妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』は不朽の名作ミュージカル!!②

今晩は壽々(じゅじゅ)です。


①の続きです。


今回は、娘役さんを中心にコメントします。


私は、娘役さんには辛口コメントを書くことが
多いので、嫌な方はこの記事はスルーしてくだ
さい。


まず、トップ娘役の潤花さんです。
社会派の新進劇作家キャサリン・マクレガーとそ
の孫のペギー・マクレガーの一人二役です。
映画「スペインの嵐」の自分の脚本が改悪された
と制作発表パーティーに抗議に乗り込んでくると
ころで、キャサリン・マクレガーとしては、初登
場ですが、その前の場面のスペインのオリーヴの
丘でキャサリンの孫のペギーとしても登場します。
自分の危険もかえりみずジョルジュとともに真実
を追い求めてスペインの内戦の中に身を投じてい
く意志の強いキャサリンを見事に演じていると思
います。また、歌唱力もあり、フィナーレの場面
でのダンスも素晴らしいと思います。


が、これが92期の真風涼帆さんの相手役として相
応であるか、ということになると話は別です。
潤花さんは102期で、男役では風色日向さんと同期
です。真風涼帆さんとは10期違います。
さすがに真風涼帆さんと一緒の場面では見劣りしま
す。トップ娘役がこれでは困ります。
潤花さんは、真風さんの次のトップの相手役候補だ
ったと思いますし、そうであれば問題なかったので
はないかと思います。
もう、終わってしまったことに文句を言っても仕方
がないことですが、宝塚の娘役人事のやり方がどう
も納得できないところです。


次に、天彩峰里さんです。
ハリウッドの女優エレン・パーカーという役で、最
初はジョルジュの恋人でもあります。
ソ連へ向かう途中で、映画のロケの下見にスペイン
へ向かうのですが、ジョルジュの心が自分を離れて
キャサリンに向かっていることを知り、ジョルジュ
の元を去っていきます。
ですが、どう見てもハリウッドの人気女優に見えま
せん。
100期なのですが、演技力も歌唱力も102期の潤花さ
んに見劣りするように思います。
フィナーレでエトワールですが、他にいなかったの
か、と思いました。そこそこは歌えるんですが、今
一つ、という感じがします。


次は、瀬戸花まりさん(96期)。
今度の公演の千秋楽(5月1日)を以って退団です。
占い師の役です。やはりこの辺りになると娘役でも
貫禄があります。瀬戸花まりさんエトワールでも良
かったのでは?と思いました。


最後に、水音志保さん(101期)。
ヴィンセント(芹香斗亜さん)の恋人役なのですが、
ちょっと目立たなかったように思います。顔立ちは
綺麗だと思うのですが。
演出の方で抑えちゃったんですかね。もうちょっと
目立たせてやってもいいのではないか、と思いまし
た。
再演物ですから難しいとは思いますけど。


今回の作品を観た限りでは、宙組は男役さんは充実し
ているのに、娘役さんがちょっと層が薄いように感じ
ました。
潤花さんが真風さん退団後も続投ならばいいのですが。


ここでちょっとツッコミを一つ。


潤花さんのもう一つの役、ペギー・マクレガーですが、
ジョルジュとキャサリンの孫ということになっていま
す。
ヴィンセントの孫については、ヴィンセントが戦争後
も生き残ったのかな、ということもありますが、ジョ
ルジュは物語の最後で確実に死んでいます。
それが孫がいるということは……。
宝塚ですからキスシーンしか出てきませんが、そうい
うことなんですね。


最後に、キーワード解説をいくつか。


前回の記事で、宝塚のHPに記載されているキーワード
解説を転載しましたが、その他にもこの作品には分かり
づらい言葉が出てきますので、ご参考に、いくつか解説
します。


共和制


最初の映画の制作発表パーティーの場面で、「スペインが
共和国になった」というセリフが出てきます。
実は、スペインは、イスラム勢力の支配からの解放時、2つ
の王国が統合されて、エスパーニャ (España) 王国となるの
ですが、その後、王政→帝政→王政→第一共和政→王政→
第二共和政となります。この第二共和政の時に「スペイン
内戦」が勃発します。
「選挙で共和国になった」わけではなく、選挙時に国王が
退位・亡命したため、スペインは共和制になっています。
1873年に一度、共和制に移行しているので、第二共和政と
言われています。


で、「共和制」とは、ですが、
一国を代表する象徴あるいは元首が,人民の中から一定の
任期間選ばれる国家の体制。 英語でrepublic,君主制の対。
 主権が人民にあることから民主制と同義語に用いられる場
合があるが,実質的には独裁的統治が行われる場合も少なく
ない。 多くの国が共和制の形態をとっている。


コミュニスト(共産主義者)


桜木みなとさんが演じるフランシスコ・アギラールは、ソビ
エト連邦の支援を受けていて、コミュニストです。
作品に出てくる統一社会党も統一労働者党も共産主義政党に
なります。
共産主義(コミュニズム)とは、主要な生産手段を社会化す
ることによって、人間による人間の搾取を廃止し、社会から
貧困をなくすとともに、経済の推進力を、利潤追求から人間
の物質的精神的な生活の発展に求め、すべての人間の自由で
全面的な成長・発達を目的とする思想、運動、社会体制をい
う。(余計分かりにくくなったような)
共産主義というと、ロシアや中国が想起され、悪いイメージが
ありますが、ロシアや中国は、独裁制が問題であって、共産主
義そのものが悪いわけではありません。


ゲルニカ爆撃


ゲルニカ爆撃は、スペイン内戦中の1937年4月26日、ドイツ空軍
のコンドル軍団がスペイン・ビスカヤ県・ゲルニカに対して行っ
た都市無差別爆撃である。当時、戦争に新たに加わった無差別攻
撃が空爆であり、ゲルニカ爆撃が最初であった。
この爆撃は敵国民の戦意をそぐために行われる戦略爆撃の先駆け
と考えられており、戦略爆撃は第二次世界大戦で本格化した。
『ゲルニカ』は、スペインの画家パブロ・ピカソが1937年にゲル
ニカが受けた都市無差別爆撃(ゲルニカ爆撃)を主題として描い
た絵画、およびそれと同じ絵柄で作られた壁画である。


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