妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

これは素晴らしい!!望海風斗さん出演の傑作ミュージカル『INTO THE WOODS』!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、ミュージカル『INTO THE WOODS』を観に、日生劇場へ
行ってきました。


公演解説、ストーリー、キャストについては、「今週の観劇予定」に
掲載したものを最後に再度、載せておきました。


で、観劇のコメントです。


このミュージカルのメインの部分は、第2幕にあると思います。
もちろん、第1幕があっての第2幕です。
ただ、第2幕の内容についてコメントすると完全にネタバレになります。
したがって、第2幕の内容にはできるだけ触れずに、コメントしたい
と思います。


第1幕は完全にコメディ。第2幕はコメディ要素は残りますが、一転
してシリアスになります。


この作品のテーマについて、梅田芸術劇場のHPに載っているイントロ
ダクションを引用しておきます。


イントロダクション


童話に新しい解釈を与え、大人向けファンタジーとして創り上げたミュージ
カル『INTO THE WOODS』。
登場するのは、魔女に呪いをかけられたパン屋の夫婦と、赤ずきん、シンデレ
ラ、ジャックと豆の木のジャック、ラプンツェルなど、おとぎ話の主人公たち。
それぞれの物語が交錯し、「森」の中で新しいストーリーが展開されます。
人は、自分のために、家族のために、友人のため努力し必死に生きていますが、
どこかで知らない誰かの人生が、その犠牲になっています。お互いの犠牲なく
して人間の世の中は成り立ちません。
本作には、誰もが良く知るおとぎ話の主人公たちが登場しますが、彼らの成功
人生さえ、やはり誰かの犠牲の上に成り立っており、彼らの人生にも、当然その
ような人間の世の中の現実や、業が存在しています。
劇中では、主人公たちの「I Wish(願い)」をのせた言葉がめまぐるしく繰り出
され、家族の絆や社会の矛盾といった様々なテーマを織り込みながら、人間が本
質的、普遍的に持つ「人間の豪」を描きます。


コメントに戻ります。


第1幕にもその予兆はありますが、第2幕でイントロダクションにある
「人間の業」が明確に描き出されます。


そもそも登場人物がすべて、おとぎ話のようなまともな人物ではありません。


まず、一番は望海風斗さんが演じる魔女です。頭髪は逆立っていて
顔には右半分に仮面をつけています。お分かりでしょうか?
そう、望海風斗さんが宝塚時代に演じた『ファントム』のエリック
です。したがって、魔女は「顔が醜い」という設定です。
なぜか、関西弁でしゃべります。
魔女は、この作品オリジナルの登場人物でもあり、「ラプンツェル」
の魔女でもあります。
この魔女を演じる望海風斗さんの第1幕の演技が爆笑ものです。
ちょっと、宝塚男役の時のイメージが壊れそうです。
ただ、歌の部分はやはり素晴らしい歌唱力です。


歌が素晴らしいのは、ラプンツェルを演じているオペラ歌手の鈴木玲奈
さんも負けていません。その高音域の歌声には魅了されます。
ただ、ラプンツェルも王子との間に生まれた双子をベビーカーに
乗せながら、お酒を瓶からラッパ飲みをしています。ちょっと壊れてしま
っています。


主人公は、パン屋の夫婦のうちの夫の方です。ですが、この人物も
優柔不断の塊のような人間で、赤ちゃんとジャックが巨人から盗ん
だ鶏が産んだ金の卵を秤にかけて思い悩んでいます。


この夫の不甲斐なさに勝気なパン屋の妻は、魔女から告げられた
4つのアイテムを探しに森の中へ入っていきます。
森の中で出会ったのは、「シンデレラ」のチャーミング王子。
チャーミング王子からキスを迫られ、これに応じてしまいます。
パン屋の夫か王子様か、これも秤にかけて思い悩みます。


そのチャーミング王子。漢字の読み方を間違えてばかりいて、
その都度、弟の王子に指摘されています。
パン屋の妻にキスしたことがシンデレラにばれても、開き直って、
チャーミングであれと育てられたけど、誠実であれとは言われて
いないと抗弁します。


物語の冒頭に登場するのは、謎の男(ナレーター)で、童話の本を
手にして「昔むかし、はるか遠い王国でのお話です。」と語り始め
ます。この謎の男、実はパン屋の夫の父親。
パン屋の夫婦に子供ができないのは、パン屋の隣に住む魔女とこの
父親とのいざこざが原因。
父親は魔女から魔法の豆を6個盗んでいて(他にも悪事を働いていま
すが)、その豆を息子であるパン屋の夫に渡します。


パン屋の夫婦はその豆とジャックの連れている「ミルクのように白い
牛」との交換を持ち掛けます。
ジャックは、少々頭が弱い設定。パン屋の夫婦の持っていた魔法の豆
5個と牛を交換します。ところで、パン屋の夫婦が持っていた豆は
6個のはず。パン屋の夫婦の手元に残された1個の豆が後でとんでもな
い出来事を引き起こします。


そのとんでもない出来事が、第2幕で登場する巨人。麻実れいさんが
声だけの出演ですが、さすが、麻実れいさん。迫力があります。


そして、赤ずきん。童話に出てくるような無邪気な子供ではありません。
おばあさんと一緒に狼に吞み込まれてしまいますが、パン屋の夫に助け
出されます。その狼の皮を使って黒の革ジャンに仕立て上げます。


次は、シンデレラ。継母と継姉にいじめられながらも、王国のフェスティ
バルへの出席をしたたかに計画しています。古川琴音さんの歌の場面が
多いのですが、ソンドハイムの難曲を歌いこなしています。


第1幕では、それぞれのおとぎ話の主人公たちが成功し、ハッピーエンド
に。集合写真を撮ったりして終わります。


しかし、第2幕がまだ残っています。このまま終わるはずがありません。
さて、第2幕ではどのような展開が主人公たちを待ち受けているのでしょ
うか?


