妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

「コンプライアンス」と「パワハラ」の勘違いについてー宝塚宙組問題!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


ある人(仮にAさんと呼びます)のブロ
グを読んでいて、何だか腹が立ってきた
ので……。


どこの文章を参考にしたのか分かりませ
んが、「コンプライアンス」に対する解
釈が完全に間違っています。


まずは、これです。


「compliance(コンプライアンス)の語源
は、充たされている、完了している、完
璧な状態を意味する言葉であるcomplete
(コンプリート)です。」


"compliance"の語源は、確かに、ラテン
語の動詞"complere"に由来し、"complete"
の祖語ともされています。


しかし、"complete"は「完成させる」と
いう意味であるのに対し、"complere"は、
「空所を満たして一杯にする」という意
味です。


"complete"よりも、もう少し、広い意味
で使われていたと思われます。


したがって、"compliance"の語源は、
"complete"ではありません。同じラテン
語の"complere"に由来する言葉で、異な
る意味を持ったと言うべきでしょう。


"compliance"を"complete"の形容詞である
「〔必要な全ての構成要素を含んでおり〕
全部そろった、完全な、全部の、~一式、
~を完備した」と解すると、更に、意味
が遠ざかってしまいます。


"compliance"には、そんな意味はありま
せん。


それを、このAさんは、「道徳的な人が
溢れ、倫理的にも素晴らしいモラルの高
い状態、つまり、完璧な社会なら、どん
な法でも守り、どのような要求にも応え、
どんな出来事にも適合、対応できるだろ
う……そういう状態を表現する言葉が、
コンプライアンスなんです。」
と言い切
っています。


いくら、「コンプライアンス」を徹底し
、追求しても「完璧な社会」なんて実現
しません。


そもそも、"compliance"の動詞である
"comply"には、「従う、応じる」という
意味があります。


何に「従う、応じる」かと言えば、「要
求・命令・規則・法令・仕様・規格など
」に「従う、応じる」ということです。


したがって、「コンプライアンス」とは、
「希望・要求・命令・規則・法令・仕様
・規格要求・条件・方針などを遵守する
こと」です。


例えば、"Maker agrees to comply with re
quirements set in the Specification."( メ
ーカーは、仕様に規定された要件に従う
ものとする。)というような使い方をし
ます。


「コンプライアンス」の起源についても、
どこからの知識か知りませんが、間違っ
ています。


そこは、どっちでもいいので、スルーす
るとしても、
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「コンプライアンスについて勘違いして
はならないのは、あくまでも社内ルール
や社員教育などの取り組みであって、法
令や法律ではないということです。
例えば、企業で何かトラブルがあった場
合、法令や法律に関わることは、当然で
すが、司法の判断、行政の判断を、仰が
なくてはなりません。
それ以外のトラブルについては、社内ル
ールなどの取り決めや、企業としての判
断で、対処することになります。」

==================
企業において、「コンプライアンス」に
関する取り組みをしているのは、まず、
第一に「法令を遵守すること」です。


法令違反があれば、法令による罰則を受
けますし、社会からの評価の低下もあり
ます。


株価が下がれば、株主代表訴訟を提訴さ
れるリスクもあります。


だから、「コンプライアンス」は、まず、
「法令遵守」と訳されるのです。


法令に違反するような企業不祥事を起こ
さないように、企業内で取り組むこと、
それが、企業が最初にやるべき「コンプ
ライアンス活動」です。


司法の判断、行政の判断を、仰ぐ」よ
うな段階になってからでは、遅いのです。


その次が、「法令遵守」よりも、意味の
広い「社会倫理・社会規範に反するよう
な不祥事を起こさない」ことです。


今回の宝塚歌劇団の「パワハラ問題」は、
まさに、それに該当します。


長くなりそうなので、②へ続く、のか?