妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

もう少しましな原作はなかったのか?雪組公演『夢介千両みやげ』

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前々回と前回の記事では、比較的好意的な
コメントを書きましたが、今回は、ちょっ
とこの作品に対する批判的なコメントです。


演出の石田昌也先生は、公演プログラムで
「どちらかというと「笑いたがり」より「泣
きたがり」のファンが多いが、『明るい時代
劇を』と打診され、「夢介千両みやげ」を舞
台化しようと思いました。」
と述べていますが、『明るい時代劇を』と打診
する方もする方ですが、それに応えて、あろう
ことか、山手樹一郎原作の『夢介千両みやげ』
を宝塚の本公演で舞台化する方もする方です。


「泣きたがり」のファンが多い、ということは、
そのような作品(例えば、『星逢一夜』『壬生
義士伝』『桜嵐記』のような作品)に対する観
客のニーズが高いということだと思いますが、
別にそのような作品ばかりが観たいわけではな
く、宝塚ファンは、現在上演中の『TOP HAT』
のような粋なコメディ作品も好きだと思います。


ですから、「明るい時代劇」でも構わないとは
思いますが、よりによって、山手樹一郎原作は
ないだろう、と思います。


山手樹一郎氏の代表作は、『桃太郎侍』で、高橋
英樹さん主演でテレビドラマにもなりました。
『水戸黄門』や『遠山の金さん』のような勧善懲悪
の時代劇で、テレビ放映中は人気もあったように思
いますが、今時、こんな作品をテレビで放映しても
誰も見ないでしょう。


山手樹一郎の作品は、基本的に、『桃太郎侍』のよ
うな大衆娯楽時代劇がメインで、『夢介千両みやげ』
もその中の一作品です。


したがって、今時、テレビで放映しても誰も見ないよ
うな時代劇を、演出の石田昌也先生は宝塚で舞台化し
たということであって、宝塚の観客のニーズをよく理
解していない、ということではないでしょうか。


他の作家の時代劇で、宝塚の観客のニーズに合った作
品(例えば、『るろうに剣心』のような)は、探せば
あるだろうと思います。


新トップお披露目公演の『CITY HUNTER』に続いて
『夢介千両みやげ』では、彩風咲奈さん、朝月希和さ
んをはじめとする雪組の皆さんが気の毒です。


次の雪組本公演は、浅田次郎原作、原田諒先生の脚本・
演出ですから、今度は期待が持てそうです。