というようなことで、本来なら主役格の湖月わたるさんや朝海ひかるさん
が脇役に回るなど、豪華キャストが集結。
そして、その豪華キャストで演出した熊林弘高さん。見事な作品に仕上げ
ました。
私が今回観たのは、まだプレビュー公演ですが、もうかなり完成度が高い
ように思います。
面白いです。ただ面白いだけでなく、この作品の重いテーマに深く考えさ
せられます。


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公演解説は、以下のとおりです。


生ける伝説スティーヴン・ソンドハイム作曲の音楽が、物語の独特の世界観
を彩る名作ミュージカル!


原作は、スティーヴン・ソンドハイムが作曲・作詞を手掛け、ジェームズ・
ラパイン脚本による1987 年初演の同名ブロードウェイミュージカルで、88 年
のトニー賞では、ミュージカル脚本賞、オリジナル楽曲賞、ミュージカル主演
女優賞の3部門を受賞。2002 年にはリバイバル作品賞を受賞するなど輝かしい
受賞歴を誇り、これまでに世界各国で上演され続けている。



日本でも、これまでに複数の演出家によって舞台化され、上演されている本作。
あの童話の登場人物たちが、同時に存在する世界。
物語が思わぬ形で交錯し、観る者の心に様々なメッセージを問いかけるー



ストーリーは、以下のとおりです。


ミュージカル『INTO THE WOODS』は、タイトルの通り‟森“を舞台に、『赤ずき
ん』『シンデレラ』『ジャックと豆の木』『塔の上のラプンツェル』、誰もが
知る童話の登場人物たちが同時に存在する世界で、それぞれの有名なおとぎ話を
なぞりながら、物語が交錯。長年子供を授からないパン屋の夫婦は、その理由が
魔女の呪いのせいだと知る。魔女から、呪いを解くために必要な、おとぎ話の
主人公たちが持つ4つのアイテム、‟ミルクのように白い牝牛“(ジャックと豆の
木)、”血のように赤い頭巾”(赤ずきん)、”トウモロコシのように黄色い髪“(塔の
上のラプンツェル)、”黄金に輝く靴”(シンデレラ)を持ち帰るよう告げられ
る。2 人は子どもを授かりたい一心で、森の奥深くへ足を踏み入れるがー。
望みを叶えるために、困難に立ち向かいながら進んでいく物語の根底には、
誰もが知る“おとぎ話”からはかけ離れた、人間の本質を炙り出すような深淵なテ
ーマが様々な角度から描かれている。


出演者は、以下のとおりです。


それぞれのフィールドを舞台に第一線で活躍する出演者が、異色キャスティング
で豪華集結!


本作に出演する注目のキャストは、「赤ずきん」より赤ずきん役を、舞台でキャ
リアをスタートさせ確かな演技力の羽野晶紀。


「シンデレラ」のシンデレラ役を、ドラマ「コントが始まる」など映像を中心に
話題作での演技が記憶に新しい古川琴音がミュージカル初挑戦。継母を、元宝塚
歌劇団娘役で独特の存在感を放つ毬谷友子。義理の姉の一人を、元宝塚歌劇星組
トップで舞台を中心に幅広い活躍を続ける湖月わたる。もう一人の義理の姉を、
同じく元宝塚歌劇雪組トップで、ストレートプレイでの演技が印象深い朝海ひか
る。王子役を、華やかな存在感に歌唱力を兼ね備える廣瀬友祐。執事役を、数多
くの舞台に出演する大ベテランの花王おさむが務める。


「ジャックと豆の木」のジャック役を、テレビドラマ、映画、舞台と様々なフィ
ールドでの好演が印象深い福士誠治、母親役を、その演技力で長年にわたり舞
台、映像で幅広い役柄を演じるあめくみちこが演じる。


「塔の上のラプンツェル」からラプンツェル役は、オペラ界の実力派新星
鈴木玲奈。そして、ナレーター・謎の男を、多くの舞台で重要な役どころを
演じる福井貴一。パン屋の夫を、黒猫チェルシーのボーカルとしてデビュー
し、俳優としても映像で大活躍の渡辺大知。その妻を、主演映画で海外映画祭
の最優秀女優賞を受賞した瀧内公美がミュージカル初出演。魔女役を、今年
宝塚歌劇団を退団した元雪組トップで、抜群の歌唱力を誇る望海風斗が退団後
初ミュージカル。巨人を、様々な役を巧みに演じ分ける高い演技力の麻実れい
が声の出演を務めるなど、舞台のみならず、音楽や映像等それぞれのフィールド
でも活躍する豪華キャストが集結し、『INTO THE WOODS』の世界をお届け
する。