妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

『今夜、ロマンス劇場で』は、映画へのオマージュとパロディが満載!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


間もなく大劇場千秋楽を無事迎えることが出来そうな
月組公演『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』。


ところで、『今夜、ロマンス劇場で』は、牧野健司役
を坂口健太郎さん、美雪役を綾瀬はるかさん、武内英
樹監督で制作され、2018年に公開された映画が原作。
(公演プログラムにそう書いてあります)


インターネットで調べると、この映画版『今夜、ロマ
ンス劇場で』は、公開時に、パクリ疑惑が話題になっ
たそうです。
パクリと言われたのは、ウディ・アレン監督の『カイ
ロの紫のバラ』の冒頭部分。


「妻のセシリアは無職の夫との生活にうんざりしてい
ました。モノクロの劇中映画「カイロの紫のバラ」を
楽しみに映画館に通っていました。「カイロの紫のバ
ラ」の5回目の鑑賞中、お気に入りのトム・バクスター
がセシリアにスクリーンの中から話かけきたかと思うと、
スクリーンから飛び出し、その上、セシリアを連れて映
画館を脱出してしまいます。」という話。


男女を逆にすれば、『今夜、ロマンス劇場で』と設定が
似ていることや、劇中映画がどちらもモノクロでカラー
の現実世界に飛び出してくるというシーンがパクリと言
われたようです。


しかし、映画「今夜、ロマンス劇場で」の公式サイトに
「パスター・キートン監督の「探偵学入門」や、そこか
らさらにインスパイアされたウディ・アレンの「カイロ
の紫のバラ」など名作の型をヒントに、白黒の古い映画、
忘れ去られた映画からお姫様が飛び出してくるラブストー
リーの軸が出来上がった」と書かれていて、パクリでは
なく、ヒントになった映画へのオマージュといった方が
いいようです。


ところで、映画版の方は観ていないので分からないのです
が、月組公演の『今夜、ロマンス劇場で』には、このよう
な過去の映画や映画関係者などに関するオマージュやパロ
ディが満載のようです。


牧野健司が観る『お転婆姫と三獣士』の「三獣士」は、ア
レクサンドル・デュマ原作の「三銃士」が元です。


そして、このような3人(3匹?)をお供にする作品は「桃
太郎」「西遊記」など数多ありますが、映画では『オズの
魔法使』が挙げられるでしょう。
オズの魔法使いに会いに行く途中で主人公のドロシーは、
知恵がない案山子、心を持たないブリキ男、臆病なライオ
ンの3者と出会い、彼らと旅をともにします。
また、『オズの魔法使』では、現実世界の方がモノクロで、
オズの国がカラーで描かれています。


また、ガラス越しのキスシーンは、1950年公開の『また逢う
日まで』。
ほかには、『ニュー・シネマ・パラダイス』『ローマの休日』、
日活のガイシリーズなどを映画製作のヒントにしたようです。


『ローマの休日』は、健司の部屋の壁に『ローマの祝日』とい
う映画のポスターが貼ってありました。ほかにもいろいろポス
ターが貼ってありましたが、双眼鏡で確認できたのは『甘い日
々』『ネオ・ブラボー』。


また、映画会社の「京映」は、「東映」か「大映」ですが、ロゴ
マークからすると「大映」でしょう。


ロマンス劇場で上映中の映画は、『マイ・ディア・レディ』で
『マイ・フェア・レディ』のパロディ。その上の『花と嵐とナイ
スガイ』は、『花と嵐とギャング』という映画があります。


登場人物の名前にも、いろいろとパロディーがありそうです。
例えば、妖怪の歌姫役を演じる女優の名前が「淡路千景」ですが、
宝塚歌劇団出身の淡島千景さんだろうと思われます。


なお、暁千星さんが演じる「大蛇丸」は『NARUTO』ではありま
せん。その元になった、『自雷也』に出てくる主人公自雷也の宿
敵の大蛇丸です。


というようなことで、『今夜、ロマンス劇場で』は元の映画が、
他の映画へのオマージュ、パロディだったものを、さらに小柳
奈穂子先生が宝塚の舞台化にあたって、パロディを追加したのだ
ろうと思われます。


他にどんなパロディがあるのか、探してみるのもこの作品の楽し
み方の一つでしょう。


感動するだけではもったいない!!