妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

豪華実力派キャストが揃った、浦井健治さん主演・安蘭けいさん出演のミュージカル『キングアーサー』愛知公演を観劇しました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、ミュージカル『キングアーサー』
を観に、刈谷市総合文化センターへ行っ
てきました。
同じ愛知県内と言っても、一旦、私鉄で
名古屋駅まで北上し、そこから、JRで東
へ向かうので、2時間弱くらいかかりま
す。
第1希望は、昼の部(13時開演)で申し
込みましたが、あえなく落選。第2希望
の夜の部(18時開演)で観劇したので、
帰宅したのは、夜の11時少し前でした。
しかも、席は後ろから2列目という、こ
れでS席?と思うような席で、舞台がは
るか遠くにありました。
まあ、仕方ないですね。愛知公演は2公
演しかないですし……。
席は、さすがにほぼ満席でした。


ただ、さすがに、ミュージカルの実力派
キャストを揃えただけあって、見応えが
ありました。
演出も韓国版公演を演出した韓国ミュー
ジカルの新進気鋭のオ・ルピナさんで、
素晴らしい演出でした。


まず、ストーリーです。
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その昔、英国の偉大なる王、ユーサー王
がこの世を去り、王を失った英国にはサ
クソン族が侵入し危機が迫っていた。魔
術師マーリンは混沌とした時代に終止符
を打つことができる新しい王を王座に就
かせるべく動き出す。
自らが王の血筋であることを知らずに育
ったアーサー。騎士決闘場に異母兄ケイ
の従者として赴いたアーサーはマーリン
によって導かれ、伝説の剣エクスカリバ
ーを抜くことになる。真の王として、平
和と幸せを夢見て立ち上がるアーサー。
一方で、次なる王に就く野望を抱いてい
た最強の騎士メレアガンは、目の前でア
ーサーに剣を抜かれたことで、王の座を
奪われ、さらには、婚約者であるグィネ
ヴィアの心までも奪われてしまう。希望
とプライド、人生の光を奪われたメレア
ガンは邪魔者アーサーを地獄へ突き落し
再び自らの人生を取り戻すことを心に誓
う。さらには、アーサーの異父姉モルガ
ンと若き騎士ランスロットの登場でアー
サーは新たな運命と立ち向かうことにな
る。
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宝塚月組公演の『アーサー王伝説』を観
劇しているので、同じはずなのですが、
ほぼ記憶なし。
演出も多分、違うので、新しい舞台とし
て楽しむことができました。


まず、フレンチロックの音楽が素晴らし
い。実力派キャストが揃ったので、その
音楽の魅力をたっぷり聴かせてくれます。
また、戦闘シーンや決闘シーンも盛りだ
くさんで、迫力満点です。
円卓の騎士が集い、王と一緒に剣を掲げ
る場面も格好いいです。
ということで、キャスト別コメントに移
ります。


まず、アーサー王を演じた浦井健治さん
です。
もう、毎度お馴染みっていう感じ
になってきました。
今回の、アーサー王は、偉大な威厳のあ
る王という感じではなく、国民(ケルト
人)の心に寄り添う優しい王であり、そ
れゆえに、最強の剣士メレアガンとの対
決、異父姉モルガンからの憎しみ、そし
て、最愛の王妃グィネヴィアと美貌の騎
士ランスロットの不倫に苦しむことにな
ります。そんなアーサー王の姿を見事に
演じていました。歌は安定の歌唱力です。


次は、メレアガン役の伊礼彼方さんです。
加藤和樹さんとのWキャストで、どちら
かというと、ファンである加藤和樹さん
の出演回で観たかったのですが、落選し
たので、仕方ないですね。その代わり、
伊礼彼方さんの歌に期待していて、さす
がに、期待を裏切らない歌唱力でした。
ソロの場面が主役の浦井健治さんよりも
多いのでは、と思うくらい、たっぷりと
その魅力的な歌声を聴かせてくれました。
最強の騎士として、エクスカリバーを抜
く権利を与えられたはずなのに、剣が抜
けない。その上、どう見ても弱そうなア
ーサーに婚約者までも奪われてしまう。
そのことがメレアガンを狂わせ、モルガ
ンの唆しもあってダークサイドに落ちて
いく演技が素晴らしいし、よく似合って
います。
なお、伊礼彼方さんがソロで歌う時のバ
ックダンサー6人のアクロバチックなダン
スが見応えがあります。剣を持ったまま
のバク転には驚きました。


