妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

木場理事長の内部説明会の説明について思うこと。ー週刊文春の記事を読んで

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


週刊文春には、木場理事長の内部説明会
の説明は、ほんの少ししか載っていない
のですが、文春オンライン(無料版)に
は、もう少し、詳しい内容が載っていま
す。


その部分を抜き書きすると、こうです。
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その日、木場氏とともに姿を現した真加
部隼プロデューサーが黙とうを促すと、
稽古場が静まり返った。その後、木場氏
は団員たちに次のように呼びかけた。


「9月30日に、宙組の生徒が1名亡くなる
という事態になりました。ご家族の強い
ご希望がございまして、我々も皆さんに
速やかにお伝えすることができず、また
外に向かっても 十分な公表ということが
できない状況でございます。それはもう
ご遺族のご心情を察すれば致し方ないこ
とだと思っております。


 我々は今、その気持ちに寄り添った対
応を続けているところでございます。た
だ一方、警察から情報の提供があり、マ
スコミに当日の夕方から情報が出始めた
ということでございました。我々として
は、そこで後手後手に回ってしまいまし
た」


 木場氏は続けて、各組の現状を伝えた
あと、次のように話した。


「このような辛い、厳しい状況でござい
ますが、どんな時も待ってくださってる
お客さんのために公演をお届けするのが
我々の使命だと思います。亡くなった生
徒の思い、これまで宝塚に携ってくださ
った全ての方の思いも受け継ぎながら、
やっぱりまずはみんなで共に前を向いて
進んでいきたいと思っております。


そのためには、皆さんの心と体のケアが
大事。これまで以上にしっかりと取り組
ませていただこうと思っております。こ
こ数年、ナースを常駐してもらうように
なりましたけども、それに加え、専門医
やカウンセラーと連携を取って、速やか
にケア、フォローできる体制を準備して
いるところでございます。


 また、団報でも書かせていただいたん
ですけども、24時間相談できる窓口とい
うのを設けており、ナースに加えて、外
部の専門的な機関も含めてサポート窓口
としています。もし、自分の心身の健康
に少しでも何かあるということがござい
ましたら、ぜひ活用していただいて不安
の方を解消していってほしいと思ってお
ります。


 SNSでいろんな情報が飛び交っており
まして、 見るに耐えない誹謗中傷とか、
いろんな情報が出回っております。週刊
誌も出始めておりまして、その対策につ
きましても、専門のコンサルタント会社
と連携して、生徒の皆さんを守る対応を
取っております。


 特に出版社になると表現の自由があっ
てなかなかの対応が難しいところはある
んですけども、我々は生徒の皆さん、そ
して宝塚歌劇を守っていきたいと思って
おりますので、 そこもしっかりと取り組
んでまいりたいと思っております。


 本当にすごく混乱の中で仕事しており、
なかなか現実に追いついてないところも
あるんですけれども、皆さんとこの心情
に寄り添って、皆さんが誇りを持って人
生を預けていただける劇団であり続ける
よう精一杯努めております。


 今後とも力合わせて進んでいければと
思っております。 本日、私からお伝えし
たいことは以上でございます」
==================
まず、この内部説明会までの経緯を週刊
文春の記事に基づいて書くと、次のとお
りになります。
亡くなった方の名前(芸名)は、伏字に
してあります。
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①9月30日ー宝塚歌劇団に所属する〇〇
 〇〇(享年25)が自死

②同日2時過ぎー宝塚署から劇団に自殺
 の連絡

③同日3時半ー宙組阪急交通社貸切公演
 開演(〇〇〇〇は「休演者」として発
 表)

④同日公演後ー〇〇さんが亡くなったこ
 とを生徒たちに連絡

⑤約1週間後ー木場理事長が各組の生徒た
 ちに対し、説明会を実施
==================
④と⑤の間の10月1日に、宝塚歌劇団が
HPに公表文を載せています。


今回は、木場理事長の説明の内容につい
て、コメントします。


冒頭の部分は、「ご家族の強いご希望」
で、生徒たちへの説明が遅れたと受け取
れます。


「ご家族」がどんな希望を劇団に伝えた
のか分かりませんが、生徒たちへの説明
を遅らせるようなことを言ったとは思え
ません。


「ご家族の希望」を説明が遅れたことの
言い訳に使っているような感じがします。


続く「外に向かっても十分な公表」がで
きない、というのも同じです。


「ご家族」に対する配慮の範囲で公表で
きることは、あるはずです。


これも、言い訳のように感じられます。


そして、その結果が「警察から情報の提
供があり、マスコミに当日の夕方から情
報が出始めたということでございました。
我々としては、そこで後手後手に回って
しまいました」です。


一般的にも、一人の女性がマンションか
ら転落死したのであれば、当然、警察は、
女性の身元を確認し、その原因も調査す
ると共に、報道機関に公表するでしょう。


他の同様の自殺事件を見ても、警察は、
同じ対応を取っているのですから、今回
だけ、特別、という訳にはいかないと思
います。


にもかかわらず、劇団は、公表を伏せて
いました。


貸切公演をやりたかったからだと思われ
ても、仕方がないと思います。


劇団として、やるべきことは、警察から
の連絡を受け、直ちに公演の中止をする
(今までも開演直前の中止は、やってま
すよね)。
そして、当日中(報道の出る前)にHP
に公演中止の旨とその理由を公表するこ
とではなかったのではないでしょうか。


今回は、説明会というより言い訳会のよ
うに見えます。


木場理事長の発言の揚げ足を取る訳では
ありませんが、後半部分も、本当に、生
徒たちの心情に寄り添っているのか、疑
わしい内容です。


まず、早急になすべきことは、生徒たち
の心のケアでしょう。


カウンセラーや専門医に生徒たちが相談
できる体制は、「速やかに」ではなく、
「直ちに」整えるべきです。


ファンは、生徒たちの情緒が不安定な中
でも無理にでも公演しろとは思ってはい
ないでしょう。


この時点(〇〇さんが亡くなって1週間
後)で、「やっぱりまずはみんなで共に
前を向いて進んでいきたいと思っており
ます。」と言うのは、やっぱり、おかし
いと思います。


「そのために」生徒たちの心と体のケア
をするというのも、おかしいと思います。


これは、ファンに対してではなく、生徒
たちに対する説明の場なんですから、も
っと、生徒たちの心情に寄り添った内容
であって、然るべきではないでしょうか。