妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

それなりに楽しめる、雪組公演『ライラックの夢路』2回目観劇感想。②

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


そんなに辛口批評されるほど、ひどい作
品だとは、私は思わないんですが……。


もし、この作品を花組や星組で上演して
いたら、ここまで、辛口批評が多かった
でしょうか?


何か、雪組、そしてトップの彩風咲奈さ
んに対する偏見のようなものが最初から
あるような気がするのですが……。


それは、ともかく、前回の続きになりま
す。


さて、そろそろ、段々ネタバレします。


この作品があまり評価されないのは、恐
らく、物語が淡々と進むからでしょう。


登場人物の感情が大きくぶつかり合う場
面は、次男のフランツが長男のハインド
リヒに対して、「僕達兄弟はいつも好き
勝手に動く兄に振り回されている」と不
満をぶつける場面と、そのフランツがデ
ィートリンデに対して、自尊心が高すぎ
ると非難する場面くらいでしょうか?


末弟のヨーゼフが死ぬ場面も描かれず、
いつの間にか葬儀の場面。


せめて、『舞姫』の芳次郎が死ぬ場面の
ように、ヨーゼフが死ぬ間際に兄弟たち
に語り掛けるような場面があっても良か
ったのでは……。「粥を食べたい」とは、
言わないにしても。


もう一つは、ハインドリヒとエリーゼの
恋もいつの間にか順調に進んでしまうこ
とでしょうか?


『うたかたの恋』や『二人だけの戦場』
や『舞姫』のような、二人の恋を阻害す
るような要素がこの作品では存在しませ
ん。


宝塚のファンは、阻害されても、なお、
燃え上がるような恋を作品に期待してい
るのでしょうから、それがないというの
は、盛り上がらないのでしょう。


そういう淡々と物語が進んでしまう、と
いう点では、この作品は、宝塚の王道か
らは大きく外れていて、肩透かしになっ
てしまったのだと思います。


今度、謝珠栄氏演出で、珠城りょうさん
主演のミュージカル『天翔ける風に』は、
傑作だと言われているみたいですけどね。


そのあたりが、宝塚の作品の場合は、フ
ァンの期待を謝珠栄氏が掴み切れていな
いように思われます。


そういえば、話題の原田諒氏もそんなと
ころがありますね。


『ピガール狂騒曲』は、主人公が男装の
女性だし、『蒼穹の昴』も主人公とヒロ
インの恋愛要素ほぼゼロだし……。


私の場合は、そこには、それほど期待し
ていないので、この作品は、そこそこ、
楽しめているのかもしれません。