次は、ランスロット役の太田基裕さんで
す。
平間壮一さんとのWキャストですが、
愛知公演は、太田基裕さん一択でした。
イケメン登場、って感じですね。何か、
一人だけ白っぽい衣装ですし……。
ソロ曲も何曲かあり、また、グィネヴィ
アとのデュエット曲もありますが、多分、
見るのは初めてだと思いますが、結構、
上手いです。まあ、このキャストの中で
下手だと却って目立つ、というか……。
王妃グィネヴィアへの一途な愛が、王へ
の忠心に勝っていき、グィネヴィアと一
緒にこの人もダークサイドへと落ちてい
きます。最後まで、グィネヴィアを守っ
て死んでいく姿が痛ましい、というラン
スロットを演じて、好演です。
若い女性の観客が結構、多かったように
思いますが、この人目当てでしょうか?


次は、グィネヴィア役の小南満佑子さん
です。
宮澤佐江さんとのWキャストです
が、これは、こっちで良かったのかな、
と……。
小南満佑子さんは、『エール』を観てい
ないので、多分、初めて。
さすがの歌唱力です。王妃という役に合
っているかというと……。ただ、王が浦
井健治さんですから、バランス的には丁
度、良かったように思います。
しかし、この作品、ダークサイドに落ち
る人ばっかりですね。一番悪いのは、こ
の人↓。


次は、モルガン役の安蘭けいさんです。
こういう、復讐心の塊みたいな役をやら
せると実に上手い。ただの悪役ではなく
て、アーサーの父親のユーサーが自分の
母親にした行為が許せなくて、ただ、そ
の復讐の対象は既に死んでいて、そのた
めに、本来は、罪のないはずの異母弟の
アーサーに対して恨みを持っているとい
う複雑な心理。
今回は、魔女としてではなく、普通の、
ただし、復讐の鬼として描かれています。
伊礼彼方さん同様、ソロ曲が多くて、そ
の魅力的な歌声をたっぷり聴かせてくれ
ます。


次は、ガウェイン役の小林亮太さんです。
最初は、エクスカリバーを巡る騎士達の
戦いの審判役。アーサーが王になってか
らは、その剣術の師範役であり、王の右
腕の騎士となって、敵との戦いの先頭に
立つ役。比較的地味な役でソロの歌もな
いですが、存在感がありました。ちょっ
と、いい役。


次は、アーサーの異母兄のケイ役の東山
光明さん。
ケイは、この作品の緩和剤的
存在というか、まあ、笑わせ役というか。
この緊迫した場面が続いたり、ドロドロ
した愛憎の場面があったりする中で、ケ
イが登場すると、一息つけるというよう
な役です。
歌の場面はないですが、↓のマーリンとの
やりとりが軽妙で面白い、という、いか
にも芝居上手という感じがします。


最後に、マーリン役の石川禅さんです。
ユーサー王に仕え、ユーサー王の死後は、
アーサーを探し出し、アーサー王に仕え
る頼もしき魔法使いという、まあ、アー
サー王の物語には不可欠な人物です。
私にとっては、もう、お馴染みの役者さ
んで、今回の出演者の中では、一番、た
くさん観劇しているだろうと思います。
普段は、威厳のある魔法使いですが、↑
のケイとのやり取りは、ちょっと、笑え
てしまいます。
アーサー王を国民の心に寄り添うような
王であれと願い、導くのですが、運命は
マーリンの思い通りには運ばない。そこ
にジレンマを感じています。
歌は、最初の方と最後の方に1曲ずつソ
ロがありますが、さすがに上手いです。


という事で、このミュージカル『キング
アーサー』は、お勧め作品なのですが、
残念ながら、今日の愛知公演が大千秋楽
です。
ただ、どうも3月に配信があるみたいです
ので、ご関心のある方は、是非、配信で。