妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

星組トップの礼真琴さんは、「トップオブトップ」になれるのか?

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前回の「星組トップ礼真琴さんは、本公
演10作の長期任期の可能性はあるのか?」
という記事(↓)の続きです。


ある方のブログの礼真琴さんについての
記事の「現代のトップオブトップ候補生
が誰かと言えば、星組の礼真琴でしょう」

についてです。


いわゆる「トップオブトップ」とは、ど
うも「10年に一人ぐらいの大物的人気
があるのと同時に、時の宝塚歌劇を代表
するようなスターさんを指す」
らしいん
ですが、そう言われた(と思われる人)は、
この方も記事で書かれているように最近
では二人だと思います。


一人は、元星組トップスターの柚希礼音
さん、もう一人は、元花組トップスター
の明日海りおさんです。
(ただ、これだと、10年に一人じゃなく
て5年に一人になりませんかね。)


柚希礼音さんは、本公演11作、明日海り
おさんは、本公演10作です。
本公演10作ぐらいでないと「トップオブ
トップ」と呼ばれるのは難しいのでしょ
う。


ということで、前回の記事では、礼真琴
さんの任期を予想してみました。
その記事の結論は、礼真琴さんは、8作
退団で(場合によっては9作)、10作以
上の長期任期は難しい、というものでし
た。


で、今回は、まず、柚希礼音さんと明日
海りおさんがどうだったかを見てみます。


まず、柚希礼音さんです。
==================
1999年、85期生として入団。
2009年4月27日付で星組トップスターに
就任
2015年5月10日、「黒豹の如く/Dear
DIAMOND!!」東京公演千秋楽をもって、
退団。
トップ在任期間は、6年間です。
==================
次に、明日海りおさんです。
==================
2003年、89期生として入団
2014年5月12日付で花組トップスターに
就任
2019年年11月24日、「A Fairy Tale/シ
ャルム!」東京公演千秋楽をもって、退団
トップ在任期間は、5年半です。
==================
礼真琴さんは、2019年10月14日付で星組
トップスターに就任です。
明日海りおさんと同じ5年半の任期とする
と、2025年前半での退団になります。
これでは、今の公演スケジュールでは9作
になります。
10作退団とすると、2025年後半での退団、
つまり6年の任期になります。


明日海りおさんの次のトップは、95期の
柚香光さん。89期の明日海りおさんとは、
6期離れています。
つまり、5年半のトップ在任期間でも問
題はなかったことになります。


しかし、柚希礼音さんの次のトップは、
88期の紅ゆずるさんで、2期しか離れて
いません。
ただ、紅ゆずるさんは、約3年の任期で
退団、その後の北翔海莉さんも1年半で
退団、合わせて4年半です。
そして、その後にトップになったのが
95期の礼真琴さん。柚希礼音さんとは、
10期離れています。
つまり、礼真琴さんの所で帳尻を合わ
せたことになります。


礼真琴さんが6年もの長期任期では、後
がつかえてしまうことは、前回の記事で
も書きました。


任期はともかく、礼真琴さんを「トップ
オブトップ」と言うのは、どうでしょう
か?


この方は、「トップオブトップ」を「そ
の時代の顔として歴史に刻まれるのも当
然であるほど、内外誰もが納得しうる人
気(と実力)を誇ってこそ背負える、神
聖なものだと私は考えています。」
と書
かれています。


念のために、「神聖」を辞書で調べると
「尊くておかしがたいこと。清浄でけが
れがないこと。特に、宗教・信仰の対象
などとして、日常の事柄や事物とは区別
して扱われるべき特別の尊い価値をもっ
ていること。また、そのさま。」と書い
てあります。
なんか、ちょっと違うような……。


