妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

「新理事長」と「雪組」大激論の中身とは……ー週刊新潮

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、今週の週刊新潮の記事からです。
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(略)
 今月14日の記者会見で劇団は、遺族側
が主張するいじめやパワハラについて、
<ヘアアイロンをあてたのは故意ではな
かった>
<いじめやハラスメントは確認できなか
った>
 と、外部弁護士9名による調査結果を淡
々と列挙し、さらに遺族側が寄せた反論
に対しても、
<証拠となるものをお見せ頂けるよう提
案したい>
 辞任する木場健之理事長に代わって12
月1日から劇団トップに就く村上浩爾専務
理事は、そう言い放ったのである。


 が、こうした会見もまた”お芝居”だった
というほかない。さる宝塚関係者が明かす。
「会見から3日後の17日、中止となってい
た大劇場での雪組公演が12月1日から実施
されるとの発表がありましたが、その前日
16日には雪組生が集まり、村上新理事長や
組プロデューサーとの話し合いの場が設け
られました」


 そこでは、
「男役トップの彩風咲奈(93期)が、
『このままではお客様の前に立てません』
と切り出し、あわせて“指導”と称した従
来のパワハラ的慣習を廃止するよう求め
たのです」


 男役二番手の朝美絢(95期)もこれに
呼応し、他の生徒たちも「(〇〇さんの)
ご遺族に誠意を示してほしい」などと口
々に訴えたというのだが、
「村上新理事長ら幹部は、『法的にはパ
ワハラに該当しませんが、いじめはあっ
たのでしょう。一昨日の会見では言いま
せんでしたけど』と口を開いたのです」


 俄かに信じ難い発言であり、その理由
については、
「『皆さんは歌劇団にいる限り、誰もが
被害者であり、また加害者にもなり得る』
とのことで、『今回の件を認めれば、こ
れまで起きていた全てを認めることにな
る。宙組の上級生だけでなく、生徒全員
を守るための判断だった』というのです」


 この日、数時間に及んだ話し合いの終
盤では、
「村上さんは『それでは皆さん、12月の
公演から頑張ってください!』と、何事
もなかったかのように呼びかけ、唖然と
する生徒たちも多かったといいます」


 トップスター以下、組を挙げて叫んだ
切なる思いも、これでは聞き届けられそ
うにない。
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村上新理事長の発言には、問題点が2つ
あります。


第一に、「法的にはパワハラに該当しま
せんが」と言っていますが、これは、ど
の法律のことを言っているのでしょうか?


「労働安全衛生法」のことを言っている
のだとすれば、劇団と亡くなった劇団生
との間の契約は、実質的に「雇用契約」
です。


したがって、「労働安全衛生法」の適用
があります。


「労働安全衛生法」には、企業が労働者
に対する「安全配慮義務」を定めていて
「パワハラ対策」もその中に入ります。


また、上級生から下級生のように、優越
的な関係における「いじめ」を「パワハ
ラ」と呼ぶのです。


「いじめ」はあったが、「パワハラ」で
はない、ということにはならないのです。


第二に、「誰もが被害者であり、また加
害者にもなり得る」と言っていますが、
今回、遺族側が謝罪を求めているのは、
亡くなった劇団生に直接「パワハラ」を
行った上級生に対してだけです。


「生徒全員を守るための判断」ではなく、
自分を守るための判断だったのでしょう。


宝塚歌劇団は、阪急阪神ホールディング
スの100%子会社である阪急電鉄の一部門
です。


その宝塚歌劇団が不祥事を起こしたとす
れば、その責任は、阪急阪神ホールディ
ングスの全役員が負うことになります。


村上氏のような人物を新理事長にしては、
非常にマズいと思うんですけどね。