妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

話が暗過ぎる?星組バウホール公演 『My Last Joke』。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


これは、気分が落ち込むでしょう。
ちょっと話が暗過ぎます。


ライブ配信は、ちょうど、『ミーマイ』
の間に挟まっていたから良かったですが、
この作品を今の時期に観ると滅入ってし
まいそうです。


主人公のエドガー・アラン・ポーが愛す
る人を3人も喪いながらも、詩を書き続け
るというお話です。


とりあえず、いつも通り、公演プログラ
ムからストーリーです。
==================
 19世紀前半、誕生してからまだ半世紀
余りのアメリカ合衆国では、出版・編集
業が盛んになり、あらゆる都市で新聞が
発行される。政治・芸術・ゴシップ……
派手な見出しを打った新聞は、最先端の
情報ツールとして大衆の心を掴んでいた
ー。


 学生時代に文才を認められたエドガー
は、叔母の家に身を寄せ、作家として売
れると信じて短編や詩の創作を行ってい
た。若い頃に実の両親を失い、さらには
大事に育ててくれた義母までも亡くした
エドガーは常に孤独感に苛まれながら、
嫌だったこと、悲しかったこと、嬉しか
ったこと、そして寂しかったこと……心
に灯る言葉を書き連ねた。全ての思い出
を忘れないように。


 エドガーの寂しさを埋めたのは、叔母
の娘ヴァージニアだった。彼にとって歳
の離れたいとこは、初めは妹のような存
在だったが、閉ざした心の扉を無邪気に
開けて入ってくるヴァージニアを、エド
ガーはいつしか心の拠り所としていく。


 やがて、短編「壜の中の手記」が懸賞
広告で入賞したことをきっかけに、エド
ガーは編集者としての一歩を踏み出すこ
ととなった。世間では出版業の発展に追
いつくためにも、作家ではなく、批評を
書く編集者が多く求められていたのだ。


 編集者として忙しいながらに創作を続
けていたある日、親族からヴァージニア
を引き取りたいという手紙が届く。エド
ガーは突然の出来事に困惑すると同時に
ヴァージニアが自分の創作に欠かせない
存在であることを強く認識する。


 創作を続けていたエドガーが遂に脚光
を浴びる。イブニング・ミラー誌で発表
した新作「大鴉」が、瞬く間に人々の心
を捉えたのだ。そして、数多の詩や短編
小説が新聞に掲載されることに、エドガ
ーはその名を轟かせていく。しかし、そ
の成功の裏で、妻ヴァージニアの命が病
によって奪われようとしていた……。


 再び、ひとり、孤独になる恐怖の中で、
エドガー・アラン・ポーが書き残したか
ったものとはー。
==================
この作品は、推理小説の元祖とも言うべ
き『モルグ街の殺人事件』や『黒猫』、
『黄金虫』などの短編小説、この作品に
も出て来る『大鴉』などの詩を書いたこ
とで有名なエドガー・アラン・ポーの生
涯をやや虚構も混じえて作られた作品で
す。


エドガー・アラン・ポーの作品は読んだ
ことはなくても、『ポーの一族』は宝塚
でも上演された作品なので、名前は良く
ご存知だろうと思います。


エドガーとヴァージニアが結婚したのは、
エドガーが26歳、ヴァージニアが何と13
歳の時で、ヴァージニアの年齢を誤魔化
して結婚しています。


そう聞くと、詩ちづるさんのあの演技も
より納得できるのではないでしょうか。


エドガー役の天飛華音さんの演技も素晴
らしくて、星組の今の人材の層の厚さが
感じられて、羨ましい限りです。(←ど
こから目線?)


また、碧海さりおさんの演じる編集者の
グリスウォルドもいかにも憎々しげで、
敵役として、いい演技をしていました。


そして、稀惺かずとさん。出番は多くは
なかったけれど、目立っていましたね。


作品に対するコメントは、全部、歌劇11
月号のてい談に書いてあるので、素晴ら
しいけど、滅茶苦茶暗い作品だというく
らいしかないです。


ヴァージニアが貧困生活の中で結核を病
んで亡くなったのは27歳の時。エドガー
は、その2年後に死んでいます。


作品にも出て来るように、ヴァージニア
がエドガーの作品に与えた影響は、大き
かったのでしょう。