妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

結構、面白かったけれど……。ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』を観劇して

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


12月22日(水)は、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター
~北斗の拳~』を観に、日生劇場へ行ってきました。


実は、『北斗の拳』は、原作漫画も読んでないし、テレビアニメも
見ていないので、ストーリーや登場人物について、ほとんど予備知
識なしです。


少年ジャンプ連載当時、一大ブームとなっていて、「お前はもう死
んでいる」の決め台詞くらいは知っていましたが……。


したがって、今回の舞台と原作とがどこが同じで、どこが違ってい
るのかはよく分かりません、が、ウィキペディアに載っている「あ
らすじ」を見ると、少しストーリーが変えられているみたいです。


で、公演概要とストーリーの紹介です。


公演概要は、以下のとおり。(ちょっと、長いです)


1983年から88年まで週刊少年ジャンプで連載された漫画「北斗の拳」
は、連載終了から30年以上が過ぎた今も、国内のみならず世界中で
圧倒的な人気を誇っている。


海外のカンパニーと国際共同プロデュースを積極的に行ってきたホリ
プロが、今回初の中国企業と共同プロデュースする。パートナーは、
上海の演劇制作会社染空间 Ranspace。同社代表の梁一冰(リャン・
イーピン)氏は、東野圭吾原作のオリジナルミュージカル『白夜行』
を上海でプロデュースし、大成功を収めた人物だ。同社との舞台創作
を通じ、相互の文化理解をさらに深め、日中双方の観客に共感を得ら
れる作品を目指す。
クリエイティブなプロセスの中でお互いに触発しあうことで、これま
でにないスケールの作品が誕生することが期待される。


音楽はミュージカル『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパー
ネル』『マタ・ハリ』など、日本、韓国ほか、世界中で大ヒット・ミ
ュージカルを手がけるアメリカ人作曲家のフランク・ワイルドホーン
が手掛ける。同氏がホリプロに楽曲を書き下ろすのは、2015年に日本
と韓国で上演された『デスノートTHE MUSICAL』以来、2作目。


演出は、『マタ・ハリ』でミュージカルファンの心をつかんだ新進気
鋭の演出家・石丸さち子が担い、脚本・作詞は『ビリー・エリオット
~リトル・ダンサー』『オリバー!』など、話題ミュージカルの訳詞
を数多く手掛ける高橋亜子が担当する。


振付を手掛けるのは、TOKYO2020オリンピックの開会式に出演
するなどダンサーとして活躍する一方、多くの有名アーティストから
指名を受けるコレオグラファーの辻󠄀本知彦氏。さらに、これまで数多
くの日中共同プロジェクトを成功に導いた中国人演出・振付家の顔安
(ヤン・アン)氏も振付に加わる。日米中3か国のスタッフのコラボ
レーションによる創作にも注目だ。


主人公のケンシロウ役を演じるのは、『メリー・ポピンズ』のバート
役、『ビリーエリオット~リトル・ダンサー~』のオールダービリー
役でその類まれな身体能力を発揮し、ミュージカル界に衝撃を与えた
俳優・大貫勇輔。彼の身体能力は、バレエの本場・英国を代表する振
付家のマシュー・ボーンをもうならせ、自らが率いるダンスカンパニ
ーの公演『ドリアン・グレイ』の主役に異例の大抜擢をさせたほどで
ある。
ケンシロウの怒りと哀しみ、そして愛を、歌はもちろんのことながら、
鍛え抜かれた肉体を駆使した想像力溢れるダンスでいかに表現するか
も、本作品の見どころの一つだ。


ケンシロウの兄・トキは、ミュージカル界でますます存在感が光る、
加藤和樹と小野田龍之介がダブルキャストで挑み、原作でも人気の高
いレイとジュウザの役を、歌唱力・演技力に定評ある伊礼彼方と上原
理生が回替わりで交互に演じる。ケンシロウの敵・シン役は、成長目
覚ましい植原卓也と上田堪大がダブルキャストで、ケンシロウたち兄
弟の師父・リュウケンをミュージカル界には欠かせない存在である川
口竜也が、ラオウに想いを寄せるトウを白羽ゆりが、女戦士マミヤを
松原凜子が演じる。


「北斗の拳」は、大きな哀しみを背負いながらも、愛する人たちを守
るために闘う主人公・ケンシロウの物語。


登場人物たちの誰かを思う情熱が、ダイナミックな音楽と緻密な演出
によってミュージカルに昇華され、新感覚のエンターテイメント作品
となるだろう。


2021年12月、東京の日生劇場にてワールドプレミア公演を行ったあと、
国内ツアー公演を経て、2022年には中国ツアーを実施する予定だ。


この冬、最大の話題作をお見逃しなく!


