壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

三浦宏規さん主演のフレンチロックミュージック『赤と黒』を観た!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、三浦宏規さん主演のフレンチロ
ックミュージカル『赤と黒』を観に、シ
アター・ドラマシテイに行ってきました。


アルベール・コーエン制作のミュージカ
ルですので、昨年上演された宝塚星組公
演『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』と
同じ作品です。


ただ、演出家は、ミュージカル『SIX』の
ジェイミー・アーミテージ氏です。


同じ音楽、ほぼ同じストーリーなのに、
演出と出演者が違うだけで、これほど、
作品の印象が違ってくるのか、というの
は、驚きでした。


これは、もう、宝塚星組作品とは別の作
品と捉えた方が良さそうです。


とりあえず、公演プログラムよりストー
リーです。
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 ヴェリエールという小さな田舎町の貧
しい大工の家に生まれながらも、明晰な
頭脳と端正な容姿を持つ青年ジュリアン
・ソレル。ブルジョワたちが支配する社
会を激しく憎み、その知力を武器に聖職
者となって出世しようと野心を燃やす彼
は、町長を務めるブルジョワのムッシュ
ー・ド・レナールの家に家庭教師として
雇い入れられることになる。敬虔で貞淑
なレナールの妻ルイーズは、若く美しく
才能に溢れた青年に、これまでに感じた
ことのなかった胸の高なりを覚える。そ
してジュリアンもまた徐々に彼女に惹か
れていく自分に気づくが、上流社会への
嫌悪からそれを受け入れられずにいた。
しかし、自分が向けた好意をルイーズに 
あしらわれた彼は、敬愛するナポレオン
が敵を攻略するが如くルイーズを攻略す
ることを心に決め、彼女に愛を告白。ふ
たりは愛に溺れていく。そんな折、レナ
ールに対し対抗心を燃やすブルジョワで
貧民収容所の所長であるムッシュー・ヴ
ァルノの策略により、秘密の関係がレナ
ールの知るところとなりー。


 パリの大貴族、ラ・モール侯爵の屋敷
では盛大なパーティーがおこなわれてい
る。そこには、ヴェリエールを出て今や
侯爵の秘書を務めるジュリアンと、かつ
てヴァルノ家のパーティで出会った人気
歌手ジェロニモの姿があった。その才能
と勤勉さで、侯爵から厚い信頼を得るジ
ュリアンだったが、伯爵令嬢のマチルド
は冷たい態度を隠さない。美しく聡明な
彼女は、上辺ばかりで薄っぺらい貴族社
会、そしてそこに隷属する社会を厭世的
に見つめていた。侯爵は娘にラ・モール
家の家柄に見合う貴族との結婚を望むが、
それすらも彼女の退屈を加速させるばか
り。そんななか、マチルドは低俗なもの
を憎むジュリアンに真の気高さを感じ、
彼に興味を抱くようになる。一方のジュ
リアンも、敬愛する先祖の命日に喪服を
着て過ごし、ナポレオンの回想録を読む
彼女に、嫌悪してきたブルジョワの人間
たちにはないものを感じていた。自尊心
の高さゆえ互いを牽制していたが、いつ
しか愛し合うようになったふたり。しぶ
しぶながら彼らの結婚を認めたラ・モー
ル侯爵だったが、結婚式の当日、思いも
よらない手紙を受け取りー。
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キャストは、以下のとおりです。


ジュリアン・ソレル    三浦宏規
ルイーズ・ド・レナール  夢咲ねね
マチルド・ド・ラ・モール 田村芽実
ムシュー・ド・レナール  東山光明
ラ・モール侯爵      川口竜也
ジェロニモ        東山義久
ムッシュー・ヴァルノ   駒田 一
ヴァルノ夫人       遠藤瑠美子
エリザ          池尻香波
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歌えるメンバーが揃っているので、歌を
期待して観に行ったのですが、歌もさる
ことながら、その演技力に圧倒されまし
た。


演出がいいのでしょう。登場人物の人物
像がくっきりと描かれていて、原作の
「赤と黒」を舞台化すると話や人物像が
分かりにくいのですが、今回の『赤と黒』
はミュージカルにもかかわらず、分かり
やすくなっていました。


三浦宏規さんのジュリアン・ソレルは、
いかにも野望を内に秘めながら、女性へ
の愛にも情熱的になるという、破滅型の
典型みたいなジュリアン・ソレルをその
素晴らしい歌声と演技で魅せてくれまし
た。


三浦宏規さんは、『千と千尋の神隠し』
のハク役、『キングダム』の信役、『の
だめカンタービレ』の千秋役と観て来て、
私には、もうすっかりお馴染みの俳優な
のですが、今回は、また、新たな境地を
開いたような感じがして、今後の活躍が
楽しみです。


マチルド役の田村芽実さんも良かったの
ですが、もう少し、弾けた感じのマチル
ドであっても良かったのではないかと感
じました。


レナール夫人の秘密を知った時のムッシ
ュー・ヴァルノ役の駒田一さんの演技が
コミカルで、客席の笑いを誘っていまし
た。さすが、芸達者です。


そして、何よりも、ストーリーテラーの
ジェロニモ役の東山義久さんの歌と演技
は最高でした。
なお、東山義久さんと東山光明さんは、
兄弟なんですね。初めて知りました。


さて、今回のフレンチロックミュージカ
ル『赤と黒』。素晴らしい曲の数々と相
俟って、久し振りにいいミュージカルを
観た、という感じがしました。お薦めの
作品です。



↓ラストの場面で天井から赤いバラの花が
 舞い落ちてきます。