むしろ、「カリスマ性がある」と言った
方が近いような気がします。


ただ、宝塚でトップになるような人は、
ある程度は「カリスマ性」があると思い
ますので、その中で、他のトップと比べ
て「抜きんでて」という事でしょうね。


「この2人の共通点として、任期最初の
頃は自身の想い出作品や、劇団の名作シ
リーズの再演でお茶を濁しつつ、4作目
でトップ黎明期と別れ、5作目でヒット
作を得て飛躍。
同時期に組体制をガラリと変えて鮮度を
保たせつつ、オリジナル大作を上演しな
がら最盛期を迎えるという、いかにもト
ップオブトップらしい変遷を辿っている
ことです。」
←なんかむりやり感があり
ますが、任期が長かったから出来たこと
だと思います。(ちなみに、礼真琴さん
の5作目は、今、上演中の『ディミトリ
〜曙光に散る、紫の花〜』『JAGUAR
BEAT-ジャガービート-』です。ヒット作
ですかね?)
しかも、サンプルが二人だけというのは、
数が少なすぎます。
もっと、遡って、トップオブトップと言
われた人も調べないと、説得力がないで
しょう。


で、「トップオブトップ」について、イ
ンターネットで検索すると、一番多いの
が轟悠さん。ただ、轟悠さんは、専科に
移られてからでしょう。
専科から他組に出演して、当然、その組
のトップより上級生ですから、主役を務
めることになります。羽根もトップと同
じ羽根を背負います。
確かに、「トップオブトップ」に見える
でしょう。
ただ、「トップオブトップ」は、「トッ
プの中のトップ」です。轟悠さんは、専
科生であって、トップではありません。
専科時代の轟悠さんを「トップオブトッ
プ」と呼ぶのは、おかしいと思います。


もう一人は、鳳蘭さん。
鳳蘭さんがトップの時代を知らないので、
よく分かりませんが、相当、人気があっ
たのでしょう。
ただ、鳳蘭さんが在団していた頃に「ト
ップオブトップ」という言葉があったの
かというと……。
というよりは、鳳蘭さんは、「レジェン
ド」と言った方が相応しいのでは……。


その他は、もう、人それぞれです。
真矢みきさんという人もいれば、春野寿
美礼さんの名前を挙げる人もいて。
何かその人それぞれの「トップオブトッ
プ」がいるような気がします。


したがって、「トップオブトップ」とい
うのは、なんとなく、多くの人がそう思
っているくらいの意味しかないのではな
いかと思います。


なお、この方は礼真琴さんを挙げていま
すが、礼真琴さんが星組トップに就任し
たのは、2019年10月14日。
同期の花組トップの柚香光さんが花組ト
ップに就任したのは、2019年11月25日
で、礼真琴さんとは、わずか、1カ月強
違いです。


ただ、柚香光さんは、今度、水美舞斗さ
んの専科異動で花組2番手となるVISAガ
ールの永久輝せあさん(97期)が下にい
るので、長期任期は考えにくいでしょう。


礼真琴さんと柚香光さんの立場を入れ替
えて考えてみるとよく分かります。
花組でトップの礼真琴さんが、下にVISA
ガールの永久輝せあさんのいる状態で、
「トップオブトップ」になれるでしょう
か?
10作退団は、とても無理だと思います。


礼真琴さんが本当に、10作退団だとして
も、それは前任者が紅ゆずるさんで、5
作で退団したこと、また、真風涼帆さん
が宙組に組替えして、星組ではトップに
ならなかったこと、下が、98期の暁千星
さんで、待とうと思えば待てることなど
の運と偶然の産物だとしか思えません。
(人気と実力だけではなれないような)


さらに、9作退団の真風涼帆さんが「トッ
プオブトップ」という話は聞いたことが
ありません。
これは、真風さんが「トップオブトップ」
に相応しくない、というようなことでは
なく、もう、時代が変わってきて、社会
が多様化していく中で、宝塚ファンも多
様化していること、SNSの発展で情報が
拡散しやすくなっていることなどから、
劇団側が「トップオブトップ」という
「劇団の顔」を必要としなくなってきて
いる
のではないかと思います。


そうすると、礼真琴さんが、たとえ長期
任期になっても「トップオブトップ」と
呼ばれるようになるのかは、やや疑問に
思います。


余程の事がない限り、今後は、「トップ
オブトップ」というその人だけが他のト
ップに比べて、人気がひときわ抜きんで
ているという人は出てこないのではない
かと思うのですが……。


ただ、このブログの方のような発信力が
あって、フォロワーも多い人が、その人
の主観で「この人がトップオブトップ」
だと言うと、それが広まって、なんだか、
それが多くの人の共通認識になってしま
うような気がして……。
それは、ちょっと違うような……。