妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

宝塚を牛耳る"ドンと女帝"③ー週刊文春第10弾

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前回②↓の続きです。


夫妻に懇願しトップをつかんだ


 ドンと女帝の暴走はこれだけではない。


「夫人の好みは歌唱力のある子。その意
向が反映され、近年の娘役トップはルッ
クスよりも歌唱力重視の子が増えていま
す」(元劇団)


 ファンの間で語り草となっているのが、
15年のトップスター人事だ。本命と目さ
れた生徒ではなく、急転直下で別の生徒
がトップに就任するサプライズが起こっ
た。この舞台裏を知る人物が証言する。


「本命だった生徒は劇団から内示を受け、
演目も相手の娘役も全て決まっていた。
ところが、別の生徒が角夫妻に涙ながら
に懇願しトップの座をつかんだのです」


 憔悴する本命の生徒に、
「必死に抵抗したけれど、どうにもなら
なかった」
 そう謝罪したのは公平氏の息子で、当
時、劇団理事長だった小林公一氏。いつ
のまにか角氏は創業家を凌駕する権力を
手にしていたのだ。その年、公一氏は理
事長を辞任。その後、小林家を慕う専科
のベテラン生徒たちも劇団を去った。


 公一氏の後任として、21年まで理事長
を務めた小川友次氏は、角氏の指揮の下、
利益重視に舵を切り、本公演(宝塚大劇
場と東京宝塚劇場)以外の場所で開催す
る外部公演を増やした。


 今や年間公演数約1400回で観客動員数
約270万人を誇り、阪急阪神ホールディン
グスの「儲かる」事業にまで成長した。し
かしその陰で劇団員たちの労務環境は著し
く悪化していった。


 角氏の独裁と利益重視が垣間見えたの
が、冒頭の株主総会だ。劇団関連で最初
に出た質問はコロナ感染による休演の多
さだった。株主から「代役公演はできな
いのか」と聞かれた角氏はこう答えた。


「おっしゃるように、たとえ主役級の生
徒が罹患したとしても、二、三人で収ま
るようなら(中略)代役でご覧いただい
た方がいいに決まっています。数人にと
どまってできるなら代役公演を積極的に
したい」


 角の発言をきっかけに、代役公演が実
行に移されていった。11月7日の月組公
演では、トップ娘役ら四人の休演を発表
したが、代役で公演を継続した。


「主演級が欠けた代役公演では、二番手
が一番手を、三番手が二番手を、という
ように玉突きで代役を務めないとならな
い。あの公演の前日は休演日でしたが、
急遽、朝から晩まで稽古し劇団員たちは
休みを取れなかった」(月組関係者)


 株主総会で次に出た質問が、冒頭の、
ハラスメント研修の有無を尋ねるものだ
った。角氏はこう説明した。


「ハラスメント教育については以前から
定期的にやっています。我々が悩むのは
パワハラなのか指導なのか。ホテルの調
理人は年輩に厳しく育てられる。(中略)
それに近いところが宝塚にもあります」


 15年から、ハラスメントを防止するた
めコーチンングの研修を、指導する立場
となる入団3年目の劇団員に対し行って
いるという。


〇〇へのパワハラ・イジメの主犯格で
あった上級生は対象外でした。
前近代的
な暴力支配が植え付けられたままで、今
も指導とパワハラの違いを理解できずに
います」(前出・宙組関係者)


 会長は目下"雲隠れ"中。自宅周辺で目
撃情報はなく大阪市内のホテルに滞在し
ているという。


「自分から文春に電話しよう思っとった。
私が怒っとるって書いてええよ」


 そう怒り心頭なのは、角氏の実兄であ
る源三氏だ、弟とは絶縁状態で十年ほど
口を利いていないという。


「和夫は昔からええかっこしいやった。
素人なのに楽曲提供までして経営者が宝
塚に入れ込みすぎや。お金と名誉が大好
きで私利私欲の塊。母を面倒見るって言
っておきながらほったらかしですぐに老
人ホームに入れたし、重い病気を抱えて
いた姉にも冷たかった」


 会長夫人にも辛らつだ。
「いつも偉そうやろ。私が誰かと喋りよ
ったら、襖の向こうで立ち聞きしとって
陰湿やなと思ってん」


 弁護士である源三氏は労働事件が専門。
それ故に余計思うことがあるという。


「会長を辞めるのは当たり前やし、まず
は遺族に謝らなあかん。過重労働だけ認
めてパワハラは認めないなんてありえへ
ん。(〇〇が)亡くなったその日に役員
のゴルフ会に参加してたのも、人の道に
外れている!兄弟として恥ずかしい」


 12月1日、紺色のジャケットにマスク
姿の会長夫人が宝塚市内の自宅へ帰って
きた。冬に咲く紫色のニオイスミレを抱
えている。


 小誌記者が声をかけると、
「おたくには話しません」
そうピシャリと言い、帰宅したのだった。


 劇団は雪組副組長のお祓い発言は「事
実ではない」、夫婦の私物化については
「人事などは劇団の責任で行っています」
と回答。


 現役劇団員が嘆く。
「会長は拝賀式で、もっと売上を出せる
と儲け話ばかりして、私たちを馬車馬の
ように働かせてきた。卒業生の方々は、
小林一三先生や公平先生なら絶対に矢面
に立ち生徒を守って下さったはずと仰っ
ていた。会長自ら発するメッセージが一
言もないのが残念です」


「清く正しく美しく」から程遠い経営者
に劇団の「改革」はできるのか。
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まあ、この角会長がトップにいる限りは、
歌劇団の体質が大きく変わることはなさ
そうです。


それにしても、15年のトップ人事の記事
は不可解です。


この年、新たにトップに就任したのは、
元星組トップの北翔海莉さんと元宙組ト
ップの朝夏まなとさんの二人です。


朝夏まなとさんは、花組から宙組へ組替
えし、2番手格となった後、宙組トップ
に就任しています。


在団中は、歌唱力よりもダンスメインの
人でした。


もう一人の北翔海莉さんは、確かに、歌
唱力の人でしたし、北翔海莉さんが柚希
礼音さんの後を継いでトップになったの
は、確かに驚きの人事でした。


ただ、北翔海莉さんは、わずか1年半で
退団していますし、その後は、紅ゆずる
さんがトップになっています。


トップ・オブ・トップと言われた柚希礼
音さんと紅ゆずるさんとの間に入って、
緩衝材のような役割ではなかったかと、
思っています。


それに、北翔海莉ご本人がトップ就任の
打診を3回くらい断ったと話しています。


他には、そんなゴリ押しでトップになっ
た人は見当たらないと思います。


いくら権力があっても、トップ人事にま
で介入する事は無理なのでしょう。