妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

結構面白かった明日海りおさん主演の『マドモアゼル・モーツァルト』!!②

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


本日は、昨日の続きです。


なお、一部記憶違いがあるかと思いますが、何卒ご容赦ください。
ニュアンス的にはだいたい合っていると思います。


なお、ここからはネタバレが含まれます。


舞台は、まずモーツァルト(明日海りおさん)が死んだところから
始まります。


モーツァルトの死体の置かれたベッドには白い布がかけられ、足元
には、シカネーダー(古屋敬多さん)が立っています。ベッドには、
モーツァルトの弟子のフランツ(鈴木勝吾さん)が「先生!先生!」
と泣き叫びながら、すがりついています。そして、枕元にはコンス
タンツェ(華優希さん)が涙を流しながら立っています。


コンスタンツェは、シカネーダーとフランツに部屋を出て行ってもら
うように言います。
やがて、コンスタンツェも部屋から出ていきます。


すると、ベッドの白布の中からモーツァルト(エリーザ)が現れます。


明日海りおさん登場!!


少女時代のエリーザは子役がやるのかと思っていましたが、明日海りお
さんがやるのですね。


そこへ、モーツァルトの父親レオポルド(戸井勝海さん)、母親アンナ
(松田未莉亜さん)、姉ナンネル(吉田萌美さん)が登場します。


3人の前でエリーザはピアノで「きらきら星変奏曲」を弾きます。
顔色を変えたレオポルド。エリーザに訊きます。「今のは即興か」と。


自分の娘のエリーザが天才だと知ったレオポルドは、娘の髪を切り、
娘を男にしようとします。その頃、女で有名な音楽家になることはでき
ませんでした。


その時、エリーザはスカートをめくってこう言います。「だって、
お〇ん〇ん付いていないもん。」


ちょっとびっくりしました。明日海さんの口から「お〇ん〇ん」のセリ
フが出てくるとは!しかも原作にもそんなセリフはありません。
「〇〇〇コード」もへったくれもありません。
もう、演出家の先生が「明日海りお=宝塚」の鎖をぶち切るためにわざと
このセリフを明日海さんに言わせたとしか思われません。
私としては、ちょっと面白くなってきました。このあとどうなるんだろう
……と。


舞台は変わって、ウィーンへ。
ウィーンでは、モーツァルトは有名になって、女性にモテモテ。
もちろん、髪を短く切って、男装し、女=エリーザから男ウォルフガング
・アマデウス・モーツァルトになっています。


追いかける女性達から救い出してその腕にモーツァルトを抱きとめる男。
その男こそウィーンの宮廷作曲家サリエリ。
サリエリは、モーツァルトを腕に抱きとめた時、モーツァルトに対して
ある疑惑を抱き始めます。モーツァルトはゲイではないかと。


さて、モーツァルトが下宿する下宿屋の大家(徳垣友子さん)は、娘の
コンスタンツェと有名になったモーツァルトを結婚させようと画策します。
そして、モーツァルトとコンスタンツェは結婚することになってしまい
ます。


結婚したコンスタンツェは、モーツァルトをベッドに誘いますが、仕事
の忙しいのを言い訳に、なかなか、ベッドを一緒にしようとしないモー
ツァルト。
しかし、いつまでもそうしているわけにもいかず、ついに、コンスタン
ツェに自分が女であることを明かすことを決心したモーツァルト。
ベッドの上で上半身裸になって自分が女であることを明かします。


この部分、原作ではモーツァルトは上半身裸になるのですが、舞台では
どうするのかと思って見ていたら、なんと明日海さんが(後ろ向きでは
ありますが)上半身の半分ほど裸になっていました!!


