは、自己防衛するしかなく、二重
マスクで対応です。


どうなるんでしょうね。新型コロナは。
この世からいなくなった訳でもないし。


さて、前回、キャスト別感想を書くと書
いたのですが、キャスト別だと、どうも
話が行ったり来たりしたり、同じ話を何
回も書くことになりそうですので、今回
は、物語の進行に従いながら、コメント
する形にしたいと思います。


なお、記憶で書いていますので、記憶違
いがありましたら、ご容赦願います。


まず、幕が開くと正面のスクリーンに地
図が映し出され、麻美れいさんの声で新
ヨゴ皇国の誕生の経緯とこの物語の背景
が語られます。


さずが、麻美れいさん、声だけの出演で
すが、深みのある声で観客を物語の中へ
と引き込みます。


第2幕の終盤にも麻美れいさんの出番が
あるのですが、水の精霊でしょうか。今
度はやさしい語り口です。


そして、村人たちが松明を手に持って、
夏至祭りの踊りを踊ります。夏至祭りの
踊りは、雨乞いの踊り。実は、この踊り
にはある意味があるのですが……。


そして、新ヨゴ皇国の第二皇子のチャグ
ム(黒川想矢さん)が登場。
乗っていた牛車の牛が暴れ、川の中に投
げ出されます。


黒川想矢さんは、この作品が初舞台とい
うことですが、5歳から芸能活動をして
いるだけあって、演技が上手いです。


この作品は、チャグムの成長物語でもあ
り、世間を何も知らなかったチャグムが
なぜ自分がこんな目に遭わなければなら
ないのかという葛藤を抱えながらも、
「精霊の守り人」としての自覚に目覚め、
最後には、第二皇子としての責務を果た
そうとする、そんなチャグムを見事に演
じていました。


チャグムの体に宿った精霊の卵が力を発
揮する時には、催眠状態みたいになり、
体をゆらゆら動かしたりするのですが、
その演技も良かったと思います。


その川に落ちたチャグムを偶々通りかか
って助けたのは、短槍使いの用心棒・パ
ルサ(明日海りおさん)。


赤色系の衣装にマントを羽織って、ブー
ツを履き、髪を後ろで纏めて、手には短
槍を持って、凛々しい姿で登場です。


また、チャグムを帝の命によって、殺そ
うとする刺客「狩人」を相手にして、戦
う殺陣の場面は、超格好いいです。


短槍ですから、剣とは違って、槍の穂先
を使うほか、石突を使ったり、振り回し
たり、いろんな使い方を殺陣の場面で見
せてくれます。


しかも、宝塚とは違って、相手は本当の
男性。殺陣の迫力が違います。これは、
さぞかし練習が大変だったでしょう。


歌も大部分は、明日海さんのソロです。
歌詞がとてもいいです。前回の記事で
紹介した「人は誰もが誰かの守り人」も
最後の方の場面で出て来る歌の歌詞の一
部分ですし、「命すべてが大切な宝物」
という歌詞もあります。


そんな素敵な歌詞の歌を明日海さんが、
素晴らしい歌声で歌い上げ、観客を魅了
します。


さて、皇子を救けてくれたお礼として、
バルサを宮殿に招いた二ノ妃(雛形あき
こさん)から、帝の放った刺客からチャ
グムを守るため、バルサにチャグムを連
れて逃げるように依頼します。


例え、息子に宿る者が魔物であったとし
ても、それが国の危機を招きかねないと
知っても、何としても息子を守りたいと
いう母親としての強い気持ちを雛形あき
こさんが上手く演じています。


周りを兵士に囲まれ、チャグムを連れて
逃げる事しか選択肢のないバルサは、二
ノ妃の依頼を受け入れ、時間稼ぎに宮殿
に火を付けることを依頼します。


宮殿から逃げ延びたチャグムとバルサ。
チャグムは、夜空の星の多さに驚きます。
そんなチャグムに、バルサは、自然の営
みはすべて繋がっていることを教えます。


「余にも意味があるのか」と問うチャグ
ムに、バルサは「命すべてが大切な宝物。
いらないものなんて一つもない。この世
のすべてに意味がある」と教えます。


さて、第二皇子のチャグムに魔物が宿っ
ていることを知った帝(唐橋充さん)は、
過去に水の魔物に取りつかれた子供を殺
して国を大旱魃から救ったという帝がい
たという話から、皇族に魔物が取りつか
れたと民に知られてはならぬと、狩人に
チャグムの暗殺を命じます。