ストーリーは、以下のとおりです。


二千年の歴史を誇る北斗神拳の修行に励んでいたケンシロウ(大貫勇
輔)、トキ(加藤和樹・小野田龍之介/Wキャスト)、ラオウ(福井
晶一・宮尾俊太郎/Wキャスト)の三兄弟。南斗の里から来たユリア
(平原綾香・May’n/Wキャスト)、そのお付きのトウ(白羽ゆり)
とともに成長していく三兄弟の中から師父リュウケン(川口竜也)は
末弟のケンシロウを次の伝承者に選んだ。折しも世界を覆う核戦争に
よって文明社会は崩壊し、人々は弱肉強食の時代を生きることとなっ
た。ケンシロウはユリアとの愛を育み共に荒廃した世界を生きていこ
うとした日、南斗のシン(植原卓也・上田堪大/Wキャスト)にユリ
アを強奪され、胸に七つの傷を刻まれる。絶望の中放浪の旅に出たケ
ンシロウは、たどり着いた村で出会った二人の孤児バット(渡邉 蒼)、
リン(山﨑玲奈・近藤 華/Wキャスト)と共に旅を続ける。一方ラオ
ウは世紀末覇者・拳王を名乗り、世界を恐怖で支配しようとしていた。
ケンシロウは女戦士マミヤ(松原凜子)が治める村の用心棒レイ(伊
礼彼方・上原理生/交互役替わり)と共にラオウによって牢獄カサン
ドラに囚われたトキを救出するが、その後ユリアが失意の中でシンの
居城から身を投げたことをラオウから知らされる。ケンシロウはラオ
ウとの闘いの末に壮絶な最期を遂げたジュウザ(伊礼彼方・上原理生
/交互役替わり)をはじめとする愛すべき仲間や強敵たちの哀しみを
胸に、世界に光を取り戻すべく救世主として立ち上がるのだった。


観劇当日のWキャストの部分は、以下のとおりでした。


ユリア :平原綾香
トキ  :加藤和樹
シン  :植原卓也
レイ  :伊礼彼方
ジュウザ:上原理生
ラオウ :福井晶一
リン  :近藤 華



さて、コメントです。


上演時間は、第1幕:85 分 休憩:20 分 第2幕:75 分です。
第1幕が長すぎ、休憩時間は短すぎです。
休憩時間はともかく(女性の方はトイレが大変そうですが)、第1幕
の85分は途中でちょっとダレます。エピソードを少し削るかして5分
から10分程度短くしても、いいのではないかと思います。
第2幕は、ちょうどいい長さでした。


曲は、さすがワイルドホーンさん、素晴らしかったです。
歌詞のない部分も含めて、素晴らしい楽曲の数々が物語を盛り上げて
くれます。


歌についても、平原綾香さん、加藤和樹さんの歌唱力は抜群でしたし、
ほかのキャストの方々もさすがでした。


大貫勇輔さんのケンシロウは、ビジュアルもケンシロウそのものとい
う感じでしたし、その身体能力を最大限に活かした格闘場面は、迫力
がありました。一方、ケンシロウがその優しさを表す場面では、本当
にその優しさが伝わってきました。


ただ、第1幕では、ケンシロウはザコキャラには強いのですが(例の
有名なセリフ「お前はもう死んでいる」も第1幕で出てきます)、南斗
のシンと戦って敗れ、胸に七つの傷を刻まれたうえにユリアを強奪され
てしまいます(まあ、原作通りですが)ので、ちょっと歯がゆい感じも
します。
第1幕の部分で、ケンシロウがもう少し強敵と戦って勝つ、という場面
もあった方がいいように思いました。


なお、決闘の場面で、ワイヤーアクションが結構使われるのですが、舞
台上では迫力のある決闘が、ワイヤーを使うと(多分危ないので)、
ちょっとスローになってしまい、かえって迫力に欠けてしまうように感
じました。無理にワイヤーアクションを取り入れる必要はなかったので
はないかと思います。


また、原作では、シンはケンシロウが死闘の末に倒すことになっている
ようですが、舞台では、シンは第2幕でラオウに倒されてしまいます。
ここは、原作通り、シンはケンシロウが倒すことにした方がいいように
思います。


シンもトキもレイもジュウザもリュウケンも皆、ラオウによって倒され
るので、やたらとラオウが目立ってしまい、どっちが主人公か、という
感じがしました。


ケンシロウが強敵と戦って倒すという場面が第1幕もそうですが、全体と
しても、もう少しあった方が良かったように思います。


あと、ラオウとケンシロウが、修行の一環で虎と対決させられる場面が
あるのですが、その虎がちょっとへぼ過ぎてちょっと笑えました。
あれは、もう少し何とかならないですかね。


また、北斗神拳が一子相伝のため、ラオウとトキの兄弟が崖から突き落と
され(登ってきた者に北斗神拳を伝授する)、兄弟が助け合って崖を登っ
てくる場面は、本当は感動する場面なんだろうと思いますが、あまり感動
出来ませんでした。


作品全体として、もう少し感動するとか、胸に迫るものがあるとか、そう
いうものがあっていいと思うのですが、そのあたりが今回、イマイチだっ
たような気がします。


原作は、当然人気のあった作品ですので、演出か脚本の問題だと思われま
すが、なんとなく未完成の作品、というような感じを受けてしまいした。


長い原作を時間の制限のある舞台、しかも歌の入るミュージカルにするのは
大変だと思うのですが、そこを何とかするのが、演出、脚本の仕事だと思い
ます。


今回、上記の公演概要にあるように、豪華キャストとスタッフを揃えて、
期待値が大きかっただけに、私としてはちょっと辛口のコメントになり
ました。
ただ、私のそばにいた他の観客の方は「面白かったね」と言っていまし
たし、他の方のブログなどの評判も大方はいいようです。
決して、面白くないわけではないし、格闘場面は迫力ありますし、曲も
いいですし、出演者の皆さんも素晴らしい歌とダンスと演技を見せてく
れます。
(って、東京公演は終わってしまいましたが……。)