思わず、明日海さんのお美しい背中をオペラグラスでガン見してしまい
ました。


一度は、モーツァルトの元から逃げ出したコンスタンツェですが、行く
場所もなく、モーツァルトの元へ戻ってきます。


コンスタンツェは、モーツァルトの弟子であるフランツ(鈴木勝吾さん)
と浮気して子供までできます。
※実際にはモーツァルトには6人の子供がいますが、成人したのは男の子2人
 だけです。この子供は、成人する長男のカール・トーマス・モーツァルト。


しかし、モーツァルトの音楽は次第に人々から飽きられていきます。オペラ
「フィガロの結婚」も「ドン・ジョバンニ」も失敗してしまいます。


ところで、「ドン・ジョバンニ」のモデルは舞台では「カサノヴァ」という
ことになっていますが、実際のモデルは「ドン・ファン」。
ドン・ファンは、17世紀スペインの伝説上の人物です。(ドン・ジョバンニ
もドン・ジュアンも読み方の違い)
明日海さんが宝塚花組トップ時代に『CASANOVA』を演じたことがあるので、
わざわざカサノヴァにしたのでしょう。


ただし、カサノヴァは、イタリア ヴェネチア出身で1725年に生まれ、1798年
まで生きています。一方、モーツァルトは1756年生まれで1791年に35歳で死亡
しています。
さすがに、同時代に生きた人をモーツァルトもオペラの題材にはしないでしょう。


ある日、モーツァルトの元に父レオポルドの死の知らせが届きます。
父親の死によって父親の呪縛から解き放たれたモーツァルト。
女装して(?)渋るコンスタンツェと一緒にサリエリのオペラを観に行きます。


明日海さんのドレス姿がとってもお美しい!!華優希さんのドレスもきれいで
可愛い!!
華優希さんのポスターや公演プログラムの画像のドレスは多分、この時のもの
ですね。普段のコンスタンツェのピンクを主体にしたドレスも可愛いです。


さて、長々とストーリーを書いていても仕方がないので、話を飛ばして……、


劇場支配人で台本作者でもあるシカネーダーから大衆のためのオペラの作曲を
依頼されたモーツァルト。そのオペラ「魔笛」の台本が気に入りモーツァルト
は、「魔笛」の作曲のために持てるすべての力を注ぎこみます。
そして、「魔笛」の曲をすべて作曲し終わり、オペラの成功を見届けてモーツ
ァルトは息を引き取ります。


そして、最初の場面へ。


原作にあるモーツァルト毒殺の話はカット、復活したモーツァルトが新作オペラ
「マドモアゼル・モーツァルト」を作曲するという話もなし、サリエリの途中の
あれやこれやもカット、コンスタンツェの二人目の愛人ペーターも登場しません。


その分、物語がすっきりして分かりやすくなったように思います。ミュージカルで
正味2時間半のうちに歌もダンスも入るのだからなおさらです。


モーツァルトの天才であるが故の周りの誰からも理解されないず、一方、その
天才モーツァルトの自由奔放さにコンスタンツェを始めとする周りの人々振り回
され苦しみます。


コンスタンツェは、モーツァルトが女だと知って最初は拒否し、愛人まで作ります
が、次第にモーツァルトを理解するようになり、人と人として互いを信頼しあい、
互いが必要な相手となっていく、それが「あなたに会えて本当によかった」という
セリフに込められているように思います。


最後に、明日海りおさんはこの作品のモーツァルト(実は女だった)の役にぴった
りだったと思いますし、華優希さんも次第にモーツァルトに対する感情が変化して
いくコンスタンツェを結構難しい役だと思うのですが見事に演じていたと思います。
平方元基さんは、ちょっと今までの役とは違うコメディタッチな役でまた新しい面を
見せてくれましたし、歌唱力は相変わらず抜群でした。
シカネーダー役の古屋敬多さんは、ほぼ第2幕しか出てきませんが、素晴らしいダンス
を披露してくれました。


このミュージカルが、今後もさらに進化し続けることを祈っています。
(まだ、2回観劇に行く予定ですので、追加することがあれば、また書きます)