妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

ようやく観れました~星組公演『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム』①

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、宝塚大劇場で星組公演『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム』
を観劇してきました。



劇場へ到着したら、私の妻から仰せつかった来年のスケジュール帳を
買いに真っ直ぐキャトルレーヴへ。スケジュール帳のついでに、公演
プログラムと綺城ひか理さんと極美慎さんの写真をGET!!


次は、戻ってレビューショップで柳生忍法帖の写真付き萩の月を買い
ました。


いつもなら事前に発券機でチケットを発券しておくのですが、今回は、
宝塚大劇場 ご来場者3000万人達成を記念して、「記念デザインチケ
ット」を入場認証用チケットとして発券するとのこと。初めて、友の会
カードで入場して、「記念デザインチケット」なるものをGETしました。
礼真琴さんの写真付き(柳生十兵衛の格好)のチケットでしたが、
「宝塚大劇場 ご来場者 3000万人達成」の文字は不要な気がするの
ですが……。


今回の席は、久しぶりのSS席。前から5列目の上手側。
左隣は母娘連れで、女の子は幼稚園年長さんくらいかな?
最初は、双眼鏡で銀橋を渡るスターさんを見ていましたが、そのうち
飽きたのかゴソゴソしたり、母親に小声で話しかけたり。レビューでは
途中から寝ていました。子供は正直ですね。


さて、久しぶりの宝塚大劇場ですが、場内アナウンスがだいぶ厳しく
なっていて、会話やおしゃべりや談笑などは小声でも、また、ロビー
でもダメ!!
東京建物Brillia HALLも是非見習ってほしい!!!


いつもながら、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。


『柳生忍法帖』について


一言でいえば、山田風太郎の傑作小説を宝塚の舞台で上演にするために、
山田風太郎作品の重要な要素であるエ〇とグ〇を完全に取り去って、
また、文庫本で上下2巻のお話を1時間半の舞台にするために大幅に
カットし、さらに、余計な手を加えて出来上がった作品と言えると
思います。


山田風太郎の作品をどのようにして宝塚の舞台にするのか、少し期待
もあったのですが……、やはり無理でした。


「駄作」という言葉は好きではないですが、これはさすがに「ダメ作」
だと思います。


ただ、愛月ひかるさんの退団公演であっただけに、もう少し宝塚の舞台に
合った良い原作(例えば、山本周五郎とか浅田次郎とか)を選んで欲し
かったと思います。残念でたまりません。


トップの退団公演に名作はないと言われているようですが、2番手でも
同じなんでしょうか?そういえば、元月組2番手であった美弥るりかさん
が退団した公演の『夢現無双』もいまいちでした。


ただ、礼真琴さんが演じる柳生十兵衛は、礼真琴さんが「千葉真一さん
を目指す」と言っていただけあって(千葉真一さんの演じる映画を見て研究
したのでしょうか?)、剣豪柳生十兵衛という雰囲気が良く出ていました。


また、礼真琴さんの歌う曲も礼真琴さんの声に合っていたのか、とても良
かったし、礼真琴さんの歌唱力が存分に発揮されていたと思います。


ただ、ところどころ、観客受けを狙ったのか、柳生十兵衛がおちゃらける
場面があったのですが、やめた方が良かったと思います。(原作には
ありません。原作の柳生十兵衛は飄々とはしていますが真面目です。)


歌唱力で負けていないのが愛月ひかるさんの芦名銅伯。ちょっと、107歳
にしては、顔色も良く肌ツヤもいいのですが、これは仕方ないですね。
悪役ですが相変わらず圧倒的な存在感があります。


舞空瞳さんの衣装が豪華できれいでした。ただ、稀代の悪女から柳生十兵衛
に恋をして変化していく部分が完全にカットされていたので、演技力を発揮
する場面が少なかったのは少し気の毒です。


さて、物語は、会津藩の家老堀主水が主君加藤明成の蛮行に耐えかねて出奔
するところから始まります。
原作では、後半からしか登場しない芦名銅伯(愛月ひかるさん)とゆら(舞
空瞳さん)が最初から登場します。会津七本槍も登場します。



そして、場面は鎌倉・東慶寺の門前へ。
会津七本槍が東慶寺に匿われている堀一族の女たちを殺そうとするのですが、
天樹院=千姫にすんでのところで救われます。
ここが原作と違います。原作では天樹院=千姫が現れるのは、堀一族の女23人
が殺されて残りが7人になった時。
だからこそ、天樹院=千姫は生き残った堀一族の女七人をして会津七本槍を
討たせようとします。
その部分がないので、天樹院=千姫が堀一族の女自身の手で会津七本槍を
討たせようとする経緯がよく分からないことになります。


そして、東慶寺に沢庵和尚と柳生十兵衛が登場。
柳生十兵衛は、天樹院=千姫の話を聞いて堀一族の女たちの指南役を引き受け
ます。十兵衛は堀一族の女たちに武芸では会津七本槍に敵わないことから、
「軍学」を教示することにします。
ここで、「軍学」?ということになりますが、実は原作にも「軍学」と書いて
あるだけで具体的な内容は書かれていません。十兵衛が堀一族の女たちに
する修行内容から察するしかありませんが、舞台ではその修行内容が出てこない
ので余計に?となります。


一つとばして、江戸・加藤屋敷の場面。
ひとつ前の場面で捕らわれた柳生十兵衛の前に蘆名銅伯とゆらが現れます。
ゆらは、人を恋いうる心が抑えられなくなる魔性の香を使って十兵衛を
惑わせようとします。
前にも書いたとおり、原作で芦名銅伯とゆらが登場するのは後半部分。
それでは愛月ひかるさんと舞空瞳さんの登場場面が少ないので、ここでも
登場させています。
ただ、会津藩にいるはずの芦名銅伯とゆらが何故ここにいるのかというと、
ちょっと説明に困ります。


少し長くなったので、②へと続きます。