調査報告書を読んで感じた事ー調査チームの調査報告について④
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
宝塚歌劇団側の調査チームの「調査報告
書(概要版)」。
皆さん、読まれましたか?
別紙を除く本体だけで、小さい字で23ペ
ージもあります。
長時間の時間外労働は認め、「いじめや
ハラスメント」については、「確認でき
なかった」と結論付けています。
まず、調査チームのメンバーは、大江橋
法律事務所の9名です。
大江橋法律事務所は、東京・大阪・名古
屋・上海に事務所を持ち、東京と大阪の
事務所は、それぞれ、約70名の弁護士を
有する大手弁護士事務所です。
ヒアリングの対象は、宙組所属劇団員62
名、元劇団員1名、劇団役職員7名、阪急
電鉄株式会社役職員4名および故人ご遺族
及び同代理人です。
(ただし、ヒアリングを拒否した宙組生4
名を除きます)
したがって、宙組以外の劇団員へのヒア
リングは行っていません。
ヒアリング時間は、「多数の者は概ね1時
間から2時間程度」です。
ヒアリング以外の調査方法としては、
①劇団から提供を受けた資料及び情報
②ご遺族から提供を受けた資料
③劇団役職員のメールデータ、ファイル
データ
です。
ご遺族から資料の提供を受け、ご遺族及
び代理人にヒアリングして、結論が違う
というのは、ちょっと、違和感を感じま
す。
また、以前の報道では、弁護士だけでな
く、専門家やカウンセラーのバックアッ
プを受けて、弁護士が調査するようなこ
とが書いてあったような記憶があるので
すが、この報告書を読む限りでは弁護士
だけで調査したようです。
また、調査の前提として、
①劇団が保有していない情報・資料等
②劇団外の出来事
については、情報収集に限界があった
としています。
また、※として、公表範囲について「故
人やご遺族のプライバシーに配慮し、ご
遺族と協議」することを求めていて、こ
れに基づいて、報告書に一部、黒塗りの
部分があります。
ここまでが1ページ。次のページからが
問題の「へアアイロンの件」の調査結果
です。
要点の部分だけを抜き書きすると、
①ロッカー室でAから髪型の指導を受け
ていて、故人の額にヘアアイロンが当
たり、額に火傷を負った。
②同日、故人は劇団診療所に行き、塗薬
を塗ってもらった。
③看護師によると、痕には残らない程度
の火傷だった。
④ヘアアイロンで火傷をすることは、劇
団内では日常的にあることで、記録は
残していない。
⑤翌日に撮影した写真からは、小指の先
程度の長さの茶色の傷が確認できる。
⑥ヘアアイロンの件を目撃した他の劇団
員はいなかった。
「ヘアアイロンの火傷は、日常的にある
こと」で「記録は残していない」のに、
なぜ、この看護師は、故人の火傷の程度
を覚えているのでしょうか?
故人が火傷を負ったとされているのは、
2021年8月14日とされており、週刊文春
にこのヘアアイロンの件が掲載されたの
は、2023年2月初めです。
つまり、この看護師は、1年半前の火傷
の件を覚えていた、ということになりま
す。
その後の「故人に関する文春報道」の箇
所では、文春からの問い合わせを受けて、
「劇団診療所にも確認したが、故人が受
傷当時に受診した記録は残っておらず、
また、ヘアアイロンによる火傷はよくあ
ることで、逐一記録を行わない旨の報告
を受けた」としています。
別紙1として添付されている資料に基づ
けば、
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2021.8.14 故人の額にヘアアイロンが当
たり、故人が額に火傷を負った。
2023.1.30 週刊文春から劇団に対し、
「事実関係ご確認のお願い」と題する書
面が送付される←この時に看護師に確認
2023.1.31 劇団が週刊文春「事実関係ご
確認のお願い」と題する書面に回答
←「事実無根」と回答
2023.2.1 週刊文春がヘアアイロンの件
を報道
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となっています。
やはり、よくあるヘアアイロンの火傷で
小指の先程度の火傷を1年半後も看護師
が覚えていたというのは、なんか、違和
感を感じます。
Aさんの火傷の程度は、もっと、酷かった
のではないでしょうか?
⑤に続きます。