今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
凪七瑠海さん主演の雪組公演『39 Steps』
の原作をAmazonのKindleで購入(550円)
で購入して、読んでみました。
読むと言っても、斜め読みというよりも
飛ばし読みって感じですけど。
理由は、『39 Steps』って、原作でどう
いう形で出て来るのか知りたかったから
です。
雪組公演では、ミュージックホール「ア
リアドネ」で上演されるショーのタイト
ルでした。
雪組公演は、ヒッチコックの映画版『三
十九夜』よりも、原作に近い感じです。
ただ、ミュージックホール「アリアドネ」
は出てきませんし、もちろん、アリスも
出てきません。
ヒロイン登場がないという、そういう意
味では、ラブロマンス大好きな宝塚ファ
ンには受けないかも……。
物語は、リチャード・ハネイの一人称で
語られます。
南アフリカの鉱山技師で故郷のイギリス
へ帰ってきたところは同じです。
ただ、故郷はロンドンではなく、スコッ
トランドです。6歳でスコットランドを
あとにして以来、一度も帰国していませ
ん。
そんなハネイは、イギリスに憧れ、ロン
ドンへとやって来るのですが、期待は裏
切られ、退屈な毎日を過ごしていました。
そんな退屈な日々を変えてしまったのが、
スタッガーです。
ただ、あった途端に、いきなり背中のナ
イフで死体になる訳ではありません。
暫く、ハネイの部屋に滞在します。
その間にスカッダーは、彼が探り当てた
陰謀をハネイに話すのですが、ハネイは
余り興味を持ちません。
そして、数日後、ハネイが外出から自分
の部屋に戻ってみると、スカッダーは、
あおむけに大の字になっていて、長いナ
イフがその心臓をつらぬき、スカッダー
を床に串刺しになっているのを見つけま
す。
というような、始まり方をします。
それから、ハネイは殺人犯として警察か
ら、「黒い石」と呼ばれるスパイ組織か
ら「黒い手帳」を、という両方から追わ
れるという逃走劇が始まります。
そして、逃走する前に、刻み煙草の壺に
入っていたのが、スタッガーの持ってい
た「黒い手帳」で、スパイ組織が探して
いた物でした。
その「黒い手帳」に書かれていたのは、
「《三十九段》ー《私は数えてみた》ー
《満潮、午後十時十七分》」でした。
後は、もしかして、原作を読まれる方が
みえると、ネタバレになるので、書きま
せんが、一つだけ。
スパイ組織「黒い石」がその根城として
いた邸宅から脱出用に用意していたヨッ
トの名前が、「アリアドネ号」です。
原作を読んでみると、演出の田渕大輔氏
が、原作の骨子を用いながらも、いかに
宝塚ファン好みのストーリーに原作を改
変していたかが、よく分かります。
冒頭部分以外は、ほとんど、原作の面影
なしですからね。