妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

天海祐希さん主演の舞台『レイディマクベス』を観た!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、天海祐希さん、『雨に唄えば』
のアダム・クーパーさん主演の『レイデ
ィマクベス』を観に、京都劇場へ行って
きました。


京都劇場は、久し振り。劇団四季の作品
を観て以来かな?


京都は、平日にも拘わらず、行楽シーズ
ンとあって、大変な混雑で、お土産を買
うのにも長蛇の列。


駅構内には、臨時の荷物預かり所が出来
ていました。


京都劇場の席は、コンビニでチケットを
発券してガッカリしたのですが、S席に
も関わらず、2階2Ⅰ列4番。


京都劇場の座席表で見ると後ろから2列目
の左端。


しかも、行ってみると最後列の後ろに立
見席までありました。


多分、天海祐希さん人気だったのでしょ
うね。まさか、アダム・クーパーさん人
気ではないと思いますが……。


双眼鏡で覗いても、舞台上の人物の顔が
豆粒どころか小豆粒か米粒程度。


やっと、誰かが分かる程度に舞台が遠か
ったです。
これで、チケット代が13,800円は、高い
と思うのですが。


さて、公演プログラムからあらすじです。
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 戦時下が続くとある国。
 レイディマクベスは元軍人。マクベス
とは、ともに国を守るために闘う同志。
彼らは戦場で知り合い、恋に落ちた。
 二人は結婚、娘を授かる。彼女は出産
後、再び戦場復帰をするつもりでいたが、
難産のため、肉体は衰弱、療養に時を費
やさねばならなかった。時を経て回復し
たものの、出産前と同じ状態を手にする
ことはなく、軍人である夫マクベスを支
えることに専念する。


 あれから16年。


 戦いは相変わらず終わりを迎える様子
もなく、夫マクベスは戦場で次々と勝利
を収め、国王ダンカンの右腕として国を
導く存在となる。
 彼女には忘れられない若き日に描いた
夢があった。「夫と共に国を治める」と
いうこと。そんな時、子供を持たなかっ
た国王ダンカンが血縁者以外から後継者
を選ぶと宣言、そのニュースはたちまち
国中に広がる。
 誰もが次期後継者はマクベスであると
確信、レディの周囲もざわつき始める。
同郷出身で彼女の幼馴染のバンクォーは
自身が思い描く改革を実現するために、
そしてダンカンの従姉妹であるマクダフ
はその特権階級ゆえの「理想」を語り、
レイディを鼓舞する。
 しかし、実はマクベスは長きにわたる
殺戮に耐えられなくなったのか、妻の野
望に対してのプレッシャーのためなのか、
もはや国を統治する精神状態ではなくな
っていたのだった。
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確かに、「国王殺し」という点では、シ
ェイクスピアの『マクベス』ですが、核
兵器を持っていたり、飛行機や銃もあっ
て、時代も場所も不明な仮想の国の物語。


また、原作ではマクベスが主人公である
のに対して、ただ、「レイディマクベス
(マクベス夫人)」とだけで、名前の出
て来ないレイディマクベスを主人公にし
ました。


公演プログラムの解説を読むと、
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(略)
企画成立までの道のりの中では、国連サ
ミットでSDGsが採択されたりLGBTQや
男女雇用の均等性について論じられたり、
パワハラやセクハラに対しても公に声を
あげて話されるようになってきた。2016
年、これまでクリントン夫人として名を
馳せてきた彼女が、ヒラリーという名を
全面に打ち出して大統領に立候補した。
2008年にも党の代表に名乗る、という動
きがあったわけで、いかに彼女が夫であ
るビル・クリントンの大統領時代から長
きに渡って、「自分もいつか大統領に」
と思っていたのかも、と想像を巡らせた。
(略)
この二人は夫婦である以前に、そもそも
ともに闘う「同志」である姿がみえてき
た。夫婦であるとともに、同じ夢を果た
そうとする「同志」。そんな姿をマクベ
スとレイディ・マクベスに重ねてみる。
(略)
人類はあらたな課題を与えられてしまっ
た。全世界中の人々が同じ境遇に陥れら
れた目に見えない小さなコロナウィルス
という名の敵との闘い、そしてロシアの
ウクライナ侵攻。
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ということで、この作品は、シェイクス
ピアの『マクベス』をベースにしながら
も、いかにも現代的なテーマを中心に扱
っています。


この作品では、特に、第1部は、登場人
物はほとんど動くことがなく、互いの会
話だけで物語が進んでいきます。(もち
ろん、登場したり、退場したりはありま
すが)


ですから、上に書いた「あらすじ」も登
場人物の口から語られて、この国は隣国
と果てしのない戦争をやっていて、レイ
ディマクベスとマクベスは、その戦場で
知り合って、という場面がある訳ではな
く、会話の台詞でそうと分かる仕掛けに
なっています。


しかも、その台詞が、もの凄く早口で、
いかにもシェイクスピア劇らしく抽象的
なので、台詞の内容に追いついていくの
がやっとなくらい。


中でも、天海祐希さんは、主人公だけあ
って台詞の量も桁外れに多く、それを淀
みなく話すのには、さすがだな、と思い
ました。


さすがに、約1名、台詞を噛んでいまし
たが……。


一方の、アダム・クーパーさんは、第1幕
では、殆ど、台詞がありませんでしたが、
第2幕では、英語での台詞があって、で
きれば訳が欲しいところ。多少は聞き取
れましたが、少し、残念に思いました。


配役は、
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レイディマクベス:天海祐希さん
マクベス:アダム・クーパーさん
娘:吉川愛さん
マクダフ:鈴木保奈美さん
バンクォー:要潤さん
レノックス:宮下今日子さん
ダンカン:栗原英雄さん
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の7名です。


現代社会の、また、全世界が今抱える様
々な問題を描きながらも、原作の持つ人
間の普遍的なテーマをも提示する。
そんな作品だと思いました。


「本当に欲しいものはなんですか?」


レイディマクベスが本当に欲したものは
何だったのでしょうか?