妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

華麗なる月組公演レビュー『万華鏡百景色』!!(2回目観劇)(訂正版)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


「地獄変」の場面のコメントに誤りがあ
ったので、訂正します。
(赤字部分が訂正箇所です)
牛車の中で焼け死ぬのは、良秀の娘と良
秀ではなくて、良秀という名前の猿なん
ですね。
で、それを見て絵筆を動かしているのは、
芥川龍之介ではなく、良秀です。
鳳月杏さんが芥川龍之介と同じ衣装で、
良秀を演じているので、勘違いしてしま
いました。
最後に、良秀が片手で首を絞めるような
格好をしたのは、首を吊って自殺したと
いう意味でしょう。


昨日は、月組宝塚大劇場公演『フリュー
ゲル-君がくれた翼-』『万華鏡百景色』
の2回目観劇に、宝塚まで遠征してきま
した。



さて、今回はレビューの『万華鏡百景色』
の方についてコメントします。


ところで、「万華鏡」は、「ばんかきょ
う」とも「まんげきょう」とも読むよう
ですが、調べてみてもよく分からなかっ
たのですが、「ばんかきょう」の方が古
い読み方で、「まんげきょう」の方が新
しく、今では、「まんげきょう」という
読み方がポピュラーのようです。


私が小学生の時に、工作で「万華鏡」を
作った時には、すでに、「まんげきょう」
でしたから、大分、前から「まんげきょ
う」だったのでしょう。


そうすると、『フリューゲル』でヨナス
が「万華鏡」を「まんげきょう」と読ん
でいたのは、正しいことになります。
(漢字の方を読んだ訳で、ドイツ人のヨ
ナスがよく読めたな、と……。)


さて、話を元に戻すと、最初の場面は、
骨董屋。一人の女の子(花妃舞音さん)
が万華鏡を手にしてキレイと楽しんでい
ると、骨董屋の店主(梨花ますみさん)
が現れ、それをあげると言います。
それは、人を選ぶからね、という店主の
言葉に、少女は代金のことを訊きますが、
店主の姿は消えてしまいます。


すると、万華鏡の付喪神(鳳月杏さん)
を始め、様々な付喪神たちが現れ、「我
こそは付喪神。百年過ぎし物に宿るモノ」
と歌って、物語を語り始めます。


付喪神とは、日本に伝わる、長い年月を
経た道具などに精霊(霊魂)が宿ったも
のです。
「神」というより、妖怪の方に近いよう
な感じがします。


さて、時代は遡って、江戸時代。花火師
(月城かなとさん)が現れ、花火を打ち
上げると大勢の江戸の人々が登場し、華
やかに踊ります。
貧乏長屋の花火師のくせに、衣装は豪華
です。


そして、場所は、吉原の遊郭に移って、
花魁(海乃美月さん)が下からせりあが
ってきます。
花魁の衣装が豪華で、海乃美月さんの花
魁が良く似合っています。


二人並んで花火を見ることを願う花魁に
花火師は万華鏡を渡し、「その願いが叶
うまで、偽の花火で許してくれ」と言う
のでした。


ところが、花魁が身請けされると知った
花火師は、足抜けを決意するのですが、
追手に斬り殺されてしまいます。
「かごめ かごめ」の歌が悲しく聞こえ
てきます。
(なぜ、「かごめ かごめ」なのかは、
インターネットに出ているので、省略し
ます)


ここから、時代は現代へ向かって進み、
花火師と花魁は、その中で、何度も巡り
合うというストーリー仕立てのレビュー
です。


さて、時代は進んで、明治時代。
ガス灯の点灯夫(風間柚乃さん)が軽や
かに歌い、踊りながら、文明開化への希
望を語ります。
そして、最後に指し示す建物は鹿鳴館。


鹿鳴館では、「美しく青きドナウ」の音
楽で華やかに踊る紳士と淑女たち。
その中にあって、ひと際、目を引くのが
令嬢の明子(海乃美月さん)。
そして、階段上のドアが開いて登場した
のは白の軍服姿のフランス人将校(月城
かなとさん)。
1回目の転生です。


フランス人将校は、明子にダンスを申し
込みます。
二人がテラスに出て夜空を見上げている
と、花火が打ちあがります。
フランス人将校は、「まるで我々の人生
のようではありませんか」と明子に言い
ます。


一夜限りの巡り合い。芥川龍之介の小説
「舞踏会」を下敷きにしているそうです。
(読んだことありませんが)


そして、次は大正時代。
50歳近くになった明子(白雪さち花さ
ん)が電車の中で一人の青年(彩海せら
さん)と向かいあって座って、昔語りを
しています。


「舞踏会」の続きの話になります。
青年からその将校の名を訊かれた明子は、
そのフランス人将校の名前を口にします
が、青年からそれは、『お菊夫人』を書
いたピエル・ロテイさんでは、ありませ
んか?と訊かれても否定します。
そのうち、電車は銀座に着き、青年は慌
てて降りていきます。
青年は、恋人へのプレゼントの菊の花束
を抱えていて、『お菊夫人』が出て来る
という、花火の代わりに菊の花が使われ
ます。


