妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

いわゆる「二番手切り」というものについて考えてみました

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、いわゆる「二番手切り」という
ものについて考えてみたいとおもいます。


「二番手切り」という言葉がいつから使
われるようになったのか、調べてみても
今一つ分からないのですが、比較的最近
では、雪組二番手の彩吹真央さんかと。


また、何をもって「二番手切り」という
のか、という「二番手切り」の定義も明
確ではないようです。


どうも、「正二番手(二番目でも二番手
格でもない)の人がトップにならないで
二番手のまま退団する」場合を「二番手
切り」と呼ぶようです。


しかし、これでは対象が広くなり、「二
番手切り」という言い方にも相応しくな
い(むしろ「二番手退団」が相応しい)
ケースも「二番手切り」ということにな
りそうです。


そこで、もう一つ、条件を追加します。


「正二番手の人がいるにも関わらず、そ
の下級生が正二番手を追い抜いて、トッ
プになる」を追加します。


つまり、「正二番手の人がいるにも関わ
らず、その下級生が正二番手を追い抜い
て、トップになり、正二番手の人がトッ
プにならないで二番手のまま退団する」
ことを「二番手切り」と定義することに
します。


そうすると、彩吹真央さんの場合は、
1994年    80期生として入団
2005年11月『落陽のパレルモ』で花組
      二番手に昇格?
2006年12月  雪組へ組替え、雪組二番手
2010年4月 雪組二番手で退団
2010年9月 音月桂(84期)が雪組トッ
        プに就任


ということで、彩吹真央さん退団後に音
月桂さんがトップに就任しており、上記
の定義に当てはまりません。


また、彩吹真央さんは、退団後のWOW
OWの番組で劇団から「トップにはでき
ないと言われたので退団を決意しました
と正直に告白した」とのことです。


ある方は、ブログで「最初から わたしで
も トップには ならないだろうと思ってま
した。
トップにならなかったと言って すごく怒
って批判してる方達を 雑誌などで拝見し
てましたが やはり 華が かなり足りなかっ
たと思います。
ファンの方には 申し訳ないけれど何かが
違いました。」と書いています。


トップにするには、何かが足りないと、
劇団は判断したのだろうと思われます。


ただ、熱烈なファンからはこの退団は猛
烈な批判を浴び、その煽りを受けて、彩
吹真央さん退団後にトップに就任した音
月桂さんは、わずか2年で退団してしまい
ました。


次は、月組二番手であった美弥るりかさ
んです。美弥るりかさんの場合も「二番
手切り」と言われました。


美弥るりかさんの場合は、
2003年      89期生として入団 星組
       に配属
2012年4月   月組へと組替え
2016年10月 珠城りょう(94期)の月
       組トップ就任に伴い、月
       組二番手に昇格
2019年6月   月組二番手で退団


美弥るりかさんの場合は、珠城りょうさ
んのトップ就任時に二番手になったので
あって、すでに二番手であるにも関わら
ず、下級生の珠城りょうさんに追い越さ
れたわけではありません。
そうすると、美弥るりかさんも上に掲げ
た定義に当てはまりません。


どうも、宝塚ファンの間に二番手になる
とトップの座が確約されているという先
入観があるのではないかと思われます。


この二人ほど騒がれませんでしたが、瀬
戸かずやさんの時も同じようなことが起
こりました。


瀬戸かずやさんの場合は、
2004年   90期生として入団 花組に
       配属
2019年11月 柚香光(95期)が花組ト
       ップに就任
2021年7月   退団。退団公演では最初
       で最後となる二番手羽根
       を背負う


瀬戸かずやさんの場合を、二番手切りと
いうのはさすがにおかしいでしょう。


瀬戸かずやさんが二番手切りなら、この
人はどうでしょう?
星組二番手で退団した愛月ひかるさんで
す。
愛月ひかるさんは、
2007年   93期生として入団 宙組に
       配属
2019年2月  宙組三番手から専科へ異動
2019年11月   専科から星組へ異動
2020年2月  礼真琴(95期)が星組トップ
      就任に伴い、星組二番手に
      昇格
2021年12月  退団


愛月ひかるさんが礼真琴さんの後に星組
のトップになるというのは、どう考えて
もあり得ません。
それでは、星組の人事が停滞してしまい
ます。
しかも、間もなく、月組から暁千星さん
が星組へと組替えしてきます。
礼真琴さんの次の星組のトップ候補と思
われます。
その間に愛月ひかるさんが入るとしたら、
どうでしょう?


毎年、40名近い人が新しく宝塚に入団し
てきます。
上級生がいつまでも退団せずに、残って
いては、下級生が上に上がるのの妨げと
なります。
入団した人数だけ上級生が退団していく、
それが宝塚のシステムです。
それは、たとえ二番手であっても同様だ
と思います。


それをいちいち二番手切りだとして、大
騒ぎするのは、気持ちは分からないでも
ないですが、やはりいかがなものか、と
思います。


「二番手切り」と言われた4人の方につい
て、見てきましたが、どうも二番手で退
団すると、「二番手切り」と言われてい
るように思われます。


これでは、劇団は、男役スターさんを二
番手にするのに、慎重にならざるを得ま
せん。


その結果が、花組の二人三番手羽根であ
ったり、星組の片羽根であったり、とい
うことではないかと思いますが、それで
も、花組では大騒ぎになりました。


それでは、例えば、水美舞斗さんに二番
手羽根を背負わせれば良かったかという
と、それでは、また、水美舞斗さんが退
団する時に、「二番手切り」と大騒ぎす
るのでしょう。


繰り返しになりますが、ファンの方の心
情は分からないでもないですが、あまり、
「二番手退団」で大騒ぎするのは、残る
ジェンヌさんを含む劇団のためにも、そ
の二番手で退団する方にとっても決して
好ましいことではないように思われます。