月組公演『応天の門』の主な登場人物について紹介③ー「藤原基経」
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
今回は、風間柚乃さん演じる「藤原基経」
についてです。
まず、ウィキペディアには、こう書かれ
ています。
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左近衛中将、参議。良房の甥で、高子の
同母兄。良房の養子となり、英才教育を
受け育ち朝廷内の実力者となる。
良房同様に冷徹な人物で、兄の国経や遠
経のことまで内心見下しており、高子か
らは良房以上に恐れられている。良房同
様、高子のことで業平を警戒している。
幼少期に吉祥丸と面識があり、道真へも
興味を持っている。
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原作の人物紹介には、こう書かれていま
す。
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良房の養子で高子の兄。良房の補佐をし
ながら宮中の勢力に目を光らせている。
島田忠臣を配下におき、善男暗殺を謀る。
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「良房」は、藤原良房で太政大臣。藤原
北家を率いる朝廷の実力者で、清和帝の
外祖父です。
「高子」は、藤原高子で良房の姪です。
清和帝に嫁ぐために良房によって屋敷に
幽閉されています。過去に在原業平と駆
け落ち未遂をしています。この話は、若
き日の業平と若き日の高子が配役にある
ことから、宝塚の舞台に登場します。
なお、「高子からは良房以上に恐れられ
ている」と書かれていますが、どちらか
というと「嫌われて」います。
「国経」「遠経」は、藤原国経、藤原遠
経で、基経の異母兄です。配役にありま
すが、菅原道真と藤原高子の駆け落ち未
遂の場面か、道真の兄の吉祥丸の死の事
件の場面かに出てくるのか、その両方に
出てくるのか……。
「良房同様、高子のことで業平を警戒し
ている。」と書かれていますが、基経の
方が業平より官位が上ですので、むしろ
過去の駆け落ち未遂の件で、業平に「釘
を刺している」と言った方がいいでしょ
う。
「吉祥丸」とは、菅原道真の兄で、ある
事件で亡くなっています。吉祥丸も配役
にあるので、その話も、宝塚の舞台に出
てくるのではないかと思います。
「島田忠臣」は、道真の師匠ですが、配
役に名前がないので、宝塚の舞台には、
出てきません。「百鬼夜行」と深い関り
のある人物なんですが……。
「善男」は、伴善男で正三位の大納言で
す。反藤原氏勢力の筆頭で、基経に毒殺
されそうになります。
ということで、藤原基経は、この『応天
の門』では反対勢力の伴善男の暗殺も厭
わない悪役ということになります。
風間柚乃さんは、月組3番手格ですので、
やはり、こういう役になります。
では、反藤原氏勢力の伴善男が善か、と
言われると、必ずしもそうではなく、こ
の『応天の門』は藤原氏と反藤原氏の権
力争いを描いた物語でもあります。
菅原道真は、この藤原基経と伴善男の双
方から目を付けられて、できるだけ、中
立を保とうとするのですが……。
なお、この基経の長男が藤原時平で、菅
原道真を讒言で大宰府へ左遷、失脚させ
た(昌泰の変)とされる人物です。