銀座では、モボ(礼華はるさん、彩海せ
らさん)、モガ(彩みちるさん、白河り
りさん)達が楽しそうに歌って、踊って
います。
一行は、やがて、一軒のカフェの中へ。
そこでは、一杯のコーヒーで粘りながら、
小説を書いている芥川龍之介(鳳月杏
さん)の姿があります。


芥川龍之介が書いていたのは「地獄変」。
次の場面では、この「地獄変」の話が舞
台上で再現されます。


大殿(蓮つかささん)から地獄絵図の制
作を命じられた絵師の良秀が燃え盛る牛
車の中で悶える女の姿を「地獄」を実際
に見ないと、「地獄」の絵が描けないと
言う絵師の良秀。
それを承諾した大殿(蓮つかささん)は、
良秀の娘(天紫珠李さん)を牛車に乗せ、
牛車に火を放ちます。


舞台では、炎は赤い布で表されているい
るのですが、原作とは違い、炎に包まれ
ているのは、良秀と良秀と名付け
られた猿で良秀芥川龍之介がその様子
を食い入るように見つめています。
そして、描き書きあがった絵図小説「地
獄変」。
芸術家の「狂気」というものを表してい
る場面です。


さて、さらに時代は昭和に変わって、戦
争が終わり、一面、空襲で焼け野原とな
った東京。


「りんごの唄」が流れる中、それでも、
人々は必死に生きようとしています。


東京の「闇市」には、人が溢れ活気に満
ちています。
その中には、あの骨董屋の姿があり、万
華鏡も見えます。
「闇市」を仕切るドン(月城かなとさん)
が登場し、「明るい諦念のブルース」を
歌います。
ちょっと、月城さんの衣装が凄い。


そこへ取り締まりの警官達がやってきて、
人々を取り締まり始めます。
ところが、ドンが一人の警官(風間柚乃
さん)と仲良く歌い出します。ドンとそ
の警官は戦友で賄賂で取り締まりを目こ
ぼしされているのです。
二人で「大砲の歌」(三文オペラより)
を歌います。


そこへ、一人の娼婦(海乃美月さん)
が現れます。一瞬、目の合う二人。
そして、米兵と一緒に立ち去っていく娼
婦。
二人の邂逅は、束の間でした。


さらに、時代は下って、昭和の後期から
平成初期。
ここから、万華鏡はどこへ行ったになり
ますが、「DOWNTOWN」、「Fantasy」
「サファリ・ナイト」と歌い継がれて、
最後は、全員による総踊りになり、客席
降りもあります。
ようやく、何か、レビューらしくなりま
す。衣装も華やかです。


客席降りで、私の前の通路に来たのは、
夢奈瑠音さんでした。
やや、後方の通路寄りがベストな感じで
すね。
目は合ったかな?


その後、ロケットになり、センターは、
天紫珠李さん。


ロケットが終わると、平成から令和へ。
時間旅行もようやく終わりを告げます。


「STAY TUNE」を若手男役メンバーで
歌い、踊ります。


ここで、万華鏡の付喪神が再登場し、場
面は、満員電車の様子が描かれた後、渋
谷スクランブル交差点。
最近、行ってないですが、コロナ渦前の
状態に戻っているんでしょうね。
そもそも、渋谷駅から東急シアターオー
ブに直行するので、スクランブル交差点
は、通らないですね。


で、私と同様に、スクランブル交差点を
見下ろしているのは、渋谷のカラス(だ
ったんですね。1回目観た時には、何だ、
アレ状態でした。また、死神?ですね)。


で、花火師は今度は渋谷のカラスに転生
します。
曲は、「Tokyo Rendez-Vous」「a ray of
light」(?)です。(後ろがよく分から
ない)
渋谷のカラスと人間の女では、交わらな
い「双曲線」。
女性(海乃美月さん)は、万華鏡を覗き
込んで、立ち去ります。


そして、フィナーレ。
ようやく、花火師と花魁が輪廻転生の末
に再会し、デュエット・ダンスを踊りま
す。
曲は、「目抜き通り」で、鳳月杏さんか
ら歌い始めます。


パレードのエトワールは、麗泉里さん。
大階段降りは、
彩みちる・彩海せら・天紫珠李

礼華はる

風間柚乃(肩羽根に雉羽根付き)

鳳月杏(黒の大羽根)

海乃美月(黒の大羽根)

月城かなと(白の大羽根・ナイアガラ)


だったと思います。


衣装も、後半は、濃いピンクや赤だった
り、花火もあったりで、月組にしては、
華やかなショーになりました。
(前回、海のブルー系だったので)