妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

星組公演『ディミトリ』登場人物別感想①(ディミトリ①)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回からシリーズで、星組公演『ディミ
トリ~曙光に散る、紫の花~』の登場人
物別感想を書きます。


雪組公演『蒼穹の昴』と同じように、キ
ャスト別感想を書こうと思ったのですが、
礼真琴さんのディミトリについて書き始
めたら、礼真琴さんを褒めちぎるみたい
な内容になってしまって、書き直すこと
にしました。
したがって、キャスト別感想ではなく、
登場人物の紹介とその人物別の感想がメ
インの記事になりますのでご容赦くださ
い。
なお、完全にネタバレしてます。


まず、礼真琴さんの演じるディミトリに
ついてです。
公演プログラムには、ルーム・セルジュ
ークの第4王子と書かれていますが、正
しくは、ルーム・セルジュークの王族で
あるエルズルム公(大輝真琴)の第4王
子です。
ということは、ディミトリの上に3人王
子がいるということで、なんとなく、ル
ーム・セルジュークで必要ないから人質
に出されたというような感じがします。


一方で、元敵国の王子でしかも改宗した
とはいえ、異教徒であったディミトリに
対するジョージア王国の王宮内での視線
は冷たく、居場所のないディミトリは、
いつも庭園のリラの木陰に隠れています。


ただ、ギオルギ王(綺城ひか理)とその
妹のルスダン王女(舞空瞳) だけは違っ
て、ディミトリとも親しく接します。


ただ、ルスダン王女はいずれ他国へ嫁ぐ
身。ギオルギ王はそう言って、ディミト
リに釘を刺します。


冒頭のよく分からない場面に続いて、紫
の花咲くリラの木の下、リラの花の精の
踊る中、スポットライトを浴びてディミ
トリが登場します。
ジョージアの衣装を着て、リラの木の下
に佇む礼真琴さんの凛々しさ、美しさに
は思わず息を呑みます。


Wikiには、“Ghias ad-din(Dimitri) is re
ported by the Georgian annals to have b
een a handsome and physically strong m
an.”(( )内筆者追記)と書かれてい
て、ディミトリは美男子で、しかも屈強
であったらしく、礼真琴さんが演じるに
はピッタリの役でしょう。
なお、handsomeは日本では死語で、今
ならイケメンでしょうか。


時は13世紀。隆盛を極めたジョージア王
国。その王都トビリシは、人質であると
は言え、ディミトリにとっては、幼馴染
の王女ルスダンもいて、少年時代から長
く馴染んだ場所。
祖国ルーム・セルジュークにいるよりは、
幸せで、平穏な日々を過ごしていたので
しょう。


しかし、その平穏な日々が東方からやっ
てきたモンゴルの軍勢によって打ち破ら
れます。


モンゴル軍を倒すため、ギオルギ王自ら
軍勢を率いて進軍します。
ギオルギ王の供をすることになったディ
ミトリは、副宰相であるアヴァク・ザカ
リアン( 暁千星)から、王の右目は視力
を喪っているので、ディミトリが王の右
目となるよう命令します。


で、私が思うには、そんなに気になるの
なら副宰相であるお前も一緒に王の傍に
いてお前がやれよな、ですね。私がディ
ミトリならそう言いたいのですが、素直
なディミトリは副宰相の命令に従ってし
まいます。
大体、人質であるとはいえ、一国の王子
を相手に副宰相が命令するとは、何事ぞ、
ですよね。


で、この無茶振りの命令の前に、礼真琴
さんでさえも苦労したというジョージア
ダンスが踊られます。王も副宰相も踊っ
ています。(ジョージアダンスについて
は↓の記事をご参照)
星組生の見事なジョージアダンスに拍手
~!!


モンゴル軍との乱戦の中、モンゴル兵の
放った矢が胸に刺さって、ギオルギ王は
深手を負ってしまいます。


余命幾ばくもないと悟った王は、ディミ
トリと妹のルスダンを呼んで、ルスダン
が女王となって跡を継ぎ、ディミトリと
結婚するようにと言い遺します。


そして、執り行われる戴冠式と結婚式。
華やかな場面のはずなのに、なにか暗い。
廷臣達からこの即位と結婚が歓迎されて
いないことが、二人にも伝わってきます。


二人だけになった王宮内の私室で、ディ
ミトリは、ルスダンに愛していると、そ
して、何があろうとルスダンの味方であ
り続けると誓います。
ここだけなんですよね、この作品でロマ
ンティックな場面は。


一方、副宰相のアヴァク・ザカリアンは、
王の死にディミトリが関与したのではな
いかと疑念を持ちます。
だから~、お前が王と一緒にいれば良か
ったんだよ!!(暁千星さんが悪い訳で
はないです。そういう役なんで……。)


そして、ディミトリは王配(女王の配偶
者)であるにも関わらず、廷臣達から議
会への出席を拒まれます。


ディミトリは、王宮内で孤立している女
王ルスダンを、私的な相談相手として陰
から支えていこうと決意します。
頑張れ!!ディミトリ!!


そんな二人にも喜びが訪れます。王女の
誕生です。ルスダンの母親の女王と同じ
タマラと名付けられた王女(藍羽 ひより)
は、あっという間に大きくなってしまい
ます。


ちょっと余談ですが、このタマラ王女。
『斜陽の国のルスダン』の登場人物一覧
(同人誌の方に載っています)によると、
「ルスダンの娘。長じて後、<崇高なま
での美貌>の持ち主としてルーム・セル
ジュークの帝王に嫁ぎ、<ジョージアの
貴婦人>として知られるようになる」と
書かれています。
やはり、ディミトリとルスダンの美男美
女カップルからは美女が生まれるのです
ね。
そして、ディミトリの祖国のルーム・セ
ルジュークの帝王(多分、カイホスロー
2世)と結婚することになります。
詳しくは、WikiのGurju Khatunで検索す
ると英文ですが、出てきます。


長くなったので、ディミトリ②へ続きま
す。