妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

花組愛知公演 『フィレンツェに燃える』を観劇して②(キャスト感想)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、出演者に関する感想です。


まず、アントニオ役の柚香光さんです。
髭の話は別として、今回の役は余り柚香光
さんには合っていなかった、というのが、
正直な感想です。
「聡明でノーブル」というのは、いいので
すが、どちらかというと、世間知らずの貴
族のお坊ちゃんという感じがしました。
今回のアントニオもそうですが、『アウグ
ストゥス』のオクタヴィウスも合っていな
いと感じました。
柚香光さんには、「静的」(という表現が
いいのか分かりませんが)な役よりも「動
的」な役、例えば『巡礼の年』のリストや
『はいからさんが通る』の伊集院忍のよう
な役が合っていると思います。
しかも、主人公なのに余り見せ場がない。
これではね。ちょっと気の毒です。


次は、レオナルド役の水美舞斗さんです。
こちらは、「自由奔放な熱血漢」というこ
とで、水美舞斗さんにはぴったりの役でし
た。他の人も書いてみえますが、こちらの
方が主役か?と思うくらいの熱演ぶりでし
た。
オテロとの剣での決闘場面は、格好いいの
一言に尽きます。
アントニオに対する兄弟愛の場面も良かっ
たです。兄弟の強い絆を感じさせる演技で
した。


パメラを演じた星風まどかさん。
宙組でトップ娘役になって、トップ娘役歴
もう5年。貫禄さえ感じられます。
柚香光さんの相手役も別箱も含めると5作
目。息がぴったり、という感じになってき
ました。
二面性を持つパメラの星風まどかさんの演
技には、確かなものを感じました。
こういう役にも合っているんですよね。
さすがです。


アンジェラ役の星空美咲さん。
最近話題の中心ですので、しっかり観させ
てもらいました。
何かお芝居ができていないというような感
想の方もみえますが、アンジェラはああい
う役なのだと思います。
そのあたりをしっかり演技した星空美咲さ
ん。
なるほど、トップ娘役候補だとは思います
が、組替えするよりは、もう少し、花組に
置いて、育てて欲しい、と思います。


さて、花組3番手の永久輝せあさん。
途中で衣装が変わって派手になったのには、
ビックリですが、憲兵隊の制服が良く似合
ってました。愛人のマチルドを「いい子だ」
などとおだてて、貴族の動向を調べるため
に、酒場の歌い手としてに雇わせるなど、
いかにも、やることが姑息な悪人役ですが、
それも似合っているという……。


最後に、アントニオとレオナルドの父親役
の元花組組長の高翔みず希さん。
ショーの方でバロン役で出ているので、こ
っちにも出演しました、という感じ。
バルタザール侯爵として、貴族としての伝
統を守り抜くという強い意志を持っていま
す。そんな、威厳を持つバルタザール侯爵
に高翔みず希さんがぴったり嵌まっていま
した。
最初と最後にご出演で、しっかりと存在感
を示すところはさすがです。
最後に、レオナルドが義勇軍に加わるため
に出発するのを葡萄酒で乾杯する場面は、
やはり、親子の愛情を示していて、感動的
です(こっちが主題じゃないんですが……)。
ただ、どうもカーニバルの場面でアルバイ
トをしていたみたいです。
ところで、パメラをヴェローナからフィレ
ンツェへ招いたのはこの人。
そうすると、すべての騒動のもとはこの人
だったことになり、一言くらいは反省の弁
があってしかるべきだと思うのですが……。