妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

これはお勧め!!月組公演『フリューゲル』 『万華鏡百景色』を観劇しました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組宝塚大劇場公演『フリュー
ゲル』『万華鏡百景色』を観に、宝塚ま
で遠征してきました。


入場開始のアナウンスで劇場入り口に行
くと、なんか、入り口が二つに分けられ
ています。


入り口に看板が立っていて、2階席は、
宝塚市民貸切とのこと。


片方は、宝塚市民用だったんですね。
道理で、子供連れが多いと思いました。


ただ、小学生くらいの男の子も結構いて、
男の子が宝塚を観て楽しいのだろうか、
と疑問に思いました。


なぜなら、私も小学校低学年の頃、宝塚
に住んでいて、宝塚を観劇した経験があ
るからです。


正直言って、もの凄~く、つまらなかっ
た、という記憶が残っています。


多分、記憶からすると2階席だったので
しょう。何か、田植えをしている場面だ
けが記憶に残っています。
何の公演だったんでしょうね。


まあ、1階席は、子供連れは、ほとんど
いませんでしたが、私の席の周りが結構、
空席になっていました。


それで、友の会先着順でもS席が取れた
のか、と納得。


どうも、「ベルリンの壁」という話が硬
そうだから、敬遠されているのでは、と
思うのですが、そんな硬い話では、あり
ません。


演出が齋藤吉正氏で大丈夫か、とも思い
ましたが、杞憂でした。


話の内容は面白いし、物語の展開もテン
ポ良く、サクサクと進んで、ダレるとこ
ろがないし、所々、笑い声が起きる場面
もあって、観ていて、飽きさせません。


ということで、まずは、公演プログラム
からストーリーです。
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 東ドイツの文化庁に出向する人民軍地
上軍大尉であるヨナス・ハインリッヒ
(月城かなとさん)は、世界を席捲する
スーパーアイドル、西ドイツ出身のポッ
プスター、ナディア・シュナイダー(海
乃美月さん)を招聘したコンサートの責
任者に任命される。欧州各地で巻き起こ
った民主化の波は東ドイツにも押し寄せ
ており、政府は国民の不満を解消する目
的で、首都ベルリンでのコンサートを企
画したのだった。今回のコンサートは単
なる親善イベントではなく東西ドイツの
行く末に関わるというのだが、早速、何
者かによってナディアの身を危険に晒す
テロ行為の犯行声明が届く。ヨナスは、
タレントのボディーガードのような役目
を不満に思いながらも渋々引き受けるの
だった。
 一方、ヨナスの友人、国家保安省職員
のヘルムート・ヴォルフ(鳳月杏さん)
は、民主主義への潮流を断ち切り、東西
ドイツの統一を断固阻止しようと考えて
いた。
 ナディアがマネージャーのルイス・ヴ
ァグナー(風間柚乃さん)を伴い、東ベ
ルリンに到着した。ヨナスはナディアに
東側のコンサートへの意向を説明するが、
自由奔放なナディアは彼の言葉に全く耳
を貸そうとしない。互いの言動に呆れ果
て、顔を合わす度に喧嘩を繰り返してい
たヨナスとナディアだったが、ある時ナ
ディアが口ずさむ「フリューゲル」とい
う曲を聞きヨナスは驚く。それは彼が幼
い時、亡き父との思い出を語りながら、
愛する母(白雪さち花さん)と共に歌っ
た大切な曲だったのだ。音楽を通じて初
めて心を交わした二人は、必ずコンサー
トを成功させようと誓い合う。しかしそ
んな二人の行動を、ヘルムートが監視し
ていた……。
 やがて平和コンサートの開幕が近づく。
ナディアの身を危険に晒すまいと懸命に
警護にあたるヨナスだったが、容赦なく
テロリストの影がナディアに迫る。その
時、ヨナスは……。
 東西を隔てる「ベルリンの壁」の崩壊
……その日を夢見て、市民達の熱い叫び
が呼応する中、ヨナスとナディアの先に
見えた、新たな未来とはー。
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1989年11月9日に起きたベルリンの壁の
崩壊、それは、私にとって世界史の授業
なんかではなく、30代半ばにニュース
で実際に見聞きした余りにも衝撃的な出
来事でした。


この作品は、そんな歴史上の大事件とな
ったベルリンの壁の崩壊の時代の東西ベ
ルリンを舞台に様々な人間模様を描いた
作品です。


物語の主軸となるのは、月城かなとさん
のヨナスが海乃美月さんのナディアの二
人の関係。


ヨナスの使命は、コンサートを成功させ
ることとテロリストからナディアの身を
護ること。


コンサートの内容にヨナスから一方的に
注文を付けられたナディアは怒り心頭。
二人は激しく反発し合います。


それが、ギターを爪弾きながらナディア
が口ずさんだ歌「フリューゲル」(ドイ
ツ語で「翼」という意味)を聞いたヨナ
スはその歌を自分も歌います。


その歌は、ヨナスが幼い頃に彼の母親と
歌っていた歌。これをきっかけにヨナス
とナディアの心が通い始め、最後には、
恋に落ちることに……。


そして、ヨナスの母親は、第二次世界大
戦中にユダヤ人のホロコーストに加担し
た疑いで逮捕され、ヨナスは東ベルリン
に住む叔父、叔母に引き取られることに
なったのですが、ヨナスは大人になった
今も、ナチスに加担した母親に対して、
憎しみの気持ちを持ち続けています。
これが、この物語のもう一つの軸。


そして、ヨナスのもう一つの過去。
アフガニスタンでソ連兵として戦場にい
たヨナスは、反政府派の革命戦士アラン
(瑠皇りあさん)が死んで、共に戦う恋
人を失ったサーシャ(天紫珠李さん)を
自国に連れ帰ります。


このサーシャをヨナスが東ベルリンから
西ベルリンに壁を越えて脱出させようと
するのが、この物語のまた一つの軸。


さらに、フランツ神父(夢奈瑠音さん)
を中心に東ドイツの民主化を求めて、教
会で集会を開く学生達。
これも、この物語のもう一つの軸。


そして、最後は、国家保安省職員のヘル
ムート(鳳月杏さん)は、東西ドイツの
統一を阻止しようとし、更に、アフガニ
スタンの革命戦士であったサーシャを捕
えようとしていた。


これらの物語の軸がそれぞれ相互に絡み
合いながらも、しっかりと、一つの物語
として形成され、展開していくその演出
が、見事な作品です。


まだ、公演が始まったばかりで、ネタバ
レになるので、この程度に今回はとどめ
ておきます。


とにかく、「フリューゲル」の歌が印象
的でコミカルかつハートフルな作品にな
っていて、お勧め作品です。


後、3回観る予定なので、出演者感想な
どはその時に。


なお、ショーの方で、客席降りがありま
す。
私は、白雪さち花さんとバッチリ目が合
いました。