妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』(感想④)ーオランプ

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


登場人物別感想の今回は、オランプです。


前回のマリー・アントワネットの所でも
書きましたが、前回公演ではオランプの
影が薄いように感じたのですが、今回は、
しっかりとヒロイン感が出ていたように
思います。


また、舞空瞳さんがオランプ役には良く
似合っていたように思われます。


逆に、舞空瞳さんには、マリー・アント
ワネット役は、ちょっと合っていなかっ
たのではないかと感じます。


これは、私の偏見かもしれませんが、舞
空瞳さんは、今回のオランプ役や『バレ
ンシアの熱い花』のイサベラ役のような
役は似合うのですが、マリー・アントワ
ネットや『Le Rouge et le Noir〜赤と黒〜』
のレナール夫人のような役は、どうも似
合わないのです。


一番それを感じたのが、『ディミトリ〜
曙光に散る、紫の花〜』 のルスダン役で
した。


どうしても、舞空瞳さんがジョージア王
国の美貌の女王ルスダンに見えないので
す。演出面がちょっと悪かったというの
もあるようには思うのですが。


舞空瞳さんは、王女くらいはいいのです
が、どうも、女王とか王妃という感じで
はないように思います。


これは、演技の問題というより、舞空瞳
さんのビジュアル面が大きく影響ている
ように感じます。


それはともかくとして、本題に戻すと、
ロナンとオランプが初めて出会うのは、
オランプの手引きにより、マリー・アン
トワネットとフェルゼンが密会する場面
です。


ストーリーの詳細は省きますが、オラン
プの咄嗟についた嘘によって、ロナンは
監獄に連行され拷問を受けます。ただ、
拷問は、オランプのせいではないですが。


いくら、罪滅ぼしにオランプがロナンを
監獄から脱出させたとしても、敵同士で
あるロナンとオランプが愛し合うように
なるかというと……、ちょっと話の展開
に無理があるような?


しかも、ロナンが「助けてくれたお礼だ」
と言って、オランプにキスをするという
のは、いかがなものかと。


普通は、ひっぱたかれませんかね。


で、他の作品の恋の展開には文句を言う
人も、ここには文句を言わないというの
も何かおかしな気がしないでもないです
が……。


また、「サ・イラ・モナムール」は、こ
の作品中でも、私が好きな曲の一つです
が、「もうお前を泣かせないと誓う」と
歌っていながら、最後には、泣かせてし
まうというのも、何回見ても?です。


さらに、オランプは、王太子の養育係と
して仕えていたはずなのに、王太子が死
んだ後にもマリー・アントワネットに仕
えるというのも、おかしな話で、だから、
アルトワ伯爵に狙われてしまうという展
開になってしまいます。


革命が起きそうになって、貴族たちが皆
逃げ出そうという時になって、やっと、
マリー・アントワネットから暇を出され、
ロナンの元へと向かいます。


どうも行動が謎の人物ですね。オランプ
は。


心優しい女性という設定なのでしょうが、
優しすぎると自分だけでなく他人にも災
いを招いてしまうのではないでしょうか。


まあ、ロナンは、そのオランプの心の優
しさに惹かれたのだとは思いますが。


ただ、王太子もマリー・アントワネット
も、そして少したってからですが、フェ
ルゼンも、オランプと関係を持った人物
は次々と死んでしまいます。


ペイロールがバスティーユの城壁の上か
ら「中尉を撃て」と命じたはずなのに、
弾がことごとくロナンに命中するという。


「死」を呼ぶ女、オランプですか?


あ、でも、アルトワは、生き延びるか。


ただ、この作品のロナンとオランプの関
係は、なんとなく『ロミオとジュリエッ
ト』を思わせます。


親同士が憎み合っている、両家の息子と
娘が仮面舞踏会で恋に落ちるという。
そして、最後には行き違いから二人は共
に自殺してしまいます。


今度の作品では、革命側のロナンと王家
に仕えるオランプが恋に落ちて、結局は
結ばれないという……。


そういう意味では、宝塚ファンには受け
る作品だと思います。