調査報告書を読んで感じた事ー調査チームの調査報告について⑤
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
前回の④の記事↓の続きになります。
調査チームの報告書の3ページ目には多
くの黒塗り箇所があります。
それは、「4 プロミセス、プロミセス
の休演と復帰」と題されている箇所です。
4箇所あります。
①「故人が申し出た休演理由は」に続く
箇所
②「劇団診療所の当時の診療録には」に
続く箇所
③「当時の診療所記録には」に続く箇所
④「これらのことを考慮すると、故人の
休演理由がAとの人間関係の悩みであ
ったと認めることはできない」に続く
箇所
黒塗りされていない箇所には、こう書か
れています。
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ご遺族は、プロミセス、プロミセス公
演の休演理由をAとの人間関係であると
述べている。宙組劇団員へのヒアリング
では、故人が当時Aではない他の劇団員
との関係で悩んでいたとする供述と、故
人がAとの関係に悩んでいたとする供述
があったが、前宙組プロデューサーは、
故人から、当時、A以外の宙組劇団員と
の人間関係に悩んでいると聞いており、
引き継ぎを受けた現宙組プロデューサー
のメモにもその旨が記載されていた。
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そして、「これらのことを考慮すると、
故人の休演理由がAとの人間関係の悩み
であったと認めることはできない。」と
結論付けています。
以上から推測すると、故人は、この時期、
A以外の宙組劇団員との人間関係で悩ん
でいて、診療所の看護師(または医師)
に相談していた可能性が考えられます。
黒塗りは、故人のプライバシーに関わる
内容であるため、公表されなかった可能
性も考えられますが、A以外の宙組劇団生
について書かれているため、黒塗りされた
可能性も考えられます。
遺族側には、黒塗りされていない報告書
が渡されているはずなので、今後、何が
書かれていたか、明らかになるかもしれ
ません。
この「4 プロミセス、プロミセスの休
演と復帰」の前に、「3 Aとの関係性」
についての調査結果が報告されています。
時系列でみると(報告書の別紙1)、
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2021.7.20 シャーロック・ホームズ公演
宝塚大劇場 新人公演
2021.8.14 故人の額にヘアアイロンが当
たり、故人が額に火傷を負っ
た
2021.9.27 故人がプロミセス、プロミ
セス公演の休演を申し出る
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となります。
つまり、ヘアアイロン事件の1カ月近く
前の新人公演の時のことが、「3 Aとの
関係性」では述べられています。
長いので、要点だけ書くと、
①宙組劇団員へのヒアリングにおいては、
故人がAからいじめられていたとする
供述はなかった。
②故人がAを苦手にしていて、なるべく
接触しないようにしていたとする供述
が比較的多くあった。
③Aの上記行動がいじめ目的であったと
は言い難い。
④Aが故人をいじめていたとは認定でき
ない。
つまり、「ヘアアイロンの件」の1箇月
近く前の新人公演の時の故人とAとの関
係性が悪い(いじめていた)とは言えな
いから、ヘアアイロンで故人の額に故意
に火傷を負わせるようなことが起きるこ
とはないだろう、としているように思わ
れます。
この件については、↓の弁護士ドットコ
ムの記事が参考になります。
そこでは、笠置裕亮弁護士がこう述べて
います。
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ハラスメントの場合には、少し前には
人間関係に特段問題がなかったにもかか
わらず、さしたる原因もないのに突然加
害者が激高して加害行為が行われるとい
うことも珍しくありません。
報告書の問題の整理の仕方は、いじめ
やハラスメントの実態に見られる経験則
に反しており、自然と否定的な帰結にな
ってしまいやすいものになってしまって
いるのではないかと思います。
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新人公演の時の故人とAとの間の関係が
悪くはなかった(イジメはなかった)か
ら、「ヘアアイロンの件」は、「故意」
ではなかった、という結論を出すのは、
失当でしょう。