チャグムの暗殺を狩人に命じる時も、病
弱だった第一皇子が亡くなったという知
らせを聞いた時も、帝は、終始無表情で、
感情のないような話し方をします。


国を統治する帝であるから、私情に流さ
れてはいけないということでしょうか。


なかなかの名演技です。
ただ、ご本人は、自分が演じる「帝が怖
い」と言っていますが……。


チャグムとバルサが狩人に追いつかれ、
危ない状況になっていた時に、いいタイ
ミングで現れたのは、バルサの幼なじみ
で呪術師見習いのタンダ(村井良大さん)。
呪術を使って、バルサを助けます。


タンダは、大呪術師トロガイ(雛形あき
こさんの二役)の弟子ですが、その後も
バルサと一緒にチャグムを守っていきま
す。


チャグムとバルサにタンダ鍋を作って食
べさせてやったりして、包容力のある優
しい心を持つタンダを村井良太さんが好
演しています。


チャグムから「タンダはバルサと結婚し
ないのか」と訊かれて、ドギマギするタ
ンダも可愛いです。


本当は、タンダは幼馴染のバルサのこと
を想っているのですが、その想いは一方
通行。恋については勘の悪いバルサは、
気付きません。


タンダがバルサに寄せる想いを歌う歌も
素敵です。


この場面が、ファミリー向けヴァージョ
ンにはないんですね。


そして、バルサが用心棒となって戦い続
ける理由をタンダは、チャグムに語って
聞かせます。それは、バルサも同じよう
に幼い頃に追われる身であったから。そ
のバルサを追手から守ってくれた育ての
父の武術指南だったジグロの恩に報い、
その償いをするために戦い続けていると。


さて、チャグムを直接、守るのは、バル
サとタンダですが、それを支える二人が
います。


一人は、タンダの呪術の師である大呪術
師のトロガイ(雛形あきこさんの一人二
役)。地の理(ことわり)を知る者。
もう一人は、帝に仕え、天の理を知る若
き星読博士のシュガ(水石亜飛夢さん)。


雛形あきこさん、45歳なんですが、い
かにも大呪術師という雰囲気で、髪の毛
はボサボサ、頭に枝みたいなのが生えて
いて、腰は曲がって、呪術師の杖を持っ
ています。声も老婆そのものです。


ちょっとコミカルな所もあるトロガイで
すが、チャグムを守るために、そして、
大旱魃から人々を救うために奔走します。


二ノ妃とは、ガラッと変わった役柄を演
じて、好演です。


シュガ役の水石亜飛夢さんは、登場人物
の中では、一番の知性派のイメージ。
ちょっと、イケメンだと思ったら、戦隊
ものなんかに出てるんですね。


水石亜飛夢さんも理知的なシュガを好演
しています。


で、最後に残ったのは、狩人のリーダー
のジン役の渡部秀さん。シュガが止める
のも聞かず、執拗にチャグムとバルサの
命を狙います。


剣の達人で、バルサの好敵手。この人も
にこりともしない人物でちょっと怖い。
バルサとの戦闘シーンが迫力があり、凄
みがあります。


殺陣の場面の明日海りおさんのバルサが
格好いいですが、それも渡部秀さんを始
めとする狩人のメンバーの殺陣の素晴ら
しい演技があったからこそ、だと思いま
す。


あ、精霊の卵を狙う魔物「ラルンガ」を
忘れていました。でも、あれは、「登場
人物」なんでしょうか?


どんな姿なのかは、見てのお楽しみです。


冒頭に書いた通り、カード会社の半館貸
切公演でしたので、最後に挨拶がありま
した。


まず、明日海りおさんが一言挨拶をして、
「私は面白いことが言えないので」(観
客の頭に?マークがでたような)と続き
を村井良大さんに回していました。
その後、狩人役の小野塚勇人と健人さん、
そして、チャグム役の黒川想矢がちょっ
とたどたどしく挨拶をしました。


そして、締めというか、最後に、明日海
りおさんのいつもの「まだまだ暑い日が
続きますが、皆様、元気で生きて行って
ください。」で終わりました。


この挨拶には、さすがの渡部秀さんも苦
笑していました。


さて、セリフにも歌詞にも素晴らしいメ
ッセージが込められたこの作品。
この作品こそ、世界中の国々に配信して
欲しいと思います。
音楽劇であるからこそ、さらに深く伝え
られるものがあると思いますので。



前回①の感想です。↓