妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

常識からかけ離れた宝塚歌劇団の「危機対応」の重いツケーPRESIDENT

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


PRESIDENT Onlineに掲載されたジャー
ナリストの前原進之介氏の記事です。


さすがに、PRESIDENTに掲載されるだ
けあって、内容がしっかりしています。


その中から、他のメディアでも報道され
ている部分を除いて、一部を紹介します。
(小見出しだけ載せておきます)
==================
下級生を死に追いやった上級生に「悪意
はなかった」…常識からかけ離れた宝塚
歌劇団の「危機対応」の重いツケ
==================
■宝塚歌劇団と遺族が和解で合意
(略)
■会見場にいなかった「重要人物」
(略)
■パワハラに関与した6人は文書で謝罪
(略)
■宝塚歌劇団にすべての責任を押し付け
  た


 嶋田社長は、今回の問題が起きた背景
について「劇団経営陣の怠慢、具体的に
は現場における活動への無理解や無配慮
等によって、長年にわたり劇団員にさま
ざまな負担を強いるような運営を続けて
きたことが引き起こしたことであり、そ
して、これらのすべての原因が劇団にあ
り、安全配慮義務違反があった」と認め
たが、上級生の劇団員には「悪意はなく」
問題がなかったと、パワハラを行った上
級生の責任追及をしないと明言している。


 嶋田社長は「関係者にヒアリングを行
い、詳細を確認して参りました。その過
程において、例えば、厳しい叱責が仮に
悪意がなかったとしても、ハラスメント
にあたることもあるという気付き、その
ものが劇団員にもなく、そして、われわ
れが何よりも、それを教えてもいなかっ
たことを改めて認識した次第でございま
す。時代に合わせて変えてこなかったの
は劇団でありまして、その責任は極めて
重いと考えています」と、宝塚歌劇団に
すべての責任を押し付けた。


 今回の合意にあたって、「経営責任を
どう取るのか」という質問に対しては、
昨年11月に角会長、嶋田社長を減給処分
にしたので、嶋田社長は「今回は、何の
処分もしない」と平然と答えている。


■歌劇団トップも何も責任を取っていな
  い

 火傷を負わせた「ヘアアイロン問題」で、
次のように語っていた村上氏は、専務理
事から、その後、宝塚歌劇団トップの理
事長になっており、何ら責任を取ってい
ない。


 「ヘアアイロンの件につきましては、
そのように(遺族側、遺族側弁護士が)おっ
しゃっているのであれば、証拠となるも
のをお見せいただけるようにお願いした
い」


 昨年11月に、宝塚歌劇団側の弁護士に
よる「お手盛り」の調査報告書が提出さ
れ、その後も、いじめ、パワハラを認め
なかったために、合意までに5カ月もか
かった。昨年10月に、今回のような会見
を開き、現実を素直に直視し、問題の責
任を認めていたら、解決までにこれほど
の時間は要しなかったのではないか。


■31億円の損失はだれの責任なのか
(略)


問題は「グループの構造の中で発生し
  ている」

(略)


■芸術部門の働き方改革が急務に
(略)
■「ブラック企業のやり方そのもの」
(略)
■関西が誇るブランドが崩壊しつつある
(略)


(略)

 「遺族との合意をしたのだから」と、
宝塚歌劇団は公演の再開に舵を切ろうと
している。経営陣も、加害者の上級生も
責任を取らないで、これで、歩を進めて
いいのだろうか。


 いじめに関与した事実が判明しても、
スターたちに、早く宙組の舞台に立って
ほしいと願っているファンがいるかもし
れない。しかし、責任も取らないで、厚
顔無恥のまま舞台に立っても、自らのお
金と人生を注ぎ込んできた熱狂的なファ
ンは喜ぶが、新しいファンの獲得には寄
与しない。白けるだけだろう。
(略)
■「私たちはそんな娘を誇りに思っていま
   す」

(略)
==================
今回紹介した部分に今回の事件の本質が
表れていると思います。


劇団員が1人自殺していながら、結局、
誰も責任を取っていないのです。


宙組上級生に「悪意はなかった」と言っ
て処分せず、それでは、宝塚歌劇団に責
任があって、誰か処分されたかというと、
記者会見で失言した村上氏が新理事長に
なって、そのままの地位にあります。


宝塚歌劇団が責任を取らないのなら、そ
の上の阪急阪神ホールディングスの角会
長や阪急電鉄の嶋田社長が何らかの責任
を取ったか、というと、高給取りの彼ら
の報酬の一部を「自主返納」しただけで
す。


結局、会社幹部も劇団幹部もパワハラ上
級生も、誰も責任を取らなかった、処分
されなかったというのが、今回の最大の
問題点だろうと思います。


宙組上級生を擁護される方もみえるよう
ですが、この問題点をよく理解した上で
の擁護でしょうか?


それでは、会社幹部や歌劇団幹部のやっ
ている責任逃れに、上手いこと、ハメら
れているだけではないでしょうか?